2023/06/30 (金) 20:00 24
大垣記念では今年2度目、通算32回目のG3を優勝することができました。応援ありがとうございました。
それでは、今回のテーマに入っていきたいと思います。
あなたは「練習」の意味を理解していますか?
まずは言葉の意味をみていきましょう。
練習の「練」には
・くり返し手をかけ、質のよいものにする
・ねる
という意味があります。
練習の「習」には、
・くりかえしまねをして身につける
・ならう
・なれる
という意味があります。
すなわち、練習とは…。
“くりかえす”ということです。
「繰り返してやることができない人間には何も身につかない」辞書にはそう書かれているように私は感じました。
これを見ている君たち‼︎ いろんなトレーニングに手を出しているのではありませんか??
きっと、たくさん失敗するでしょう。
その失敗に気づいたときには…。時が経ち、強くなれる時期を逃しているかもしれません。このコラムを読んだことで、ほんの少しでも早く気づくきっかけになってくれれば私は嬉しく思います。
例えば、お金持ちから聞いた儲け話…強い人から聞いたトレーニング…。
気を引かれ、手を出したくなりますよね!? 果たして、手を出していいのでしょうか!?
この2つには、教わる側の目には見えない「確立された土台」というものがある。
お金持ちならば、知恵や知識。
選手ならば、スキルと知識。
しかし、その土台がない場合は、失敗した時のリスクは大きいでしょう。
まずは“土台”という1つのことをコツコツ作りあげるようにした方がいいと思います。
競輪選手にはこんな人がいます。
今日は街道、明日はウエイト、明後日はバンク。
その次は…。
今日はダッシュ、明日は乗り込み、明後日はバイク誘導、その次は…などと次々メニューを変更する。
これは“練習をしている”と言えるのでしょうか…。さて、言葉の意味に戻ってみましょう。
毎日違うことをしている。
これでは1つのことを“繰り返す”ということができていません。よって、練習していないのと同じことになるのかもしれません。
決勝戦は天候が悪く雨の中のレースとなりました。しかしその瞬間、『勝てる可能性が高まった!!』…私はそう感じました。
なぜならば、悪天候でも普段通りのトレーニングをしているからです。ほとんどの人が雨に濡れることを嫌がり室内でトレーニングをします。
決勝戦は天候が悪く雨の中のレースとなりましたが、これも普段から繰り返して行う“練習”の成果なのだと感じました。
晴れが強くて、雨に弱い選手。
雨が強くて、晴れに弱い選手。
風の強い日や、弱い日。
バンクコンディションも予想の1つのポイントとして、車券購入に繋げてみてはいかがでしょうか!?
最後に…好きな言葉を紹介します。
「 雨ニモマケズ風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル 」
このフレーズが好き。
丈夫な身体を持つには、その状況下において耐えることが必要だと思う。そして精神面も自然と鍛え上げられる。そうなれば、ほんの少しの嫌なことは笑って流せるんだろうな。
世の中は妬み僻み、嫌がらせでいっぱいだけれど、まずは自分が何をしたら強くなれるのかを今一度考え、丈夫な身体と丈夫な精神を身につけてほしいと思います。
その第一歩が“練習”です。
同じことを繰り返す。それができれば、あなたも何かを見つけるきっかけになることでしょう。
浅井康太
Asai Kota
1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」