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君! 君! 君! 読んだら得するよ〜!!! / 浅井康太

2022/11/03 (木) 18:00 33

 ようこそ【ASAI☆Lab】へ

 先輩という立場の皆様、若手や新人に“教える”って難しくないですか??

「あの先輩うるさい、うざい、嫌い」…など陰で言われてる人は沢山いるでしょう。

「あいつが言ってたよ〜」ってよく耳に入ってくる。そう、私も言われる側の一人です(笑)。

 私は若手に対して、まず本数、量をこなし、ただ我武者羅にやることを伝えます。厳しく言うことは嫌いなので「しっかり練習したほうがいいよー」とだけ…。

【量(りょう)】〜ひたすら向き合うこと〜

 一般的には、反復する事で“能力”が身に付くと思われています。確かに同じことを何度も繰り返すことで出来るようになります。

 それだけは、ね。

 トレーニングに例えて話をします。

 まずは我武者羅に、できる限りの量をやる。それで倒れればいいんです。

 そして、次の日もその次の日も…同じことを繰り返す。ひたすら量をこなして毎日ぶっ倒れる。

 それでいい。

 “継続は力なり”という言葉通り、同じことを繰り返し行うことで、いつの間にかその回数が楽になる。楽になれば1本、いや2本と増やせばいいんです。そしてまた、毎日毎日ぶっ倒れればいい。

“継続は力なり” (撮影:島尻譲)

 その増やした1本、2本ができるようになれば、元々ある“基礎能力”が自動的に上がっています。これは“基礎を上げるため”のトレーニング方法でもあるのです。基礎だけの反復をやればいいって話ではないということ。

 若手や新人達は「アレをやれ、コレをやれ」と言う人間についていくのではなく、その先のことを考えながら「やれ」と教えてくれる人を見極め、ついていけば、さらに能力を付けられる可能性がある。ぜひ、我武者羅の意味を理解し自分の能力を開花させてほしい。

【質(しつ)】〜中身を考えること〜

 最近のトレーニング方法は、質を求める考え方が多い気がします。

 なぜ、質を求めることで能力が上がるのかを理解しましょう。簡単に伝えます。

 “質”とは“中身”のことです。

 まず始めに自分の中身を考えましょう。自分自身と向き合い、間違いを見直すことが大切になってきます。

 その向き合うかたちが“量”ということです。

 “量”をできる人間が“質”を求める事で“質”のいい状態のまま“量”ができる。

 “量”をできない人間が“質”を求めたとしても「追い込めない、頑張れない、練習やらない」そんな“中身”の人間が強くなるわけがありません。一瞬だけ調子が上がる時があるくらい…程度です。

 量をこなすことで、自分自身の動き(中身)を理解します。その上で質を高める為の知識を付け、何が良くて何が悪いのかを理解すると、感覚という最高の能力が身についてくる。

 知識が先行してしまうことで自分の感覚を見失う。“感覚”を見失う最大の弱点は“知識”である。是非、覚えておいてください。

“感覚”を見失う最大の弱点は“知識”である(撮影:島尻譲)

【質+量=質量】〜新しいことを生み出す〜

『質+量=質量』 ※質量とは…物体の動かしにくさの度合いのこと

 “質”と“量”、異なる言葉同士ですが、考え方によってはこうなります。

 この2つを理解してから取り組むことで『物体の動かしにくさの度合い』を考えるようになる。

 ・物事をどのように進めていくのか

 ・自転車をどのように進めるのか

 ・人をどのように扱うのかなど

 様々な場面で活用できるはずです。

 量をできる人間は自然と、ほんの少しだけ質が良くなるのは当たり前。

 考えながら、感じながら、自分自身と向き合い、感覚を得ていないと崩れてしまった時に元に戻すことが難しくなります。だから、量をできる人=しっかりと向き合えている人はその“少しの質”がきっかけとなり、崩れても必ず戻ってくるでしょう。

 “少しの質”を見つける方程式が自分の中で確立されていれば、その時に何をするべきなのか、何が悪いのかがわかるので、成績自体も波がなく安定してくるはずです。

 先日のレースで栃木県の眞杉くんと話をしましたが「しっかりと量をやっているなぁ」と感じました。強い人は必ずやっているんですね。

 素質のある人間は素の状態で質量がわかる感覚の持ち主なんだから、あとは“アレ”をやればさらに安定してくるのだけれども…。話が長くなるのでこの辺にしておきます(笑)。

 単と単を合わせれば、新しい力が生まれる。

 “自力のある単騎”と“捌きのいい単騎”

 単騎同士が結束することで新しいものが生まれる。それが“ライン”です。

ライン…単と単を合わせて生まれる、新しい力(撮影:島尻譲)

 “物体の動かしにくさの度合い”と書きましたが、2人もしくは3人の結束が固くなれば、各自の“単”の力で“ライン”という新しい力が生まれ、物体(ライン)の動きが良くなるのではないかと考えられます。初めは失敗し、結果が出なくても、繰り返し連携することで量をこなし、話し合うことで質が上がり、そのラインの実績がついてくるのではないでしょうか。

 車券を購入する際は個々の能力で購入することが多いと思います。それと同時に、結束した時のラインの機能性や連携実績なども参考にすることはありなのではないでしょうか!? 機能するラインなのか機能しないラインなのかを見破ることが車券に繋がる気がします。

 そんなアドバイスで今回の“質量”については終わりたいと思います。

 簡潔に伝えようとはしましたが、文字ではわかりにくいところもあったと思います。詳しく聞きたい人は気軽に声をかけてください。もしくはインスタライブなどでコメントをしていただければ、もう少しわかりやすく言葉で説明させてもらいます。

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浅井康太

Asai Kota

1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」

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