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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】長良川鵜飼カップに出場する山口拳矢選手を解説!

2022/09/01 (木) 12:00 6

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は岐阜競輪「長良川鵜飼カップ(GIII)」に出場する山口拳矢選手を解説する。

⚫︎山口拳矢

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 身長166cm、体重は70kg。現在はもう少し重たくなっているはずだ。トップクラスの自力選手では小柄な部類ながら筋量自体は充分。しかも上半身の筋肉は実にバランスよく付着している。乗車フォームとの連動性も高く、上手くスピードに結びついている印象だ。当然トップスピードも高い。

 山口が放つ捲りはとにかく強烈。SS選手の先行と言えど抑えきることは困難だ。位置も取っていけるので、将来的には古性優作選手や松浦悠士選手のようなオールラウンダーになるのだろう。

 しかしいかんせん、現在の中部地区は“暗黒の時代”だ。GIで勝ち上がれる選手も少ない。山口選手と浅井康太選手はいつもラインの援護が無い状態なのだ。当然、戦略も捲りが中心となってくる。だが捲りは前方に位置する何人もの選手を交わして行かねばならないため、レースの展開に左右されやすい。

 よって番手を回るマーク選手と、ワンツーを決めることも少ない。捲りを決めることができれば強いのだが、後方に位置したまま見せ場も作れぬままレースを終えることも多々ある。競輪ファンの非難も受けやすい。実力があるが故に、通らなければいけない道なのかもしれない。

 さぁ長良川鵜飼カップだ。山口選手にとっては地元でのレースとなり、今回はなりふり構わず獲りに行くだろう。共同通信社杯競輪を優勝した好相性のバンクで、本人も良いイメージがあるに違いない。捲りも決まりやすく、仕掛け所さえ押さえれば、きっと良い4日間になるだろう。

 再び輝きを取り戻すのにはうってつけの舞台だ。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 SS級は、佐藤慎太郎選手、平原康多選手、松浦悠士選手。濃すぎる3人が顔を揃えた。特に眞杉匠選手と連携できる関東ラインが強すぎる。

 松浦選手も好調を維持しており、地元中部勢にとっては非常に厳しい4日間になる。地元勢の山口選手に掛かる期待は大きいが、ここはラインの援護も見込めず、ゲリラ戦になってしまう可能性が高いだろう。山口選手にとっては試練のシリーズとなりそうだ。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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