2021/02/26 (金) 18:00 7
今月の近藤龍徳選手は高松競輪場で開催された「玉藻杯争覇戦(GIII)」、川崎競輪場で開催された「読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」に参戦。冬場の不調から脱せず、結果の出ない苦しい時期…。今回は出場レースを振り返りながら、ストレートに心境を綴ってもらいました。
netkeirinをご覧の皆さま、近藤龍徳です。前回のコラムで「冬場が苦手」ということを書きました。まだまだ寒い日もあり、自分の気持ちもノッていない。そんな中で高松記念、そして今年最初のGI川崎「全日本選抜」に行ってきました。
結果は…やっぱりパッとしなかった。高松が4、5、5、8着、川崎が8、7、3、8着。この結果、この状態で何が言えるのか。でも自分に問いかけながら、振り返ってみたいと思います。
川崎は初日、2日目が打鐘9番手。3日目と最終日は単騎だった。3着に入った3日目は、主導権を握った渡辺雄太君-萩原孝之さんの静岡コンビを追走した。ゴール前は中を割って伸びる形に持ち込めたんだけど、やっぱりタイミングがツーテンポくらい遅れているのを実感。あのレース、遅れていなければ頭(1着)だってあったと思う。状態が良い時は、考える前に脊髄で反射して動いている感覚がある。でも不調なときは、「見て」、「考えて」、それで動きが遅れている。今は脚もだけど、気持ちも弱いんだと思う。
準決勝の平原康多さんが凄かった。深谷知広さんが駆けて、松本貴治君が3番手、平原さんは5番手だった。最終バックで松本君がまくりにいくんだけど、出ないと見るや、すかさず内へ切り込んで小倉竜二さんをすくって3着を確保した。確かに、浮いた松本君の外を回れば厳しい。でも普通はまず内へ入っていけないし、車輪がかかっていたから持っていく動きにはリスクがある。瞬時の判断で、紙一重のギリギリのレースができる。あの動きを見て、オレはまだまだだなと感じた。
川崎は無観客開催だったけど、目立ちたがりのオレのこういうキャラが好きなファンも少なからずはいてくれて、負けても温かい声援をもらえる時もあるんだ。でも、それは当たり前じゃないって思ってる。やっぱり勝負の世界だから成績を残さないといけない。
自分の中では、気持ちと脚はリンクするものだから、気持ちが上向いてくれば力は二乗になる。でも、今のように片方なくなると両方なくなっちゃう。かみ合っていないし、腹もくくれていない。残念ながら、今年も冬を克服できなかったと報告するしかない。でも春からのオレを見ていてくれよなって思う。昨年4月の高知記念では、レース前にSNSでかなりカマしてから乗り込んだ。「決勝に行くから。最終日の最終レースを走るから」って予告してさ。コロナ禍で世の中が大変だったから“オレも頑張るからみんなも頑張ろう”ってメッセージも同時に込めたつもり。その時の結果は優勝した浅井康太さんに続いて準V。帰ってからSNSで「ほらね」ってだけ書き込んだんだ。
デビューしてすぐに「深谷さんの後ろを回る」って言ってきた。まあ、出たての新人なんだから「前で頑張ります」っていうのが普通なんだろうけどね(笑)。でも、ヤンググランプリを勝った時も「優勝します」って宣言していたし、GI初出場だった2016年3月の名古屋「日本選手権」で悔しい思いをしつつ、その年は5月に静岡でまた「日本選手権」があったから「静岡を見とってくださいよ」ってカマシて、決勝に乗った(5着)。
冷静になると「オレよくこんなこと言ったな…」と自分でも驚くことがあるけど、その発言は全部本気で言ってるんだ、いつも。オレはやっぱり口に出さないとダメ。言うだけならビッグマウスだけど、有言実行ならカッコいいでしょって思ってるから。だから春からのオレを見ていてくれよなって言う。
「レーダーチャート」ってグラフ知ってる? 一時期のオレは、脚力、追走、仕事…とカテゴリーを分けて、その全部を10点にしようとしていた。結果は全部が平均点で、小さい円でまとまってしまった。でも完璧な選手には誰もなれないのだから、得意、不得意があってもいいんだと、あるタイミングで考え方を変えた。
その代わり、得意なところは突き抜けてやろうと。10項目のカテゴリーのレーダーチャートがあって、得意10⇒不得意1⇒得意10⇒不得意1、10、1、10、1…なら、レーダーチャートは星の形になる。スーパースターを目指すオレには、こっちの方が似合っている。さいごにもう一度言うけど、春からのオレを見ていてくれよな。そこに向けてしっかりと準備していくから。
オレの夢にオレは笑わない
嘲笑う人の顔なんて見飽きた。鼻で笑われるフッという音なんて聞き飽きた。冷たい目で見られる温度にも住み慣れた。夢を語って笑われるのが怖いのか?夢を踏みにじられるのが怖いのか? お前の夢はそんなものか? 出直してこい。オレの夢にオレは笑わない。
netkeirinの姉妹サイト「netkeiba」の人気コラム「with佑」の企画で、佑介君(藤岡佑介騎手)と対談してきました。そちらもぜひご覧ください!
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Kondo Tatunori
愛知県名古屋市出身。日本競輪学校101期卒。競輪一家に生まれ、競輪一家に育つ。学生時代から頭角を現し、高校総体チームスプリント・高校選抜ケイリンで優勝。レースデビューは2012年7月10日の一宮競輪場で、翌日11日に初勝利。その後も活躍を続け、2014年ヤンググランプリを制し、翌年にはサマーナイトフェスティバルで頂点に立つ。自身が目立つことで競輪界を盛り上げると公言しており、最終目標は「スーパースター」としている。ファンからは”夜王”の愛称で親しまれ、競輪の魅力を発信しながら交流を深めている。