2022/06/29 (水) 12:00 15
小松島競輪場で開設72周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」が6月30日〜7月3日の日程で開催される。また期も変わり2022年も後半戦に入る。どう考えても前半戦のMVPは古性優作(31歳・大阪=100期)。GIを2つ制し、しかも一つは地元岸和田の高松宮記念杯競輪。
いわき平競輪のダービーを勝った脇本雄太(33歳・福井=94期)と近畿イヤーを邁進している。後半は…。
まずこの小松島記念(阿波おどり杯争覇戦)で中四国勢が反撃の狼煙を上げる。期待されるのは阿竹智史(40歳・徳島=90期)だ。
40歳になり、後輩が続々と出てきたことで番手回りも増えた。それでも高松宮記念杯の2日目に大まくりを打ったように、自力の力は落ちていない。まだまだ自力が似合う。
一時期、徳島をにぎわしたのは阿竹と三ツ石康洋(41歳・徳島=86期)だ。不器用で物干しざおをフルスイングするような走りで、強敵に立ち向かっていた。
しかし、2人ともゴツ過ぎるためなのか、時折変なところで落車することがあった。
「徳島で一番ハンドルさばきが良くないのは…」と話が上がったこともある。もちろんこれは、鬼のようにハンドルさばきで巧みな小倉竜二(46歳・徳島=77期)と対比されたから。
なんにせよ「三ツ石さんは、太田竜馬とか犬伏湧也と練習では同じくらい強いんですよ」と阿竹が語るように、ド迫力は衰えていない。三ツ石は今大会は出走せず、ちょっと欠場中でもあるが、再びの豪快な走りを待ちたい。
2019年太田竜馬(26歳・徳島=109期)、2020年原田研太朗(31歳・徳島=98期)、2021年太田と地元勢が3連覇中だ。“阿竹智史”の名前はない。
そして実は、小倉も地元記念の優勝がない。2001年に「ふるさとダービー(GII)」を小松島で勝っているものの、地元記念はない。この師弟のドラマは依然として大事な章を残している。
犬伏湧也(26歳・徳島=119期)もかける思いは一段と上だろう。リミッターを外した、すべてを巻き込む渦潮のようなドラマティックな走りに期待したい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。