2025/10/15 (水) 12:00 3
10月16〜19日はデイで豊橋競輪場の「愛知・名古屋アジア・パラ競技大会協賛競輪(GIII)」、ナイターで別府競輪場の「施設整備等協賛競輪(GIII)」が行われる。昼夜の競輪三昧は幸福の一語。デイは男子12個レースで、ナイターはガールズケイリン3個レースと男子9個レース制度だ。
愛知県では来年、第20回アジア競技大会、第5回アジア・パラ競技大会が開催されるので、その協賛として豊橋競輪場で開催される。名古屋競輪場ではアジア大会のためのBMXの会場も完成し、気運が高まっている。最近では大阪・関西万博がそうであったように、競輪は、かつての様々なイベントに際し、協賛として大きな力を発揮している。社会貢献だ。
売上が好調な今、競輪の意味を多くの人たちに知ってほしい。施設整備も全国の競輪場で進んでおり、別府はすでにメインスタンドが超豪華、壮麗な建物になっているが、より進化を求めていく。すべての開催に、売り上げに、意味がある。
豊橋は突出した存在がおらず、誰にでも優勝のチャンスがある。別府は男子は山田庸平(37歳・佐賀=94期)と阿部将大(29歳・大分=117期)が九州ダブルエースとして挑む形になる。ガールズは児玉碧衣(30歳・福岡=108期)が断トツの存在だ。
『九州の悲願』と言われ、積み残されていることがある。松川高大(36歳・熊本=94期)のGIII優勝だ。9月松阪ミッドGIIIで吉本卓仁(41歳・福岡=89期)がようやくのGIII制覇。吉本も松川も豊橋のシリーズに出場する。
九州は今でも上位戦線で苦しんでいるが、以前の苦しい時期に吉本と松川が先頭で奮闘するレースが多くあった。なんとか九州の火を消すまいと、2人は何度も風を切ったものだが、その頑張りは報われていない。
吉本としては“記念”を勝ちたい気持ちもあるだろうが、GIIIを九州の後輩・立部楓真(27歳・佐賀=115期)の頑張りに乗っての優勝は意味がある。今回も立部がいる中、松川にその時が…が待たれる。地元中部勢も結束してここは結果につなげたいところで、九州と中部に今回は大注目だ。
また近況元気がある小森貴大(35歳・福井=111期)と脇本勇希(26歳・福井=115期)も内容と結果を残すことで、上への道を開きたい。
どちらもシリーズも九州勢を取り上げる形だが、別府はやはり阿部が主役だ。山田もいるので並びなどで考慮するケースもあるだろう。だが、近年の九州を引っ張ってきて別府で結果を残している阿部が復活することが、GIで九州が活躍するための重要なピースになる。
甲斐俊祐(27歳・大分=121期)や阿部英斗(21歳・福岡=125期)といった九州の若手も決勝に勝ち上がって、存在をアピールしてほしい。“GIで”を頭に入れて、先を見据えて戦ってほしい。
最近では寺崎浩平(31歳・福井=117期)のパターンがある。先頭で頑張ってラインに貢献してきた選手が大きな果実を…は、競輪の流れの一つ。地区の強さを生んでいくためにも、自地区のグレードレースでの戦いで見せることが必要なのだ。
ガールズケイリンもGIII内に組み込まれる3個レース制が定着している。GIが重要な意味を持つようになり、これから先はGIII的なものが生まれれば、よりドラマ性は増してくる。現状の人数では難しいと思うが、少しずつでも進化していくことが求められる。
優勝候補は児玉が抜きん出ているものの、気になるのは當銘直美(29歳・愛知=114期)だ。今年は昨年のような活躍はできていないものの、ここに来て確実に浮上。「気持ちは折れていないので」。レースを多く走ることが踏み方を思い出すことにつながったようで、これからもう一度の存在だ。
また、石井寛子(39歳・東京=104期)はケガを克服する道のりの最中。苦しいのはあるだろうが、気持ちが折れることなどない偉人だ。昨年の当大会を完全優勝したイメージを復活させ、流れを変えてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。