2022/04/17 (日) 12:00 3
現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は川崎競輪場で開催されている桜花賞・海老澤清杯の決勝レース展望です。
【湘南ダービー】が開催された平塚競輪場に続き、【桜花賞・海老澤清杯】でも、スピードチャンネルの解説で川崎競輪場に来ています。
初日は持参したスーツで解説を行いましたが、2日目、3日目と場内でプレゼントされているTシャツを着用しての出演となりました。
初日、2日目の開催は寒さに加えて、雨も降るなど天候にも恵まれませんでした。そこに直線が長い川崎バンクも手伝う形で、先行選手が苦戦しており、筋違いの結果も多く出ていたように思います。
それでも今日は準決勝の3レースを始めとして、SS班といった実力のある選手たちが、しっかりと結果を残せるようなバンクコンディションとなっていました。
決勝が行われる4日目も好天に恵まれそうです。Tシャツではなくとも、多くの皆さんが心地いいと思える格好で、競輪場に来ていただければと思っています。自分も開門から2レース終了までは、場内の西ステージで「レジェンド予想会」を行っていますので、是非とも会いに来てください。
そのSS班4名が勝ち上がってきた決勝戦ですが、調子の良さが目立つのは、ここがホームバンクの郡司選手。そして、安定感のある走りを見せている松浦選手と言えるでしょう。
共に準決勝を勝ち上がりましたが、郡司選手は仕掛けが遅くなったにもかかわらず、番手の松谷選手を残す走りを見せれば、松浦選手は7番手から、直線では外を回っての見事な差し切り。決勝でもこの2人が主力なのは間違いありません。
もう一つの準決勝を勝ち上がったのは守澤選手です。同じSS班の吉田選手の捲りにしっかり付いていき、最後に差し切った辺りは、怪我からの復調を感じさせます。
決勝ではその守澤選手が単騎となり、他は郡司選手-松谷選手の神奈川ライン、吉田選手-恩田選手の関東ライン、松浦選手-小川選手の西日本ライン、小森選手-東口選手の近畿ラインと細切れ戦になりました。
こうなると誰が先行するかですが、自力型では最も点数の少ない小森選手が、車番的にも前受けをしているであろう郡司選手を、抑えにかかると見ています。
それを見た松浦選手が小森選手を叩きに行き、そして、吉田選手も動き出していくという、細切れ戦特有の目まぐるしい動きになっていくはずです。
最終的に先行するのは吉田選手だと思いますが、その後ろに付けるのが松浦選手なのか、もしくは郡司選手なのかが、1つのポイントです。
この3日間を振り返ると、郡司選手はホームバンクで優勝したいという気持ちも強いのか、若干、仕掛けが遅いようにも見えます。なので、吉田選手の後ろを取る形で、早めに捲っていきそうなのは松浦選手ではないのでしょうか。
ただ、郡司選手はスピードでは松浦選手と引けを取りません。西日本ラインが2車であることからしても、その後ろを付いて行けたのなら、長い直線を生かす形で、ゴール前で交わしていく可能性は充分にあると思います。
車券的には3連単で郡司選手の頭から、2着、3着に流していくか、もしくは松浦選手の頭から2着、3着という両面の買い方を考えています。
そして、単騎となった守澤選手の動きにも注目してます。どのラインを回っても3番手からレースを進めていけるわけですし、ここで車券に絡めるような結果が出てくれば、今後の更なる活躍にも繋がっていくでしょう。
鈴木誠
千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。