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緊急事態宣言の拡大と競輪界

2021/08/26 (木) 12:57

緊急事態宣言の拡大と競輪界

オールスター競輪の売り上げが目標を達成し、東京五輪ではメダルこそ逃がしたが新田祐大、脇本雄太、小林優香が健闘してくれた。今後の業界にとって明るい兆しが見えた、そう思っていた矢先にまたもやコロナショックである。感染者数が増え続け、病床が逼迫していると連日、報道されている。東京などの首都圏や沖縄では緊急事態宣言が発令されていたが、27日から北海道、宮城、愛知、岐阜、三重、滋賀、岡山、広島の追加が決定。三重では国体の開催が非常に危ぶまれている。各種報道によると期間は来月の12日までらしい。

競輪業界は感染防止対策を行ってきている。しかしながら、それでも選手に感染者は出てしまう。問題なのは開催中に感染が分かった時だ。ボートレースでは最近、開催中のPCR検査で途中帰郷という形が見られている。濃厚接触者に指定された選手も同じである。恐らくではあるがボート業界は選手に対してのPCR検査の回数が多いのだろう。それでは、競輪業界はどうだろう? 毎日検査をしているか疑問である。PCR検査というと仰々しくなるが、簡易的な抗原検査をすればいいだろう。そこでリスクが高いか、低いかが分かれば、対処のしようがあるというものだ。競輪開催中にボートレースのようなことが起きたとは聞いたことがない。少なくとも濃厚接触者がいれば複数の選手が欠場になるはずだが……。それとも競輪業界は誰一人として開催中に感染者が出ていないのか? 仮に出ていて途中欠場なら、ボートレースのように公表すべきであろう。

来月はG2第37回共同通信社杯が、17日から20日まで岐阜競輪場で開かれる予定になっている。緊急事態宣言が12日までなので、現状は開催できるだろう。しかし、関係者は日付だけ見て安心してほしくはない。あくまでも期限は12日だが、延長される可能性も残されている。ホッとしたのではなく、全体を見て考えてもらいたい。自分の業界さえいいなら安心という認識ではなく、このパンデミックを真剣に捉えてもらいたい。
ただでさえ競輪業界は移動が多く、距離も長い。野球やサッカーなどはチームで移動するが、競輪選手はあくまでも個人事業主であり、移動の方法は千差万別である。例えば車で参加した選手が、途中のサービスエリアに寄ったとする。そこでトイレに入った。そこまで行動を把握できているのか? そこまでしないといけないのが、今の世間一般的なのだ。
また、取材する関係者も検査はしているだろうが、問題は取材後だろう。東京五輪でも選手、関係者がプレーブックを無視して多数が外出した。しかしこれはあくまでも選手、関係者であってマスコミではない。それこそマスコミの人間にも夜の行動まで報告させるべきだと考える。それくらいしないと、このパンデミックを乗り切れないのではなかろうか? 緊急事態宣言、果たして競輪業界はどう受け止めていくのか。無観客開催はよく聞くが、要はファンではなく選手、報道陣の移動についてもう少し強く考えるべきだと思う。

Text/Norikazu Iwai

(※掲載写真はイメージです)

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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