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高松宮記念杯競輪を振り返って

2021/06/26 (土) 09:13

高松宮記念杯競輪を振り返って

6月20日に終わったG1「高松宮記念杯競輪」は、リニューアルされた岸和田競輪場で開催された。直前に平原康多がケガで欠場となったが、決勝戦の顔ぶれは、松浦悠士・清水裕友の中国勢、小松崎大地を先頭に佐藤慎太郎・守澤太志の東北勢、吉田拓矢に宿口陽一の関東勢、地元の稲川翔と山崎賢人は単騎の戦いとなった。人気は松浦、清水。そして地元の稲川がどこを回るか、小松崎、吉田がどこで仕掛けるかがポイントになっていた。

レースは中国勢の後ろに稲川。その松浦が鐘過ぎから強引に小松崎を叩き先行。最終2コーナーから山崎がいいスピードで捲ると、清水も合わせて番手捲り。清水の優勝かと思われたが、山崎をマークする形となった吉田が抜け出し、さらに宿口が外を伸びて優勝。G1初の決勝進出で見事、大仕事をやってのけた。勝った宿口は普段の口数こそ少ないが、内に秘めた闘志は相当にあるタイプ。高校の先輩である平原の欠場により、自分が頑張らなければとの思いが強まった結果であろう。
宿口の優勝は、車券こそ外したが素直におめでとうと言いたい。一方、人気になっていた清水、松浦の中国勢は敗れた。松浦は3月に最高峰のG1日本選手権を制し、ダービー王の称号を持って臨んだ初のG1だった。8着に終わった松浦の競走については賛否両論あろう。筆者にとってもダービーを勝った次のG1で、この結果は残念であった。また、実況アナウンサーがゴールデンコンビと紹介していた。以前にも書いたが、ゴールデンコンビと言うならば、ワンツーを決めてこそだと考えている。相当昔の話になるが、アトランタ五輪の銅メダリストである十文字貴信と神山雄一郎のことを、ゴールデンコンビとは言わなかった。五輪をとってアトランタラインと呼ばれていた記憶がある。


売り上げは81億18万700円で、目標の90億円には届かなかった。せめて85~86億円はいくだろうと予測していただけに、どうしてこの数字になったのか、関係者はしっかりと見つめ直さなければならない。そして腑に落ちないのが前半2日間は有観客で、後半2日間は無観客ということだ。緊急事態宣言の再延長を受けた大阪府が独自措置として、土日のスポーツ・イベントは無観客開催との要請を出していたのだが、どうしても中途半端なイメージは拭えないでいる。

国民の多くが不要不急の外出を控えている中での開催だった。場内はしっかりとした感染予防対策が行われていたと信じるほかないが、問題は競輪場への行き来である。人の流れを抑止することが予防だとも言われている。そういったことを競輪界が率先してやっていくことが、この業界のイメージアップに繋がっていくのではないだろうか。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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