2022/02/25 (金) 12:00 6
高知競輪場で「施設整備等協賛競輪土佐水木賞(GIII)」が26〜29日の4日間、開催される。昨年の開設記念の3日目に島川将貴(27歳・徳島=109期)が13秒1でバンクレコードを更新したが、2001年から長く「13秒2」の記録を保持していたのが地元の佐々木則幸(45歳・高知=79期)だ。“土佐のいごっそう”ーー。
“快男児”としかいいようのない人気レーサーだった。2004年1月の競輪祭でGI優勝に手をかけた。単騎で大ガマシを打った友定祐己(43歳・岡山=82期)を追う絶好の展開。もう、あと一歩で優勝…というところ、外を小橋正義(引退=59期)にかわされた。わずかタイヤ差だった…。
小柄だがパンチのある先行まくりで、小気味よくレースを制していた。現在と違って数少ない中四国軍団の中、強敵に何度も牙をむいて襲い掛かっていた。もう45歳になり、1月から競輪選手会の高知の支部長になったが、この大会はひと花咲かせる気持ちにあふれているだろう。
若干早口で、土佐弁丸出しのインタビュー…好きなんだよな。
今節は取手で開催された「第37回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」の出場選手がいない。
その取手には武田豊樹(48歳・茨城=88期)の姿はなかった。
あまりにも過酷なケガに泣かされてきたとはいえ、取手のGIを走れなかった思いは計り知れないものがある。芦澤大輔(39歳・茨城=90期)が無念過ぎる欠場となり、茨城は3人だけの開催。どんな思いで見ていたか…。今回はそれを伝えるような4走になるだろう。年齢は確かに厳しくなってきたが「闘」の字が似合うレーサー。関東の結束を見せ付け、取手の仇を取りにいく。復活を目指す横山尚則(30歳・茨城=100期)、また朝倉智仁(22歳・茨城=115期)は大きな将来を切り開くためにも今の壁を打ち破りたい。
もちろん神山雄一郎(53歳・栃木=61期)にも大注目だ。まだまだ1着を取り続け、前人未到の地を歩き続けている。3日制と4日制を合わせてのGIII優勝100回目は、多くのファンが待ち望んでいる。
飯野祐太(37歳・福島=90期)は以前にも書いたが、北日本で最もGIIIを勝ってほしい選手と言われている。多くの選手の優勝には貢献してきたが、自身はない。写真は2010年4月の当地の開設記念の準決を逃げ切った直後のものだ。決勝では鈴木謙太郎(37歳・茨城=90期)の番手回りで大チャンスだったが…勝てなかった。
鈴木とは高校時代の野球部の仲間で、ともに選手を目指した。中学時代の鈴木は野球部で、飯野が卓球部だったことは書いた。なぜだろう、応援したくなる…。今後が気になる若手も一気に名を売るチャンスだ。中堅どころの選手たちと絡み合い、まだまだこれからの大ベテランと前途洋々な若手たちが、土佐の500バンクを盛り上げる。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。