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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

近畿の厳しい掟に育まれた古性優作の強い信念〜KEIRINグランプリ振り返り

2021/12/30 (木) 23:00 29

 今年のグランプリは古性優作選手の優勝で幕を閉じた。お陰様で車券は当たったが、最近の負けを考えると焼け石に水。サラリマーンの月給より多い金額の払い戻しがあったが、借金の支払いは待ったをしてくれず頭が痛い。僕自身はレースに感動もしないし、車券を当てる事をモットーにしている。その中での人間臭いドラマが好きなので、それを記事にしているが、チャレンジの負け戦のおじさん達のレースも、G1の決勝も、グランプリを当てるのも同列だと思っている。ただ、記者のプライドとして、グランプリは絶対当てたいと言うプライドは毎年持っている。

 さて、グランプリのレースを振り返ってみよう。共同記者会見の前から、並びに関して言えば、想定通りだった。もし、平原康多が番手回りなら切腹しようと思ったのは、グランプリ毒舌大予想のコーナーでも書いている。競輪はストーリー性だが、全てにおいて古性優作に流れが向いた。その理由を点検したい。

 まず、守澤太志が広島記念の落車で骨折しなければ、古性の番手を選択したのも有りだと思っている。万全な状態なら、古性の後ろに色気を感じたかもしれない。この後、守澤に聞いてみても、それは最初から選択肢の中になかったと言うのが、競輪選手の答えだし模範解答だが真相は薮の中だ。これで単騎で走るメリットが大きくなった。関東が前受けの作戦なら、この4番手は危険な位置だったかもしれない。突っ張りなら良いが、引いてのカマシなら4番手は離れる。吉田拓矢がS級シリーズの決勝の森田優弥みたいに流さなかったのも幸いした。これで一本棒になり被らなくて済んだ。

 関東勢が叩きに行った時に郡司浩平が古性の位置でなく中団5番手に引いてくれた。これは古性の今まで築いてきた、ハッタリが活きていた。ハッタリと言う言葉は汚いが、今迄築いてきた、強引なイメージの財産だ。郡司に競り勝っても脚を使うし、あの快速捲りが決まったかは分からない。そして吉田拓矢の番手が平原康多でなく宿口陽一だった事。これが平原が番手なら目に見えない圧力があったはずだ。もし、僕が古性だった時の作戦を考えてみた。関東の後ろにいるか、中国ゴールデンコンビの後ろにいるのが自然な流れ。僕なら最終的に松浦の後ろを選んだ。そうでなく、関東の後ろにいたのは人の動きをアテにせず、自分で捲れると思った強い気持ち。近畿のライン以外に展開の助けを借りようとしない強い信念。全ての流れが向いたが、これも近畿の厳しい掟の中で育ってきたからだと思っている。

 これで古性に対して、誰も物を言えなくなったが、古性自身が天狗になる人間性ではない。きちんと村上兄弟やイナショーなどを今後も立てて行く。小言を言うというか、番手を回りワンミスがあった時に、ワッキーが何か言うぐらいだろう。本当は面白い事を言う関西人のお笑いの気質があるが、そんな振る舞いが出来ないのも近畿の地域性。選手の仲間内の動画だったが、変な踊りをやっている姿を見た事もある。これからは、村上義弘の後継者になれる様に、日々精進の日が続く。古性優作選手おめでとう!

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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