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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

【KEIRINグランプリ予想】愛すべき出場選手たちを“毒舌”大予想

2021/12/28 (火) 17:30 19

KEIRINグランプリ毒舌大予想。これは、専門紙赤城時代から10年以上やっている毎年恒例の企画。老害記者になり、昔みたいなエッジの効いた文章を書けなくなってきたが、皆さんよろしければ、ご一読を。

①松浦悠士
 競輪界を広い視野で考えて積極的にSNSでも発信。ネット競輪のコラムも大好評で、あれも口述筆記でなく、本人が直接書いている。S班だから言葉の重みもあり、業界トップが耳を傾ける事も自覚。これは松浦だけでなく、S班のメンバーに言える事。後輩にも厳しい事を言い、広島記念の決勝でも町田太我のレースに対して厳しき指摘。普通なら、優勝を獲らせてもらったし、ヨイショしかしないが「あのレースではトップクラスでは通用しない」と、町田を思ってのきつい言葉。これも、松浦の良さのひとつ。

 今年中盤はスランプも経験したが、今月の地元広島記念の動きを見ると完全復調。苦しんだ時も、決して弱音を見せず、強気なコメントオンリー。1年を通して「調子が良くない」の言葉は発せず、どこか自分の良いポイントを強調した。6年前、7年前の松浦を見ていると、とても、この地位の選手になるとは思ってもいなかったのが僕の本音。中途半端な自在選手だったし、これも何度も書いてきたが、中四国のマーク選手に付いてもらえない時代もあった。

 どんな変革と努力があったか分からないが、先行しても持つ自在選手は松浦ぐらいだ。F1なら通用しても、あの古性優作でさえ、逃げた時は持たない。潔さもあり、カマシに行けるのも松浦の魅力。今年は清水裕友との前後が逆で、番手回り。この2人の連係は、必ず、どっちが前でも勝負どころで仕掛ける。清水に乗って4角から一気も目に浮かぶ。

②郡司浩平
 父親は昭和のザ・競輪選手だったし、その血筋から、人情味のある競輪をやってきた。それが、ここ数年で開花。人間の良さ、レースの綺麗さと全てが完璧。前田記者のコラムで見たが、結婚式の余興や忘年会では白ブリーフになると言うし、本来は、もっと面白い人間なのかも。もう少し、リップサービスや風呂敷を広げたコメントが多くなると、僕らの立場の人間は助かる。慎太郎先生だけでなく、守澤の1車も大きいし、2角捲りがベストかも。逃げる勇気もあるので、中団以内は確保するはず。スピードは一番あるし、綺麗に捲れる脚があるのは郡司だけかも。

③平原康多
 神山雄一郎が万年グランプリ2着という時代があったが、平原自身もグランプリには縁がない。これだけ強くて賞金の高いダービーもオールスターも優勝していない。勝負弱いとは思わないが、これも競輪界の七不思議のひとつ。

 もし、平原が番手回りなら記者を引退して切腹しようと思っていた。やはり、この3番手が平原の生き方だし、らしいと思った。これは直接取材しての言葉ではないが「オレの性格は主役でなく脇役!」の言葉で腑に落ちた。僕自身もそうだが、平原には過剰な期待をしてしまうし、平原選手に対する何か引っ掛かる気持ちがあったが、これで全ての答えが出た。盟友の武田豊樹や村上義弘はシビアに番手から出る走り。

 平原の場合は、とにかく引き付けて引き付けてからの仕掛けだし、2段駆けのケースもラインで決まらない走りが多かった。ファンの車券を大切にするか、仲間の関係を大切にするか難しいし、平原自身も葛藤があるはず。その答えが「番手から出るのは簡単。それでは若手が育たないので」。

 今年は宿口陽一と吉田拓矢がタイトルホルダーになったが平原が不在のレース。関東の若手には厳しい事を書いてきたが、4年も5年も平原がタイトルを獲れない現実を感じて欲しいと思ってきた。やっと歯車が回ってきたが、平原と同乗のレースで関東の自力選手にはG1を制して欲しい。吉田が捨て身で駆けて宿口が番手捲り! 露骨な2段駆けは平原が良しとしないし、吉田もある程度、持つところからの先行と思っている。最後は普段入らないコースで、グランプリ王者に輝いている可能性もある。

④古性優作
 佐藤慎太郎、和田健太郎と2年連続で4番車が優勝している。ワッキーがいれば番手で優勝の確率は高かったが、単騎で走っても魅力を感じる。荒々しい競走スタイルで、とにかく前々に攻める。初手は関東の後ろか、あるいは中国ゴールデンコンビの後ろ。僕が古性の立場なら松浦の後ろにいる。グランプリは単調なレースになり番手を狙うのは得策ではないかもしれない。とにかく、前々、前々に踏んで行く。個人的には古性の優勝だと思っているし、ここから車券を買いたい。

⑤佐藤慎太郎
 競輪界のエンターテイナーは西の中川誠一郎、東の慎太郎先生だろう。やはり自分の魅せ方は上手く、ネット競輪のコラムでも、上手く使い分けている。こちらサイドとしては、面白いコラムを求める事もあるが、そんな時に限って、雑誌・Numberみたいなアスリートの書き方もしてくる。郡司が綺麗に捲ったら差す脚はない。ただ、昨年の和田健太郎と同じでスピードを借りて内を突くレースなら2年ぶりの美酒も可能で、ガハハの笑いも想像がつく。

⑥守澤太志
 普通に考えれば全治3ヶ月の骨折の診断書だったしグランプリでなければ欠場していただろう。医学の進歩で鎖骨骨折は重傷でもないが、ベストの状態とは言えないだろう。それでも何があるか分からないのが競輪。今は北日本のマーカーとして序列は2番手だが、慎太郎を抜いた時が本当の守澤時代が来る。そこまでの欲はないが、周りはそれを求めている。

⑦吉田拓矢
 先行あっての自在戦。これは、レース形態が変わっても競輪の普遍性だと思っている。ガンガン逃げていたが、一時、勝ちに拘り、逃げない時代もあった。どこかで気付いたのが、本人の自覚か分からないが、近況、レース内容が良くなっていた。それが親王牌の決勝の走りだし、競輪はストーリー性があるから競輪祭の優勝に結びついたと思っている。

 引退したお父さんは、典型的は一発屋。生涯、自力を貫いたがムラ駆けだった。弟2人の話の面白さは天下一品だが、おちゃらけた雰囲気は一度も見せた事がない。顔は似ているが、これが弟2人と違うところ。とにかく主導権を取るレースが基本だが、バカ逃げはないだろう。ジャンぐらいからのカマシが理想で、単なる引っ張り役では終わらない。

⑧宿口陽一
 今年のG1覇者を予想した時に、宿口と答えたファンがどれぐらいいるだろうか。平原の練習パートナーだが、これは信じられない気持ち。海外のブックメーカーなら、1万倍ぐらいのオッズだっただろう。地位が人を築くし、段々と風格が出てきた。来年はS班だが、自分より格上のS1選手と戦わなくてはいけない。ワッキーや新田祐大相手にどう立ち回れるかだ。吉田が先行態勢に入った時に、分断されると言う声もある。どうあっても後ろが平原だし、自分の位置は守りたい。最終2センターからの番手捲りなら平原を振り切っての優勝も可能だ。

⑨清水裕友
 ボヤキ王が定着してしまったし、ネット競輪の記事で定着させてしまった。競輪祭の落車は気になるが、直前は、広島バンクで松浦と呼吸を合わせてきており問題ないだろう。一瞬、緩んだところを仕掛け、構えるレースは間違いなくやらない。ワッキーがいるとそれが出来ない時もあるが、ワッキー不在なら思い通りに走れるのが中国ゴールデンコンビ。2人のワンツーは少ないが、番手を回った方が良い着を取っている。過去にも仕事上の名タッグがあったが、この2人は最強ではないか。

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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