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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】鳳凰賞典レースに出場する雨谷一樹選手を解説!

2022/01/03 (月) 12:00 5

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は立川競輪「鳳凰賞典レース(GIII)」に出場する雨谷一樹選手を解説する。

⚫︎雨谷一樹

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 雨谷選手は昨年までナショナルチームに身を置き、長らくチームスプリントの第1走者を務めた名選手だ。彼のダッシュには誰一人敵わず、若手の有望スプリンター達も太刀打ちできなかった。

 雨谷選手のダッシュ力が卓越しているのは、神経伝達機能が極めて優れているからだ。実際に、雨谷選手は身長は171cm、体重は75kgと、自力選手の中では小柄な部類だ。パワーに任せた筋骨隆々タイプではない。

 関節と腱の強さも、ダッシュ力が高い要因だ。雨谷選手は関節間の切り返し動作が異常に素早い。ダッシュ時には背中の筋肉も強く連動させる事が出来るので、トップスピードの爆発力が尋常ではない。チームスプリントの「ゼロ発進に特化した出力の出し方が得意なタイプ」だ。

 そんな雨谷選手だが、今年は惜しくもオリンピック出場を逃した。ただ、近況はダッシュ力だけでない強みも見せている。

 国内競輪に復帰してからは、「動ける自在タイプ」として、トップ戦線でも戦えそうなポテンシャルを発揮しつつある。前で構えつつ、飛びつきも出来る。現状に追走技術が備われば、外競りも強力な武器になる。順調に成長すれば、彼の競輪人生は非常に明るいものになるだろう。

 先ほど雨谷選手を「自力選手の中では小柄な部類だ」と評したが、清水裕友選手や郡司浩平選手の自力トップレーサー達も、ほぼ同じ身長をしている。現在の日本の競輪界では、少しこぢんまりとした体格が「トレンドサイズ」なのかもしれない。世界では180cmオーバーのフィジカルを持った選手が活躍しているなか、日本の競輪は実に奥が深い。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 平原康多選手、清水裕友選手、吉田拓矢選手のSS級に加えて、新田祐大選手も参戦。2022年の幕開けとなる立川記念は超豪華メンバーとなった。

 地元の関東勢には、吉田拓矢選手、そして大砲に成長しつつある坂井洋選手もいる。総大将の平原選手にとっては、4日間目標に苦労する事は無いだろう。

 しかし遠征勢の清水裕友選手、新田祐大選手も強力だ。清水選手の組み立ては隙が無く、対戦相手として最高レベルの難易度なうえ、新田選手の自力はSS級を凌駕してくる。非常に高いレベルの混戦になる事は言うまでもない。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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