2022/01/06 (木) 15:00 5
競輪解説者として活躍中の方々に2021年の名勝負と2022年に期待するイチオシ選手を挙げていただくお正月企画。第5回はnetkeirin連載コラム「山田裕仁のスゴいレース回顧」でおなじみの山田裕仁さん。印象に残ったレースと期待する選手は!?
1年を通しておおいに存在感を発揮していた、今年の吉田拓矢選手。宿口陽一選手と平原康多選手のGI優勝に大きく貢献するも、自身のグランプリ出場には惜しくも手が届かない…という状況で迎えたのが、競輪祭だ。
決勝戦で4着以内に入れば、賞金でグランプリ出場が叶う可能性があった。しかし、吉田拓矢選手はそれをよしとせず、タイトルを獲っての出場だけを狙っていた。それを自力で、しかも単騎でやってのけたのだから素晴らしい。
決勝戦のレース展開は、手に汗を握るもの。出場した全選手が優勝を目指し、まさに死力を尽くしていた。これぞ競輪という結果で、「グランプリでも関東から優勝者を出す」と言った、吉田選手の優勝者インタビューも印象的。今年のベストバウトに挙げるにふさわしい。
2022年に期待する選手に吉田有希選手(20歳・茨城=119期)を上げる。
吉田拓矢選手や吉田昌司選手の弟で、吉田拓矢選手とは師弟関係でもある。養成所時代にはゴールデンキャップ賞を獲得するなど、早くから素質の高さを見せていた。身長170センチ以下と、競輪選手としてはかなり小柄な部類ながら、将来性はかなりのものだ。
9月にはS級2班への特別昇班を決めており、10月に出場した青森FIでは、準決勝で山口拳矢選手を破る大金星。11月にはS級での初優勝も達成と、快進撃を続けている。高く評価するのが積極性の高さで、主導権を奪って押し切る走りで結果が出せているのは、今後に向けての大きな糧となるはず。捲るレースもできるが、いまは先行力に磨きをかけるべき段階だ。9車立てへの対応など課題はあるものの、楽しみのほうが格段に大きい。
【吉田有希選手の2022年1月出走予定】
1/9〜1/12 和歌山GIII・和歌山グランプリ
1/19〜1/21 前橋(FI)
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
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