2021/11/29 (月) 18:00 20
ようこそ【ASAI☆Lab】へ
これを見たあなたは得をする!!
最近感じたこと…。
私は「あほ・ぼけ」を言う側より、言われる側の人間でいいと思うようになりました。
それを気付かせてくれたのは競輪ファンです。
嫌なことを言われたから“復讐”をするのではなく、嫌なことを言われたから“復習”をする。
さて、選手は最先端のトレーニングをやりたがる人が多いような気がします。はたして、最先端のトレーニングはそんなに凄いことなのでしょうか??
私はこう考えます。
“科学的トレーニング”と言う言葉を聞いたことがありますよね!? “科学的”と言うと、とても効果があり特別のような感じがします。
では“科学的トレーニング”をする事で本当に“勝つ能力”がつくのでしょうか。
私はそうは思いません。
大勢のスポーツ選手が個々の能力を上げる為に科学的トレーニングを取り入れて実践しています。そうすることで何が起こるのか…。
それは“特別”なものから大勢の人がやる事で“一般的”なものに変わってしまっているということ。同じトレーニングや同じ考えを持つことは相手と同じレベルにしかなりません。その時点でほぼ負けです。そこの部分を経験に変え、何が良くて何がダメなのか、自分自身で理解し常に周りや世の中の考え方の一歩先、二歩先の何かを見つけられるようになれれば、結果を出せる可能性のある人間になれるでしょう。
さぁ、読んでくれてるあなた!!!
まずは今何ができるかを考えてみましょう。
私の場合…
競輪ファンが気付かせてくれた。
私は競輪祭で負けました。
そんな時にファンからの言葉には“応援”もあれば“罵声”もあります。競輪界はそんな世界です。私達競輪選手はファンの声を受け止める必要があるのではないでしょうか!?
選手自身のSNSなどで「野次や罵声をやめて欲しい」などの声が聞こえてきますが…。
やめてもらえるくらいのトレーニングはやってるの?? やめてもらえると思うくらいの走りをやってるの?? やめて欲しいと思えるくらいの結果を出せているのでしょうか。
その声(野次や罵声)を変えられるのはJKAでもなく警備員でもなく、本人次第です。
競輪祭前に見つけた身体の動作を“絶対的なこと”と決めつけていた私は初日(予選1)そして3日目(予選2)と連勝で勝ち上がりました。しかし、ダイヤモンドレースでの違和感。合っているであろう身体の動作をしても自転車との絡みが悪く、準決勝で敗退しました。最終日にも負けてしまいその時には沢山の「ありがたいお言葉」を頂きました。
最終日は小倉へ泊まる予定でしたが、すぐに帰宅の準備をし、新幹線へ飛び乗りました。家に到着したのは深夜の12時を回った頃です。そこから2時間のクールダウン。どこが悪くて何がいけなかったのか、原因を探しました。
例えば、テストの答えが間違えていた時には「その問題の答えが何なのか」「なぜ間違えたのか」と原因を探して正確な答えを導き出します。私の場合「レースがテスト」で「着順が答え」と思っているので、クールダウンは「負けた(間違えた)原因探しの為にあり、自分自身と向き合う時間」と位置付けています。
その結果、引き上げてくる時に使っている筋肉の方向性にたどり着きました。
頑張る気持ちや強い心ではなく“無心”を示す事だと考えています。算数の九九のように、考えなくても出てくる。それくらいトレーニングをやった人がその状態、いわゆる“ゾーン”に入り最大のパフォーマンスができるのです。
私は自分自身のペダリングを過信しすぎたことにより人間の反作用のところまでを考えきれなかった事に悔しい気持ちでいっぱいです。
しかし、これに気付けたことは競輪ファンの皆様から「ありがたいお言葉」を頂けたからです。
もっと自分自身に向き合い、負けた原因を見つけ、今後のトレーニングに繋げ、いつか結果を出し「ありがたいお言葉」を「応援」や「声援」に変える努力をしていきたいと思います。
私達競輪選手は、自分の成績を考えるのではなくファンの車券、そして声援に応える為にトレーニングをし、発走機につかなくてはならないと思います。
最後になりましたが、冒頭に出てきたもう一つの“復讐”が僕の中にあるとすれば、人にやり返すとか人を懲らしめるとかではなく、今年の自分に対してありますが
『2022年 浅井康太の“復讐”劇』ご期待ください!!
浅井康太
Asai Kota
1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」