2021/11/25 (木) 12:00 6
みなさんこんにちは! 110期愛知支部の佐々木恵理です。
いきなりですが、アイドルと聞いたら何を思い浮かべますか? 可愛らしいルックス? 衣装? ダンス? 楽曲?
どれも正解です。アイドルは人、曲、衣装、ダンスなどさまざまな要素で構成されています。
楽曲は、アイドルを見る上で重要な要素のひとつです。アイドル楽曲大賞というファン投票もあり、「楽曲ファン」(アイドルを見た目ではなく、楽曲が好きで応援しているファンのこと)という言葉もあるくらいです。
今回のコラムは、アイドルソングについて考えたいと思います。
アイドルの世界に一歩足を踏み入れれば、ポップス、ロック、ジャズ、クラシック、ファンク、R &B、メタル...など、幅広いジャンルの音楽を楽しめます。なんともお得な世界です。
アイドル戦国時代を終えた今でもアイドルグループは数多く存在しています。他グループとの差別化をはかるため、今までのアイドル界ではなかった音楽ジャンルの楽曲を得意とするアイドルグループが生まれました。例えばBABYMETALはアイドルとメタルの融合をコンセプトにしているし、perfumeはテクノポップを主にパフォーマンスしています。
また、ひとつのグループを追うだけでいろいろなジャンルの曲が聞けるのも、アイドルのお得な特徴だと思います。
アイドルグループでは、センターのイメージに合ったジャンルや雰囲気の曲をリリースすることがあります。AKB48ではセンターの入れ替え時に曲調が変わったり、新しいイメージの曲をリリースしたりします。歌が得意なら聴かせる曲、ダンスが得意ならソロダンスがあるダンス曲に、コミカルなメンバーならコミカルな曲になるなど、メンバーの個性や輝き味わうことができます。新たなイメージの曲に挑戦することで、グループの新境地が開けることもあります。私は新曲が出る時はまず、誰のメイン曲なのかをチェックしています。
アイドルソングといえばキラキラした青春恋愛系のイメージが強いですが、近年はアイドルの幅が広がったからか、恋愛ソングだけでなく、等身大の多様な女性像を書いた曲も増えました。
最近なら、超ときめき♡宣伝部『すきっ!』は珍しいくらい、好きな気持ちをまっすぐ伝えるキラキラ可愛い恋愛アイドルソングです。Juice=Juice『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』は、今までのアイドルソングにない、現代的な芯のある女性の本音が書かれた楽曲です。歌詞に共感する女性もとても多いです。アイドル本人が主人公になったような物語的な内容も多いように感じます。そのままアイドルを演者とした寸劇から楽曲がスタートするBEYOOOOONDS『眼鏡の男の子』は初めて聞いた時の衝撃は忘れられないですし、物語に引き込まれていくのがクセになります。名刺がわりのデビュー曲が異色なだと、インパクトが違います。
また、2000年代アイドルシーンといえばのモーニング娘。の『ザ☆ピース!』も途中でセリフが入りますね。石川梨華さんのセリフには引き込まれる魔力があります。お昼ご飯を答えたくなります。欅坂46『不協和音』では【僕は嫌だ】の一言に全て持っていかれるような衝撃を覚えました。このような曲中のセリフや寸劇もアイドルソングだからこそですね。
私の考えでは、アイドルソングは自己肯定感を爆上げするシャワーのような存在だと思っています。“ももち”こと嗣永桃子さんの言葉を借りると「歌で人の気持ちを明るくできるようになりたい。きっと人生にくじけてる人が、いっぱいいると思うから」と言えるのがアイドルであり、アイドルソングの役割なのではないでしょうか。アイドルソングはどれも、常に背中を押してくれて、どんな時も最後には前を向けるような歌詞になっていると思います。
アイドルは常に未完成で不安定な存在で、その成長過程を見るのも面白さの一つです。
ハロー!プロジェクトですと、研修生時は等身大のアイドルに憧れる少女の想いを歌った曲、デビュー後には年齢や経験を重ねて変化する女性の心理を歌った曲が増えていきます。
私は、デビュー後に徐々にエネルギーの方向が変わってきたり柔らかさや女性らしさが生まれていくようなアイドルの変化の過程を見るのが好きです。時にはアイドル本人と楽曲が釣り合っておらずアンバランスさを感じることもありますが、それはこの時期にしか感じられない、成長中のアイドルの貴重な醍醐味だと思います。成長・変化を見守り応援するのはとても面白いです。
好きな曲、思い入れのある曲はたくさんありますが、今回は断腸の思いでこの3曲を紹介させて頂きます。楽曲だけだと選べないので個人的感情の加点が大きいです。どれもすごく素敵な曲なのでよかったら聴いてください。
・練習に行く時に聴きたくなる曲
→AKB48『365日の紙飛行機』
競輪学校で見たNHK朝ドラ「あさが来た」のテーマソングです。この曲を聞くたびに、競輪学校の朝を思い出します。訓練前のちょっとしたリラックスタイムにみんなで居室のテレビを囲んで毎日の放送を楽しみにしていました。
センターを務める山本彩さんの真っ直ぐなソロパートから始まります。この曲の歌詞では、女性が活躍することに制約があった時代に健闘した朝ドラ主人公が紙飛行機に例えられています。競輪学校時代の思い出と、力強い前向きな歌詞が「よっしゃ!今日も頑張ろう!」と思わせてくれます。
・レースに行く時に聴きたくなる曲
→こぶしファクトリー『シャララ!やれるはずさ』
2020年に解散したハロー!プロジェクトのグループ、こぶしファクトリーの代表曲です。熱苦しいくらいのポジティブなロックナンバーとなっています。
私が特に好きなのは【タイムリミットが来る前にやれること全部やってみよう】という歌詞で、何度も背中を押されました。タイムリミットの解釈はそれぞれですが、今やってみないときっと後悔するだろうと当たり前だけど気づかないことを意識させてくれました。常にこの歌詞が頭のどこかにあります。この曲を聞いて考え方も変わったし、今の私があるのはこの曲のおかげと言ってもいいくらいです。
グループメンバーの脱退後の初ライブで、この曲に想いの全てを詰め込んだ熱いパフォーマンスをしているのを見て胸を打たれたのを覚えています。それをきっかけに推し始め、解散後の今でもこの曲からエネルギーをもらい続けています。
・1日の終わりに聴くと明日への活力が湧いてくる曲
→道重さゆみ『OK!生きまくっちゃえ』
とにかく道重さゆみさんが可愛いです。最強、優勝。
「10代はかわいい、20代は超かわいい、30代は超超かわいい。常に可愛いを更新し続ける」、それを体現するのが道重さゆみさんです。
ライブではクラップとコールアンドレスポンスが織りなすファンと道重さんの一体感が最高で、とても盛り上がる曲です。推しがいれば全てが許され生きてていいのだと思える自己肯定感爆上げソングです。
とにかく嫌なこと、悔しいこと、悲しいことがあっても受け入れて「明日も生きまくっちゃえ!」と思える、明日への活力をチャージできる曲です。
今回はヲタ友の2人に推し曲について語って頂きました。好きなグループも違うので視点が違って面白いです。こちらも是非聴いて頂きたい曲です。
野本怜菜選手(埼玉114期)
可憐Girl's 『Over The Future』
幼少期にみていたアニメの主題歌でした。私が中元すず香さんに出会ったきっかけの曲で、レースの直前は絶対にこの曲を聴きます。元気とかキラキラが欲しい時によくききます!本当によくこの三人を集めたなと感謝です。
BABYMETAL 『メギツネ』
メタルに三味線、和太鼓など日本をプラスしたこの曲はBABYMETALの独特な世界観とマッチしていると思います。すぅちゃんのパーンと伸びのある声が魅力で、そこにゆいもあの可愛い声が混ざって最高です。気分を上げたい時、アップの最初に聞くことが多いです。
*佐々木からのコメント
依頼した時に、可憐Girl'sかBABYMETALのどっちかなと思ってましたが、両方くるとは期待を裏切りません。可憐Girl'sは【絶対可憐!だから負けない!】の歌詞が熱いです。好きです。イェーイ! 絶対!! 大胆!!
BABYMETALは、私も好きなグループのひとつです。とにかくかっこいいし気持ちが上がりますね。野本選手の注目ポイントである発走前でのルーティンもBABYMETALの振り付けが取り入れられています。
中嶋里美選手(愛知110期)
Juice=Juice 『イジワルしないで 抱きしめてよ』
推しである金澤朋子さんと言ったらこの曲。【私はローズクォーツ】と言う歌詞があって、そこを歌う金澤さんに全てを持っていかれます。時を重ねる毎にローズクォーツに深みが増すところもポイント。歌詞の全容はセクシーさ感じる愛がテーマです。バラードだったら重くなりそうな歌詞なのに、アイドルソングだからこそいつでも聴きたくなってしまう曲調に仕上がっていて、ついつい踊りたくなってしまう一曲です。
*佐々木からのコメント
ハロー!プロジェクトっぽい曲を選んでくれました。5人時代のJuice=Juiceはアイドル界のアベンジャーズと言っても過言ではありません。
中嶋選手の推しである金澤朋子さんは11月24日でJuice=Juiceを卒業します。寂しい思いもありますが、最後に歌われるローズクォーツもすごく楽しみですし、これから歌い継がれていくローズクォーツも楽しみです。金澤朋子さんの未来に幸あれ!
ちなみに、私もこの曲を聴くと踊り出しそうになります、いや踊ります。
アイドルソングといったら可愛い曲というイメージがあるかもしれませんが、オシャレ、カッコいい、熱い、シュール、コミカル、幅広くあります。
曲の内容もアイドルの背景、成長、そして社会や時代の流れを反映したものとなっています。
ガールズケイリン選手もそれぞれ、デビューしてからいいことも悪いこともたくさんの経験を積み成長していきます。その点はアイドルと似ているかもしれません。
プロ野球で選手に似合う入場曲があるように、ガールズ選手にもそれぞれ似合うアイドルソングがあるのではないかと思いました。是非ともたくさんのアイドルソングを聞いて、推し選手に似合うようなアイドルソングを探してみてはいかがでしょうか?
それでは、より楽しい競輪ライフを! 次回更新をお楽しみに!
佐々木恵理
Sasaki Eri
愛知県豊橋市出身。大学卒業後、システムエンジニアとして社会人を経験し、テレビ番組でガールズケイリンの存在を知って競輪選手を志願。T-GUP(豊橋ガールズケイリン育成プロジェクト)を経て、2016年に名古屋競輪場でレースデビュー、初勝利。アイドルと競輪を愛する、アイドルヲタクレーサー。