2021/10/27 (水) 18:00 7
みなさんこんにちは! 110期愛知支部の佐々木恵理です。
私ごとですが、先日『あの頃。』という映画を観ました。
冴えない日々を送っていた主人公が、ある日突然あやや(松浦亜弥さん)推しとなり、あややの輝きに引き込まれアイドルオタクの道を歩み、時は流れてアイドルよりも大切なものを見つけていく…という話です。
アイドルを通じてたくさんの友達ができて、アイドルの話もアイドル以外の話もたくさんして、いろんな時間を過ごしたなぁと、私自身の『あの頃。』も思い返される映画でした。
特に印象に残っているのは、『あややはスターなんだから、いつも松浦亜弥なのが当たり前じゃないですか』というセリフです。「うわ〜わかるぅ〜〜」と思って映画を見ながら10万回くらい頷いてしまいました。
私はちょうど松浦亜弥さん世代なので、歌番組はもちろん出演したバラエティやドラマもリアルタイムで見ていました。何に出ても圧倒的な存在感と輝きで、常に完成され貫かれた、いつだってブレない松浦亜弥さんがそこにいました。
これは私の考えですが、アイドルでも競輪選手でもどんなことでも、ブレない信念を持って道を極めていくうちに、その人にしかない存在感がでてくるのではないかと思います。
例えば競輪の世界なら、競走のレーススタイルはもちろん、ネットニュースや新聞に載るコメントやSNSでの発信、写真の写り方など、ありとあらゆるものに表れます。
今回のコラムは、そんな”〇〇らしさ”を考えていきたいと思います。
松浦亜弥さんの凄さを少し振り返ってみましょう。
松浦亜弥さんは、現在のアイドルの歴史の中で日本最後のソロアイドルだと思います。
(ここから松浦亜弥さんを親しみと尊敬を込めてあややと呼びます。)
あややの怪物級のパフォーマンスは日本中をドッキドキ! の虜にしました。私はあややが活躍していた頃にちょうど中学生だったのですが、女の子はみんなあややがCMをしてたシャンプーを使っていたし、友達同士で行くカラオケの1曲は『♡桃色片想い♡』だったくらいティーンのカリスマでした。それに、あややはモノマネされるくらいキャラクターがはっきりしている、みんなが知っていてみんなに愛されるアイドルでした。
非の打ち所がないブレないあややは、パフォーマンス、トーク、演技などの技術だけでなく、天性の輝きとオーラ、舞台度胸も含めて唯一無二の存在だと思います。あややがデビューして20年以上経ちましたが、今でもハロー!プロジェクトでは楽曲が歌い継がれていますし、多くの現役アイドルの憧れでもあります。
今回このコラムを書くにあたって、中学生の記憶のままで止まっていたあややをオタク目線でアップデートするため、過去の動画を集中して見ました。どの動画もとにかく感動しっぱなし、鳥肌立ちっぱなしで、改めてあややの凄さを感じました。歌やダンスなどパフォーマンスの完成度ももちろんですが、日本最後のソロアイドルと言われる存在感と眩しさは、デビュー当時から強烈でした。今のグループアイドルでは考えられないくらいでした。年月を経るごとに凄みが増していく姿も圧巻で、あややの「天性のカリスマ」に釘付けになってしまいました。
やっぱりあややは他のアイドルと違うと確信し、『あややはスターなんだから、いつも松浦亜弥なのが当たり前じゃないですか』のセリフを何度も思い出しました。
ガールズケイリン界でブレない道を歩み続ける選手を挙げるならば、加瀬加奈子選手です。
ガールズケイリン1期生として、ガールズケイリンのパイオニアとして、常に周りを引っ張ってきてくれました。ブレない信念である"男道"をモットーにして、男道先行で人を魅了し心を熱くするレースをデビューから続けています。
元ナショナルチーム所属である加瀬選手は、自転車競技とガールズケイリンの発展にも尽力しています。落車による大怪我を乗り越えての復帰は、加瀬選手の力強さ、芯の強さ、競輪への熱さがあってこそだと思います。
加瀬選手は2歳になる娘さんがいるママさんレーサーです。産休、育休からの復帰後の現在は、むしろパワーアップして帰ってきたんじゃないかというくらい活躍を見せています。
加瀬選手の人柄や熱いレースを見て、憧れて選手になったガールズ選手はとても多いです。当時高校生だった110期の鈴木奈央選手が大学進学するか、高校卒業後すぐに競輪選手になるか悩んでいた時に、ナショナルチームでの自転車競技と競輪選手の両立を勧めたのも、当時ナショナルチームで活躍していた加瀬選手でした。影響力が大きく頼れる存在です。
と、こんな感じでざっと紹介してみましたが、とにかく加瀬選手を語るにはネタが尽きません。エピソードもありすぎるし、キャラクターも強烈で何から伝えればいいのかわからないくらいです。
ただ私が言えるのは、何をしていてもどんな時でも加瀬選手は加瀬選手です。どんな時も加瀬選手らしさがあってブレなくてカッコいい。唯一無二の存在。
記録だけでなく、みんなの記憶に残り愛され応援され人に元気を与える、それこそ加瀬加奈子選手は魅力的なアイドルレーサーだと思います。
その道を極めた先には歴史の生き証人であるレジェンドです。
先日現役最年長61歳で400勝を達成した佐古雅俊選手は、まさに生きるレジェンドです。最年長の現役選手であるのはもちろんですが、競輪と向き会う姿勢、その世界を極めたいという信念から美しさも感じます。
“〇〇らしさ”とは、長い時間によって積み重ねられたもの、こだわりや努力によって生まれたもの、天性の素質など、さまざまな要素から作られています。みなさんも推しの“〇〇らしさ”のルーツについて考えながら、競輪を楽しんでみてはいかがでしょうか?
それでは、より楽しい競輪ライフを! 次回更新をお楽しみに!
佐々木恵理
Sasaki Eri
愛知県豊橋市出身。大学卒業後、システムエンジニアとして社会人を経験し、テレビ番組でガールズケイリンの存在を知って競輪選手を志願。T-GUP(豊橋ガールズケイリン育成プロジェクト)を経て、2016年に名古屋競輪場でレースデビュー、初勝利。アイドルと競輪を愛する、アイドルヲタクレーサー。