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平原康多の勝ちペダル

【#1】自分のスタイルで戦うために…今の自分に足りないもの

2020/12/15 (火) 13:58 36

“埼玉のプリンス”平原康多選手の連載がスタート!(提供:チャリロト)

本日より、平原康多選手の連載コラムがスタート! ここでしか読めない平原選手の“いま”をお届けしていきます。

第1回となる今回は、今年の競輪祭の振り返りから。結果は惜しくも準優勝でしたが、今の自分に足りないものを改めて感じた収穫のあるレースだったと前を向きます。さらに、年末に行われるグランプリレース・KEIRINグランプリへの思いを綴っていただきました。


はじめまして! 平原康多です。

 netkeirinをご覧になっている皆さん、平原康多です。と、言っても知らない方がいると思いますので簡単に自己紹介をします。

 えー、競輪選手です。約2300人いる選手の中で、上位9人のS級S班にランクされています。ちょっと自慢が入ってしまいました(笑)。この度、コラムを書いてほしいとの依頼を受け、乱文ではありますが、少しでも競輪の激しさ、素晴らしさを知ってもらえればと思い、引き受けることにしました。

競輪祭で改めて感じた“今の自分に足りないもの”

 11月に福岡県北九州市の小倉競輪場で、GI「競輪祭」が開催されました。GIというのは、年間6回ある名誉も賞金も大きな大会です。GIで優勝すれば、年末の優勝賞金1億円をかけた「KEIRINグランプリ」への出場権が得られます。ですが自分はあと一歩及ばず、準優勝でした。この大会は過去に3回優勝している、相性のいい大会だったんです。優勝したのは神奈川の郡司浩平君。初のGIタイトルでした。素直におめでとうと言いたいですね。

 レースを振り返ってみます。自分は関東同士の鈴木庸之君を目標にしました。3番手は諸橋愛さん。鈴木君と諸橋さんは同じ新潟県所属なんですが、自分を2番手に入れてくれました。同県の間に他県の人間が入るというのは、よほど信頼関係がないとできないものなんです。相手は2024年のパリ五輪を目指す松井宏佑君を先頭に、郡司君、和田健太郎さんの南関東ライン(南関東は、千葉、神奈川、静岡)。

 予想通り松井君が残り600m前から一気に先行態勢。鈴木君も猛然と仕掛けていきましたが、郡司君が松井君を見切り、自ら発進の展開。自分は鈴木君が先頭に出られないと見るや、郡司君と同じように自力で勝負にいきました。

 踏み出した瞬間やスピードのノリは悪くなかった。でも、最後に追い抜けなかったのは、力不足。ただ、今の状態では100%の力は出し切れたと思っています。悔いはないとまではいきませんが…。そして何より、今の自分に足りないものが改めて分かったことが収穫だったと言えます。

「踏み出した瞬間やスピードのノリは悪くなかった。でも…」(提供:チャリロト)

 足りないものとはトップスピードです。現在の競輪界は、東京五輪代表の脇本雄太君、新田祐大君らを見れば分かりますが、高速化が進んでいます。競輪祭の前もグリーンドーム前橋でGIがありました。2大会続けてドームでの開催。ドームは本当のスピード勝負になるんです。今の自分には脇本君らに対抗できるトップスピードがありません。ワンランク、いや、ツーランク上げなければ。その上でバンクを縦横無尽、自由に走るという自分のスタイルで戦えるのです。今はまだ、それができていません。

考えが180度変わった--2018年のグランプリ

 今年はGIのタイトルを獲ることができませんでしたが、獲得賞金上位でグランプリに出場することができました。勿論タイトルを獲ってグランプリへが1番ですが、1年を通しての結果なので、出場できるのは嬉しいものです。無冠ですが何とか日本一への挑戦権を得た感じです。

 自分にとってのグランプリですが、以前はグランプリよりもGIのタイトルが上でした。重きを置いていなかったかもしれません。でも2018年の静岡グランプリで考えが180度変わりました。

 そのレースで自分は落車してしまったんです。それでも歯を食いしばり何とかゴールしようと。その時、静岡競輪場の観衆から「平原、頑張れ」「ヒーラハラ」って大歓声が起こったんです。

ファンからの大声援を背に受けて、歩いてゴールした平原選手(提供:チャリロト)

 大袈裟じゃなく、地響きが起こったみたいでした。目頭が熱くなりましたよ。お金、1億円よりファンの歓声がありがたかった。お金にかえられないものを得ました。それ以降、自分の中ではグランプリが頂点なんだとはっきり分かりました。

 今年は12月30日に神奈川県の平塚競輪場で行われます。11回目の挑戦、頂点を目指して頑張ってきます。

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平原康多の勝ちペダル

平原康多

Hirahara Kota

埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。

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