2021/09/26 (日) 12:00 6
競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。
こんにちは。ヤマコウです。
青森競輪開設71周年記念善知鳥杯争奪戦決勝メンバーが出揃いました。ライン構成は以下の通り。
③深谷知広(96期・静岡)ー⑦東龍之介(96期・神奈川)ー⑥石毛克幸(84期・千葉)
⑧阿部拓真(107期・宮城)ー④坂本貴史(94期・青森)ー①佐々木雄一(83期・福島)
②吉澤純平(101期・茨城)ー⑤東口善朋(85期・和歌山)
⑨上田尭弥(113期・熊本)
岐阜共同通信社杯最終日から中2日での開催となるので、地元の守澤太志などは参加していません。中3日ルールがあるので前検日から数えると中2日になるからです。
今節のメインは深谷知広です。初日、2日目と末脚を欠いて3着、2着という成績ですが、徐々に実戦慣れしてきたな…という印象です。③深谷中心にレースは進んでいくでしょう。
対して先行して深谷を苦しめたい…というより、地元の④坂本貴史に優勝のチャンスがあるように走るのが⑧阿部だと考えます。普段の戦法では深谷に通用しないと思うので、志願して前を走ると言うことは先行しか頭にないでしょう。
そして、②吉澤は2つのラインが動いた後の仕掛けになると思います。⑨上田は混戦待ちといったところでしょうか。ラインの先頭選手は、誰もが前受けする選手ですが、ここでは受けて立つ立場の③深谷を前で考えます。深谷が前受けだと、中団は北日本勢で後ろ攻めは②吉澤。
S.③⑦⑥ ⑧④① ②⑤ ⑨
まず②吉澤が動いて中団を狙い、③深谷はかまして主導権を取りに行くでしょう。
←③⑦⑥
打鐘.⑧④① ②⑤ ⑨
⑧阿部は今節よく動けてますが、③深谷の方が脚力は一枚上手です。主導権は深谷が取るでしょうが番手の⑦東の追走がやや不安です。離れることも考えた方がいいでしょう。
④坂本が優勝を狙うには③深谷の動きを見て番手から出るのではなく、「阿部が緩んだら行く」というスタイルでないと③深谷に飲み込まれると思います。しかし、準決勝で吉田敏洋(85期・愛知)の動きを見てから番手発進したように、見てからの仕掛けになるでしょう。深谷の番手⑦東が付いてきたら苦しいですね。
←③ ⑦⑥
B. ←④① ②⑤ ⑨
⑧
この態勢で最終バックを通過、③深谷を追いかける形で④坂本にもチャンスが訪れます。それでも③深谷が逃げ切ると思います。②吉澤は⑦東と絡んで機を逸しますが⑨上田の一発は魅力ですね。
③ー④⑨①ー①⑤④⑨②
そして、③深谷前受けで考えましたが、②吉澤前受けの場合も考えます。その時中団に陣取るのは北日本勢なので、後ろ攻めの③深谷に併せて主導権を取りに行くと思います。
③ ⑦⑥
H.⑧④① ②⑤ ⑨
この態勢でチャンス到来するのは②吉澤と番手の⑤東口、⑨上田です。
⑤=②=⑨
⑨上田は3月大垣GIIIの決勝も単騎でしたが、ホームで仕掛けて浅井康太(90期・三重)に差されて落車8着(1着ゴールの浅井は斜行失格)でした。もう少し落ち着いて仕掛けたら優勝のチャンスがあったと思います。決勝は、過去の経験をどう活かすかが問われるでしょう。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。