2025/06/08 (日) 07:25 30
KEIRINグランプリ二度制覇!“ヤマコウ”の愛称で知られる山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。
別府競輪開設75周年記念GIIIナイターオランダ王国友好杯の決勝メンバーが決まりました。
ライン構成、車番は以下の通りです。
①新山響平(青森・107期)ー⑤守澤太志(秋田・96期)
⑦寺崎浩平(福井・117期)ー③村田雅一(兵庫・90期)ー④村上博幸(京都・86期)
⑧阿部将大(大分・117期)ー⑥瀬戸晋作(長崎・107期)
⑨深谷知広(静岡・96期)ー②岩本俊介(千葉・94期)
今節の展望は、新山響平(青森・107期)、深谷知広(静岡・96期)に対して地元九州勢がどう立ち向かうかの構図です。その中で始まった初日特選、山崎賢人(長崎・111期)が単騎カマシで見せ場を作りました。しかし、新山の凄みだけが印象に残りました。対戦相手に振り回されることなく自分のレースを貫いたからです。着以上に内容も完勝だったと言えたでしょう。
準決勝もそうでした。地元の甲斐俊祐(大分・121期)は先行するしか打つ手がなく主導権取りに専念します。そこを新山が強引に叩いて先行。後続のもつれを尻目に2着に残りました。格下の選手相手でも受けて立ち、決勝に勝ち上がる新山はカッコよかったですね。決勝も新山がやることはひとつ。他の自力選手がどう対応するか見ものです。
S.①⑤ ⑧⑥ ⑨② ⑦③④
⑧阿部将大(大分・117期)を3番手にしたのは、阿部はこのメンバーだと位置取りが生命線になるからです。後ろになっても①新山に突っ張られて、それでも勝負権は3番手なので、そこに固執すると考えました。それなら⑧阿部は並走覚悟で前中団にこだわり、⑨深谷は根負けすると思います。⑧阿部が前中団だと、まず動くのが⑦寺崎になります。突っ張る①新山に、そこまで抵抗するとは思えないので引いて態勢を整えるでしょう。そのまま新山が先行態勢に入り⑨深谷はカマすタイミングを窺います。
←⑨②
H.①⑤ ⑧⑥ ⑦③④
①新山と⑨深谷の先行争いは、①新山に分があると思います。⑨深谷も先行で頑張ってますが、現況は①新山の方が先行慣れしています。例え⑨深谷が叩いたとしても、かなり脚力を消耗して、脚を溜めたラインに捲られるでしょう。①新山が主導権を取っても同じ。もつれたら⑦寺崎の出番がありそうです。展開有利に進められるのは⑤守澤ですね。ただ、準決勝は付きバテして3着になりました。番手を活かせるかどうかは難しいところです。むしろ、3番手を取ったラインが優勝争いに絡むのではないでしょうか。それが⑧阿部です。3番手をサラ脚で回れば優勝のチャンスがあるでしょう。
・1-5-83
・1=8-563
①新山と⑨深谷が先行争いとなれば、脚を溜めているのは⑦寺崎です。穴目は⑦寺崎で考えます。
・7-3-482
別府記念の決勝は自力選手のレベルが高く面白いレースになりそうです。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。