2025/02/21 (金) 08:00 4
今年もいよいよ長いGIタイトル戦線が始まる。「タイトルを取りグランプリへ!」が選手たちの願望だよね。それがヒシヒシと伝わってくるのが前検日の風景だ。和やかな雰囲気に見えるが、ところどころに醸し出す緊張感があり、秘めた思いってのは十分伝わってくる。これが現場でなければ味わえないGIの持つ何とも言えない雰囲気だし、いつの間にかオレまでこの輪に飲み込まれ、選手時代に戻ったようなに錯覚を覚えちまう。
さて、各地で行われてきた記念競輪でS班たちが走り終え、それぞれの調子の良し悪しが見えてきた。今年の郡司浩平は一味違う。まるでグランプリの悔しさを晴らすような厳しい攻めのレースが目立つ。これが好調の要因のひとつなのでは。昨年も早々に全日本選抜を制しS班復帰を決めた相性の良い大会だし、南関勢が結束力をみせれば連覇は十分、いや、今の調子なら単騎でもそれは可能なのかもね。
昨年のグランプリ王者・古性優作の安定感は相変わらず存在感を放っている。またグランプリから久々に静岡記念を走った眞杉匠だが、本人はレース勘を気にしていたが、はた目ではブランクを感じらなかった。それは松浦悠士も一緒で、初日特選と二次予選は不安を感じられない内容だった。しかし準決勝の落車は気掛かりだが、幸い軽症とのこと。眞杉も松浦も一安心といったところだったよ。
一方、気掛かりは高松記念、奈良記念を立て続けに欠場した脇本雄太になる。どこまで調整ができたのか? 戻っていれば自力を使うことは問題ない。だが、懸念することは番手戦を強いられたときの横に対する対処が大きな課題だが、はたして。
さらに前S班山口拳矢が復調著しく地元地区のGIで二つ目のタイトルが望めそうだ。佐々木悠葵、寺崎浩平、犬伏湧也も誰しも認める力が備わり、タイトル争いの一角に名を連ねるようになった。タイトルは時間の問題、いつ取っても不思議はない。
さて妄想レースはどれにするか? と悩んだが、6Rをピックアップしよう。いつものように並びの整理から。
①山口拳矢-⑦山口富生-④坂口晃輔の中部ライン、⑧吉田有希-②諸橋愛-⑤木暮安由で関東ライン、九州ラインは⑨松岡辰泰-③小岩大介-⑥久島尚樹の三分戦だ。初手は山口がスタートを取り、松岡を前受けにさせる。後方に吉田が構え勝負どころで押さえに行くのに合わせ山口が切る(⇐⑨③⑥・①⑦④・⑧②⑤)。
こうなれば吉田を逃がし、ヤマケンがまくり山口富の流れ込み①-⑦、諸橋が切り替え①-②、吉田がしぶとく粘り①-⑧までが本線になるね。
さあ妄想だが気配上々の吉田が「落ちるだけ落ちたし上げるだけ」とチャレンジャー精神で逃げる。ヤマケンが前受けになれば吉田は中団を取れる。松岡が切りにいけばヤマケンは突っ張り、ふたりとも中団に拘るあまりもつれてしまう。そうなれば吉田がマイペースで逃げ、諸橋との直線勝負②=⑧でいける。松岡が労せず中団もあり、①②⑧⑨ボックスで〆にするべ。
この時期のバンクは風の影響が受けやすくハードなコンディションが予想される。そうなると地脚タイプに体格に恵まれた選手の活躍が期待大とみたが、どうなる豊橋GI!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。