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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

【阿波おどり杯争覇戦予想】地元戦は“鬼”になる犬伏湧也 鬱憤を晴らすには最高の舞台だ

2025/07/03 (木) 08:00 6

地元で鬼になる犬伏湧也

 今回もS班が主役を努める。まず名前を挙げたいのがこの3人、犬伏湧也、古性優作、岩本俊介。古性はもう言わずもがな。S班常連で、総合力なら頭ひとつ…いや、二つ、三つ抜けてる。レースメイクの巧さ、判断力、どれをとっても安定感バツグン。 よっぽどの悪条件が重ならない限り、常に“軸”になってくる存在だよね。まぁ、強いわ。

 そして地元・徳島の犬伏湧也。今年の高松宮記念杯では少々歯がゆい内容になったけど、今シリーズは“溜まりに溜まったもの”を爆発させるには最高の舞台。なにしろ阿波おどり杯争奪戦の連覇が懸かっている。気合いの入り方が違うよ。「地元記念は特別」っていうのは昔からの競輪の定説だけど、この男はホントに“地元で鬼になるタイプ”。緩める気? あるわけないでしょ。

 岩本俊介も最近また調子を取り戻してきた印象。S班に上がってきた責任と自覚が、走りに滲み出ている。流れに乗れば上位進出も十分アリ。さらに、7月からS班に返り咲くのが松浦悠士。ちょっと低空飛行の時期もあったけど、そこは実績のある選手。 ここに来て調子を戻してきている感もあるし、S班に復帰となればメンタル的にも追い風になりそう。“復活劇”ってのは、やっぱり競輪界でも絵になるからね。

S班を追いかける選手も破壊力ある

 で、彼らS班を追いかける立場として注目したいのが、松井宏佑、菅田壱道。松井はコンスタントに結果を出していて、成績が崩れないのが強み。スピード勝負になれば一発の破壊力があり侮れない。菅田も“自在戦”が板に付いてきて、もう一皮むけるかどうかのタイミング。勝負勘も磨かれてきているし、今期あたり何か仕掛けてきそうな雰囲気あるよ。

 でね、忘れちゃいけないのが、地元の重鎮・小倉竜二。もう49歳。でもまだまだガチンコで突っ込んでくるし、気迫でゴールを割ってくる。シンタロウさんのお株を奪うわけじゃないけど「限界? 気のせいだよ!」って、小倉御大にも当てはまるフレーズだよね。見た目も言動もサバサバしているけど、実はメチャクチャ周囲に気を配るタイプ。 後輩からの信頼も厚いし、「オグリュウを勝たせたい」って空気が自然に出来あがる。今回はその“空気”がまた追い風になるかもしれない。

期の始まりはA級上がりを狙え!

 本題の“妄想タイム”に入っていこうか。今期の注目は何と言っても、A級から昇級してきた若手たちの動向。フレッシュなエネルギーが上の舞台でどう火花を散らすか、これは競輪の醍醐味だよ。まずは菅野航基。とにかく“徹底先行”が売り。ガンガン行くし、途中で踏み止まる気配もない。ハマればもちろん残るし、格上相手でもあっと驚く番狂わせを演出する力はある。バンクコンディションや風の流れひとつで、光る可能性は十分にあるね。

 そのほかにも尾方祐仁、内藤久文、川口雄太、佐藤壮志といった面々も昇級し一泡吹かせそうな勢いがある。期の初めはこういう若手がハッスルして、穴党ファンの心を揺さぶってくれる予感がしている。というわけで、新期はドラマのタネが盛りだくさん。S班のプライド、ベテランの執念、若手の勢い、それぞれの想いが交錯し展開を読む楽しみがまた一段と増してきたね。

ナメてかかれば痛い目に遭うぞ

 妄想はピチピチの昇級組が頑張るはずだし、本線を押さえつつ大穴狙いと行ってみるべ! 該当するのは6Rだよ! まずは並びの整理をしておこう。②小川丈太-⑦吉松直人の四国コンビ、①松本秀之介-⑨成松春樹-④佐々木翔一の九州ライン、東京コンビは⑤鈴木薫-③朝倉佳弘、⑧尾方祐仁-⑥堀兼壽の岐阜コンビで細切れ戦。

 初手は枠なりで松本が取り小川、鈴木、尾方の順(⇐①⑨④・②⑦・⑤③・⑧⑥)。尾方が押さえ、鈴木が叩く。そこを松本が一気に巻き返し成松とのゴール勝負①-⑨に鈴木の先制で朝倉への①-③、尾方の逃げで堀への①-⑥を本線に狙う。

 だがここは狙っていきたい。尾方祐仁の存在は、まだあまり知られてねえ。だからこそ、松本にしろ、鈴木にしろ、ナメて掛かるはず…! 初手のとおりで並ぶものの、尾方の上昇に合わせて鈴木が切り、そこを小川が叩き尾方を迎え入れると⑧⑥-②⑦-⑤③-①⑨④になっちゃうわけだよ。

 この時期ならバンクは高速化するはず。逃げても勝負になる。尾方を使う堀が展開有利に抜け出す。尾方とのゴール勝負⑥=⑧、小川や吉松の強襲もあるし、鈴木に乗る朝倉も怖い。ってことで⑥③②⑦ボックスで妄想〆にしておくべか!

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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

吉井秀仁

Yoshii Hidehito

千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。

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