アプリ限定 2025/01/12 (日) 12:00 9
競輪は、モーニング、デイ、ナイター、ミッドナイトの時間帯で日々、多種多様なレースがファンに提供されている。早朝から深夜まで、競輪を楽しめるように、と選手を中心に「ちょっと大変」なのはあるのだが、みなで協力し合って開催を作りあげている。
ただし、『発走時刻の重なり』というものはずっと課題とされてきた。一本化された決定システムではなく、全国43場が開催を行うので、バッティングするケースはあった。なかなか解消しづらいもの…というのが、構造上あったといえるのだが、近年の「スマート競輪」の試行などをへて、大きく全国調整へと変わることになった。
一般的には、「普通だろう」と思われがちだが、競輪や各種日本の、日本的な実情を踏まえると、そうそう簡単にできないものではあった。それが2025年度から大きく変わり、圧倒的に「ファンにわかりやすいもの」になる。これは、大きな一歩だ。
今般、モーニングとデイの重なりをなくし、デイとナイターの重なりは縮小、発走時刻を等間隔に、とすごくスムーズでスマートな投票活動につながっていく。
モーニングは7R制に固定される。モーニングから見始めて、デイが始まるようになると、どっちを買おうか…とブレが生じる。いったんモーニングですっきり終わり、ヨシ、デイへ…。ファンの心理をつなぎやすくなる。
こうした、ちょっとしたファン心理をつなぎ続けることが、今の人気を支え続けることになるだろう。かつて大隆盛を誇った競輪だったが、大きな低迷期に沈んだこともある。その時の経験を忘れず、今大事なことに手を付けていくことが重要で、今回の施策は打つべき手を打つことができた、と言える。
思ったよりも、見えないハードルが世の中にはあるものだが、競輪界はそうしたものからとらわれずにいく、という意思表示にもなっていると思う。
年末年始は「欠車」と呼ばれる、9車立てが8、7と減ったり、7車立てのレースが5車になったり…と、またレースカットになるケースもあった。期末では、どうにも欠場を余儀なくされるパターンも競輪選手にはあるので、ありがちなことではある。
また、社会情勢的に、コロナ後の観光の盛り上がりで移動や宿泊に困難をきたすケースもある。これは競輪界からの理由ではないが、大きく考えれば、社会情勢にマッチしたものにしていく必要はある。
ネット全盛に即している現在、も対応の一つであり、またさらに社会がどう変わっていくのか、を想定するのも一つ。各競輪場が改修工事を行い、本場の環境を良くし、生まれ変わろうとしている。車の自動運転にしても、気が付けば競輪場に…、という車両を生み出すこともこれからの狙いになるだろう。
空飛ぶ車も夢物語ではない。「空をこえて〜〜、ラララ、競輪場へ〜〜」。動ける競輪界になってきた今、近未来の競輪のあり方を模索することも大事になってくる。車券のパターンにしても、だ。エリミネイションの車券発売も、夢じゃないだろう。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。