閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【瑞峰立山賞争奪戦予想】波乱の準決勝に続き、決勝も大荒れとなるのか? 330バンクの立ち回りが勝敗を決める!/鈴木誠の展望

2021/07/26 (月) 12:00 2

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は富山競輪場で開催されている瑞峰立山賞争奪戦の決勝レース展望です。

真夏のバンクは調整も難しい! 元選手ならではのアップとは?

 日本全国が猛暑にさらされていますが、それは日中にレースを行っている、競輪選手たちも他ではありません。

 この時期は室内と屋外の温度差がかなりあるので、レース前の調整も難しくなります。外の気温に慣らすためにアップをやりすぎても、レース本番を迎えた頃には疲労が残ってしまいますし、アップをやらなさすぎると身体が温まらずに、レースで力が発揮できなくなります。

 現役だった頃は体を慣らす意味で、少し早めに屋外に出て、休みを取りながら軽めのアップをするようにしていました。それでも連日のように暑さが続くと、選手たちも大変なのではと思ってしまいます。

 調整の難しさがあったのかもしれませんが、準決勝は3レース共に波乱となりました。富山競輪場は主導権争いの激しい330バンクである上に、今大会は実力の拮抗している選手も多く、道中の位置取り次第では展開がガラッと変わる、予想する上でも難しいレースが続きました。

 その中でも準決勝の10レースで、ジャン前から動き出していきながら2着となった、藤井選手の動きの良さが目につきました。

 並びですが、その藤井選手が先頭を走る中部ラインが唯一の3車となり、後ろには竹内選手-宮越選手の並びとなりました。近畿ラインの稲垣選手-三谷選手と、神奈川ラインの堀内選手-小原選手が2車で、柿澤選手と阿部選手は単騎となっています。

 決勝戦を見ても他に先行するような選手が見当たりませんし、実質的に藤井選手の先行一車となると見ています。

 車番的にもスタートは同じラインの竹内選手が取ってくれそうです。藤井選手はその前を走りながら、ジャンが鳴ったら後ろの2人を引き連れて他のラインを突っ張り、そのまま先行へと持ち込んでいくはずです。

 この展開となった時に、他の選手が狙ってくるのは竹内選手の位置となってきます。

 かといって、ラインのある稲垣選手は先行した中部ラインの4番手を回ってくると思いますし、車番の悪い堀内選手はインを切って藤井選手を引かせるかもしれませんが、無理に絡んでは来ないでしょう。となると、竹内選手に絡んで行くのは、阿部選手ぐらいではないでしょうか。

 ただ、阿部選手は単騎ということもありますし、藤井選手のスピードが緩まないようだと、その後ろから番手捲りが狙える竹内選手が勝利に近づくこととなります。地元の宮越選手も、竹内選手について行けるようだとチャンスが巡ってきそうです。

 ただ、阿部選手だけでなく、稲垣選手や堀内選手も竹内選手の位置を狙ってくるようだと、藤井選手が逃げ切る可能性も出てきます。

 藤井選手からしても、先行するには願っても無いメンバー構成になったと思います。準決勝は宮越選手に交わされましたが、それまでのレースを見ても、先行の掛かりが抜群に良かったですし、決勝でも後ろが混線となった時には、その争いを尻目に、ゴールまで押し切ってしまうかもしれません。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票