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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

2段駆けを成功させるには!

2024/06/29 (土) 20:20 21

 同日程で松山でイー新聞杯があるため、取手記念の取材には行っていない。

 現地の生の声は分からないが関東は5車結束で小林泰正、坂井洋、吉田拓矢、吉澤純平、芦澤辰弘だと言う。5人で並ぶにはこれがベストの折り合いだが、成功するかは、全部、小林泰正にかかっている。

写真左から小林泰正、吉田拓矢、坂井洋

 過去の泰正のレースを見ても、1段ロケットでの成功率は少ない。昨年のグランプリシリーズでは佐々木悠葵を使い優勝。前橋記念では同期眞杉匠の番手で記念初V。ただ、今回の二次予選のレース(後ろが御大の武田豊樹)を見ても分かるように、関東のラインへの貢献度は少ない。大きな所で男になったのは弥彦記念決勝での諸橋愛の前で駆けた事ぐらいだ。

 とにかく2段駆けを成功させるには"邪念を捨てる事"だと思っている。少しでも残りたい気持ちがあれば失敗するのは、過去の膨大なレースを見てきた事からも分かる。

 泰正の場合は、その気持ちがあっても、超地脚と言うハンデがある。やはり引き出しをやるにはスプリンターの方が向いている。俗に「引き出し名人」とか「幸せ配達人」と言う言葉があるが、飯野祐太、藤井栄二、郡司浩平は上手い。関東なら長島大介も第一人者で、補充がノーカウントだった時代は、三住博昭も名人芸だった。

 郡司浩平は、北井佑季のG1優勝に貢献したが、今の実質S班と言う立場から、本人がやりたくても周りが許さない。競輪は全員が1着を目指すと言う前提があるし、アンチ2段駆けの新規ファンも多いからだ。

 群馬人としては、やすべい(木暮安由)が平原康多、神山雄一郎、武田豊樹が後ろでも失敗しているし、ラインに貢献した自力選手は矢口啓一郎が最後と言ってもいい。それぐらい、今回の泰正の走りは、今後の競輪人生がかかっていると言っても過言ではない。

 今の2段駆けは、前受けから突っ張りが主流。車番が大きく左右されるし、スタートで、ほぼ決まってしまう。誘導が早くなる前のルールだと、絶体に後ろ攻めが基本だった。その時代の北日本は前受け、中部や近畿は後ろからの作戦が主流だった。もちろん、イン切り役もいたから、今のレース形態とは大きく違う。

 賛否両論あるが、2段駆けの車券は売れるし、オッズも、それが1番人気になる。世間的に自己犠牲と言う言葉は死語になっているが、競輪界だけには、その精神が残って欲しいと思っている。頑張れ、泰正!

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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