2024/07/20 (土) 10:40 18
あの福井記念は、7、8年前だと思っていたが、調べてみたら僅か4年前。その頃の近畿には、まだ認める、認めない論争があったと思う。結論を先に言えば、脇本雄太の番手を、同県なのに伊原克彦が回れなかったレースだ。
メンバーは脇本雄太、村上義弘、松岡健介、東口善朋、伊原克彦と近畿は5車。もう、コロナ渦だったので7車で、他に高橋和也と坂口晃輔の中部コンビがいた。まだ、我々も検車に入り取材できたので、この1時間10分の長い話し合いを、遠巻きに見ていた。検車内の写真も撮影OKだったので、どこかに保存してあると思う。
一番最初に村上義弘が記者陣の前に現れ、苦笑いしながら、ひとこと「疲れました…」と言った言葉が印象的だった。結局、脇本雄太に松岡健介、東口善朋。中部は高橋和也に坂口晃輔。そして大人の対応をした村上義弘は伊原克彦に前を託した。ワッキーも当然、複雑な表情をしており、伊原克彦は目が真っ赤に充血していた。
結果はワッキーがジャン前から仕掛けて、ライン3人で独占。この厳しい選択をした松岡健介も、離れず2着で立派と言える。もし、ワンツーでなければ、一番批難を受ける立場だ。当時は東京オリンピックが1年延期になり、ワッキーが抜群に仕上がっている時期。みんなワッキーに付いて行けるかどうかが、問題になっていた。
個人的には"厳しい近畿の競輪"が大好きだった。競走得点でないものが、競輪にはある。古性優作が頂点にいれば、また、そんな競輪を魅せてくれるかもしれない。それだけ、古性優作と言う男に、僕は一番期待している。
町田洋一
Machida Yoichi
基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。