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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【日本選手権競輪予想】 うまくハマれば午前中で“勝ち確” 波乱含みの推奨穴レースは1Rと3R

2024/05/04 (土) 21:00 4

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
いわき平1R 日本選手権競輪(GI)S級選抜

①荒井崇博(82期=長崎・46歳)
②佐藤友和(88期=岩手・41歳)
③島川将貴(109期=徳島・29歳)
④坂口晃輔(95期=三重・36歳)
⑤橋本強(89期=愛媛・39歳)
⑥吉本卓仁(89期=福岡・40歳)
⑦皿屋豊(111期=三重・41歳)
⑧佐藤和也(95期=青森・44歳)

⑨松本秀之介(117期=熊本・23歳)

【初手・並び予想】
←⑨①⑥(九州)②⑧(北日本)③⑤(四国)⑦④(中部)

【注目のヨーロッパ】
④坂口晃輔

最終日に三重の同県コンビが波乱を演出する!

 まず狙っていくのが、最終日のオープニングカード。最終日の第1レースを走っているのだから、ここにデキのいい選手は一人もいない。どのラインが主導権を奪うのか非常に読みづらい一戦で、番手に①荒井崇がついた⑨松本秀が積極的に逃げそうな気はするが、それも実際にどうなるかは微妙なところ。順当に決まるケースはほぼ考えられない--といっても過言ではない、難解な一戦となった。

 人気はおそらく九州勢か、捲り強烈な③島川将が先頭を走る四国勢。しかし、肝心のデキがともなわないこのシリーズの③島川将だと、そうそう簡単には捲りきれないはずだ。そういう理由もあって、前受けからレースを組み立てられる九州勢の①荒井崇と⑥吉本卓が積極的に買われそう。とはいえ、こちらもデキについてはお世辞にもよくはないわけで、オッズほどには信頼できないと思われる。

 ならば、ここは同県コンビである⑦皿屋豊と④坂口晃を狙うのが面白そう。⑦皿屋豊は単騎戦でも奮闘していたように、ここに入った選手のなかでは調子がいい部類。その番手を回る④坂口晃も、2日目や4日目には悪くない走りをしていた。前を任された⑦皿屋豊としても、ダービー最終日に見せ場くらいは作りたいはず。後ろ攻めからの組み立てで九州勢を叩ききって、主導権を奪うケースだって考えられる。

 この展開で有利なのは、当然ながら番手を回る④坂口晃。スジである⑦④と④⑦からの車券はしっかり押さえる必要アリだが、スジ違いの車券で勝負する場合には、④坂口晃の「1着固定」がオススメだ。こちらは、④→①②③⑨から手広く流すカタチを推奨したいところ。組み合わせ次第では、かなりの高配当まで狙える。⑥吉本卓や⑧佐藤和は買いづらいので、ヨーロッパというよりも「④坂口晃を本線で狙う」といったほうが適切か。

坂口晃輔(写真提供:チャリ・ロト)

【予想レース②】
いわき平3R 日本選手権競輪(GI)S級特選

①高橋晋也(115期=福島・29歳)
②和田健太郎(87期=千葉・42歳)
③佐々木悠葵(115期=群馬・28歳)
④晝田宗一郎(115期=岡山・25歳)
⑤小松崎大地(99期=福島・41歳)
⑥片岡迪之(93期=岡山・37歳)
⑦宿口陽一(91期=埼玉・40歳)
⑧佐々木眞也(117期=神奈川・29歳)
⑨阿部力也(100期=宮城・36歳)

【初手・並び予想】
←①⑤⑨(北日本)⑧②(南関東)③⑦(関東)④⑥(中国)

【注目のヨーロッパ】
⑧佐々木眞也
⑥片岡迪之
④晝田宗一郎

うまくハマれば午前中で早々と勝利確定も!

 先ほどの第1レースとは違って、こちらはヨーロッパ「全体」が狙えそうな一戦。ここは地元・福島勢の①高橋晋がメイチで逃げて、その番手を回る⑤小松崎に展開が向きそう--というのが、一般的な見立てだろう。対抗馬となるのは、3日目にワンツーを決めている③佐々木悠と⑦宿口陽の関東ライン。おそらくは⑤⑨絡みと③⑦絡みの買い目が、人気上位を占めることになると思われる。

 しかし、3着、9着、9着という結果からもわかるように、このシリーズでの①高橋晋はハッキリとデキが悪い。積極的に主導権を奪い、ラインから勝者を出す走りに徹したとしても、早々と脚をなくして番手の⑤小松崎が早めに前へと踏む必要が出てきそうだ。いわき平でこの流れになると、その直後にいるラインのほうが展開有利。その位置でうまく立ち回れそうな⑧佐々木眞が、このレースのいちばんの狙い目だ。

 勝負どころを前に①高橋晋が脱落して、先頭から⑤⑨⑧②という隊列になれば、⑧佐々木眞が捲りきれる可能性は十分あるはず。南関東ライン番手の②和田健もかなり不調なので、この展開で⑧佐々木眞が差される可能性は低いとみている。スジである⑧→②からの買い目と、北日本勢とのスジ違いである⑤⑨=⑧から流す車券が、この決着パターンにおける本線である。

 そしてもう一つの狙い目が、④晝田宗が先頭の中国ライン。④晝田宗は一次予選ではいい走りをしていたし、二次予選や5日目での走りも着順ほど悪くはなかった。今回の相手関係ならば通用しておかしくないはずで、番手を回るのが同県の⑥片岡迪であるのも、最終日に気合い全開の走りをしそうな理由のひとつ。序盤の展開次第では、④晝田宗が腹をくくって主導権を奪いにくるケースも考えられる。

 この場合、絶好の展開に恵まれた⑥片岡迪が1着でゴールに飛び込み大波乱--といった結果もありうるはずで、こちらは⑥片岡迪からスジ違いを狙うのが本線に。④晝田宗が2着に粘るのはかなり厳しいはずで、あったとしても3着だろう。というわけで、こちらは⑥→①③⑤⑧から手広く流す3連単を推奨。うまくハマれば、午前中で今日の勝利を確定させてしまえる払い戻しを得られるかもしれない。

佐々木眞也(写真提供:チャリ・ロト)

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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