閉じる
山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【日本選手権競輪予想】「場外ホームランが飛び出す可能性もゼロではない」ムラが大きいから狙いたくなる4、8レースで大波乱注意報発動

2025/05/03 (土) 23:00 4

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。KEIRINグランプリを三度制した帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
名古屋4R 日本選手権競輪(GI)S級特選

①小川真太郎(107期=徳島・32歳)
②伊藤旭(117期=熊本・24歳)
③佐藤慎太郎(78期=福島・48歳)
④橋本強(89期=愛媛・40歳)
⑤三谷竜生(101期=奈良・37歳)
⑥町田太我(117期=広島・24歳)
⑦山田久徳(93期=京都・37歳)
⑧山岸佳太(107期=茨城・35歳)
⑨中本匠栄(97期=熊本・38歳)

【初手・並び予想】
←⑥①④(中四国)②⑨(九州)⑤⑦(近畿)⑧③(混成)

【注目のヨーロッパ】
⑥町田太我
④橋本強

この⑥町田太我は「狙っていいほう」の町田太我だ!

 コレという中心を欠くメンバー構成で、しかも四分戦。最終日の第4レースらしく、デキがいいといえる選手は見当たらない。人気しそうなのは、②伊藤旭が先頭の九州ラインや⑤三谷竜が先頭の近畿ラインだと思われるが、だからといって自信をもって買えるような仕上がりにはなく、強調材料に欠ける。どちらもここは「中団が欲しい」と考えるはずで、意外に動きが乏しい展開となる可能性もありそうだ。

 ならば、ここは積極的に主導権を奪うであろう⑥町田太に注目したい。このコラムの「常連」的な存在なのだが、それは走りのムラが大きいからにほかならない。人気になるならば嫌いたくなるし、人気薄ならば狙いたくなるというのが、いまの⑥町田太なのである。一次予選で敗れて勝ち上がりを逃すも、3日目の負け戦では強い内容で逃げ切っているように、調子はけっして悪くない。

 問題は初手での位置取りがどうなるかだが、この組み合わせならば前受けからの突っ張り先行で“数の利”を生かす手もあるし、初手5番手から⑧山岸佳に前を斬らせて、続いて動く手もあるはず。いずれにせよ、②伊藤旭や⑤三谷竜が積極的に仕掛けてくる可能性が低そうなここは、自分のやりたいレースをさせてもらえる可能性が高い。そのわりには人気がなく、スジ決着でもいい配当が期待できそうな雰囲気だ。

 当然ながら①=⑥からのフォーカスが本線となるが、⑥町田太の脚が早めに鈍った場合は、①小川真が迷わず前に踏んでの①→④もありそう。捲る②伊藤旭や⑤三谷竜をどこまで拾うかはオッズ次第だが、九州ラインと近畿ラインは「あって2着まで」という前提で、買い目を構築したい。⑧山岸佳が先頭の混成ラインは、デキや車番、展開などから、上位への食い込みは厳しいとみている。

 手広くいった場合の買い目を具体的にあげるならば、3連単「①⑥→①②④⑤⑥→①②④⑤⑥⑦⑨(40点)」となるか。絞るならば、1〜2着を①=⑥と①→④の3パターンに限定して、そこから手広く流すカタチを推奨する。この2車単3点で勝負するのも悪くない選択肢で、3着が②⑤⑦⑨の3連単を買うならば、こちらのほうが高回収率となるケースもありそう。直前のオッズを、しっかり確認していただきたい。

町田太我(撮影:北山宏一)

4Rのプロ予想を見る

【予想レース②】
名古屋8R 全日本選抜競輪(GI)S級優秀

①寺崎浩平(117期=福井・31歳)
②山口拳矢(117期=岐阜・29歳)
③山崎賢人(111期=長崎・32歳)
④守澤太志(96期=秋田・39歳)
⑤和田健太郎(87期=千葉・43歳)
⑥石原颯(117期=香川・25歳)
⑦村田雅一(90期=兵庫・40歳)
⑧山崎芳仁(88期=福島・45歳)
⑨荒井崇博(82期=長崎・47歳)

【初手・並び予想】
←①⑦(近畿)②(単騎)③⑨(九州)⑥⑧④(混成)⑤(単騎)

【注目のヨーロッパ】
⑥石原颯
⑧山崎芳仁
④守澤太志

デキ絶好の⑥石原颯は絶対に軽視禁物!

 準決勝でファンの期待を集めるも、後方からの捲り不発で勝ち上がりを逃した①寺崎浩。負け戦のここならば--とばかりに、かなりの人気に推されそうだ。また、5日目にいずれも1着をとっている③山崎賢と⑨荒井崇の長崎コンビも、相応に買われること間違いなし。三分戦で単騎が2名というメンバー構成ながら、⑥石原颯が先頭の混成ラインは、ファンから「完全に劣勢」と見なされそうだ。

 しかし、①寺崎浩の捲り不発は、デキがいまひとつであるのも理由だろう。能力的にはいつビッグを獲ってもおかしくないレベルだと思うが、それでもデキがともなわねば、強い相手に勝つことはできない。そして、ここは負け戦とはいえ、後方からのひと捲りでねじ伏せられるようなメンバーでもない。準決勝のようなレースをすると、再び不発に終わる危険性が大いにあるとみている。

 そんな①寺崎浩とは対照的に、間違いなくいいデキなのが、2日目、3日目と連勝している⑥石原颯だ。準決勝では後方に置かれて見せ場なく終わったが、このデキならば最終日に巻き返してきて不思議なし。「ヨーロッパ」で固められた不人気ラインながら軽視は禁物で、番手が⑧山崎芳、3番手が④守澤太と他地区であるここは、主導権を奪いにいかず中団で立ち回ってくる可能性もある。

 ③山崎賢が逃げて⑥石原颯が中団、①寺崎浩が後方という展開にでもなればしめたもので、早めに踏みそうな⑨荒井崇を捲りきっての⑥=⑨や、番手の⑧山崎芳を連れてきての⑥=⑧など、高配当を期待できそうな決着の期待大。①寺崎浩が主導権を奪った場合でも、中団からの仕掛けで前が2車ならば捲れそうだ。「ヨーロッパで確定板を独占」という場外ホームランが飛び出す可能性も、ゼロではない。

 ⑥石原颯が主導権で、⑧山崎芳や④守澤太が上位に食い込むパターンもなくはないが、やはりここは中団で立ち回ってほしいもの。よって本線には、①⑦=⑥や⑥=⑨から流すフォーカスを設定する。点数を増やしていいならば、「⑥=①⑦⑧⑨」から手広く流す3連単で、超大物を仕留めにいくのも面白いだろう。ここでシリーズの勝ちを確定させ、気持ちに余裕をもって決勝戦に臨めれば、言うことなしだ。

石原颯(撮影:北山宏一)

8Rのプロ予想を見る

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

閉じる

山田裕仁コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票