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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【高松宮記念杯競輪予想】三者三様の単騎勝負に波乱の予感! 妙味あり車券は「スジ違い」2、5レースで大波乱注意報発動

2025/06/21 (土) 22:25 0

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。KEIRINグランプリを三度制した帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
岸和田2R 高松宮記念杯競輪(GI)S級一般

①伊藤旭(117期=熊本・25歳)
②村上博幸(86期=京都・46歳)
③青野将大(117期=神奈川・30歳)
④菊池岳仁(117期=長野・25歳)
⑤小岩大介(90期=大分・41歳)
⑥松坂洋平(89期=神奈川・42歳)
⑦窓場千加頼(100期=京都・33歳)
⑧内藤宣彦(67期=秋田・54歳)
⑨東口善朋(85期=和歌山・45歳)

【初手・並び予想】

←④⑧(混成)⑦②⑨(近畿)①⑤(九州)③⑥(南関東)

【注目のヨーロッパ】
⑧内藤宣彦
⑥松坂洋平
④菊池岳仁

積極的に攻める④菊池岳を基軸としたヨーロッパ狙い!

 最終日の第2レースなので、調子のいい選手など一人も見当たらない、いかにも難解な一戦。唯一の3車ラインとなったことや、先頭が⑦窓場千であることなどから近畿勢が人気を厚めそうだが、オッズほどに信頼が置けるかといえば、かなり微妙なところだ。ここまで4走して「すべて9着」という結果をみてもわかるように、このシリーズでの⑦窓場千は絶不調モード。まったく信頼できないといっても過言ではない。

 デキが悪いのは①伊藤旭や③青野将、④菊池岳といった他のラインの先頭も同じではあるのだが、それならば人気のラインではなく、「展開次第で上位食い込みが可能な人気薄のライン」を狙ったほうがいい。後方に置かれる展開にでもなれば、近畿勢は捲り不発が濃厚。九州勢も相応に人気を集めそうだが、ライン先頭である①伊藤旭のデキを考えると、こちらも信頼は置けない。「前」重視で車券を組み立てるべきだろう。

 そこで注目するのが、スタートが速く、4番車からでも前受けが可能な④菊池岳だ。積極的に主導権を奪って粘りきれるような状態にはないが、それでも中団〜後方から捲る組よりも、幾分かは期待できる。少なくとも、連係する⑧内藤宣の上位食い込みをアシストするのは可能なはずである。捲りではなく先行ならば、即席コンビを組む⑧内藤宣も、④菊池岳から離されることなくついていける。

菊池岳仁(撮影:北山宏一)

 この決着パターンで④菊池岳が残せる可能性はかなり低いので、⑧内藤宣からの「スジ違い」が本線となる。具体的には3連単「⑧=①③⑦→①②③⑤⑥⑦」の30点あたりが推奨買い目となりそうだ。⑧内藤宣が1〜2着ならば配当はかなりハネるはずで、この程度の点数を買っても、それに見合うだけのリターンが十分に得られると予測。補充で走る54歳の「気合いの一発」に期待する。

内藤宣彦(撮影:北山宏一)

 また、自分が本調子にないのは④菊池岳もわかっているので、後ろ攻めとなりそうな③青野将を前に出して、3番手からの勝負を仕掛けてくる可能性もありそう。先頭から③⑥④⑧で勝負どころを迎えるようなカタチに持ち込めれば、「ヨーロッパ高配当」の期待度はかなりアップする。このパターンだと1着候補は⑥松坂洋で、買い目は「⑥→③④⑧→①③④⑦⑧」の12点が本線となるか。

松坂洋平(撮影:北山宏一)

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【予想レース②】
岸和田5R 高松宮記念杯競輪(GI)S級選抜

①志田龍星(119期=岐阜・27歳)
②井上昌己(86期=長崎・45歳)
③長島大介(96期=栃木・35歳)
④志智俊夫(70期=岐阜・52歳)
⑤佐々木眞也(117期=神奈川・30歳)
⑥隅田洋介(107期=岡山・37歳)
⑦山田英明(89期=佐賀・42歳)
⑧吉田有希(119期=茨城・23歳)
⑨椎木尾拓哉(93期=和歌山・39歳)

【初手・並び予想】
←①④(中部)⑧③(関東)⑦②(九州)⑤(単騎)⑥(単騎)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④志智俊夫
⑧吉田有希
⑥隅田洋介

中部2番手の④志智俊から「スジ違い」を狙う車券に妙味あり!

 三分戦ながらどのラインも2車で、単騎勝負を選んだ選手が3名もいるという、マギレのある結果となってなんの不思議もない一戦。主導権を争うのは、中部ライン先頭の①志田龍と関東ライン先頭の⑧吉田有だが、ここは車番に恵まれた①志田龍が積極的なレースを仕掛けてくる可能性が高い。九州勢の先頭である⑦山田英は、中団でうまく立ち回るレースで勝負してくることだろう。

 面白いのが、初手で関東勢が前のポジションを狙ってきた場合だ。このレースでの後ろ攻めは、①志田龍が前受けから突っ張った場合に、無駄な脚を使わされることになるかもしれない。車番通りならば関東勢が後ろ攻めだが、それを避けようと初手で③長島大が②井上昌の前に出て、九州勢が後ろ攻めのカタチを作ろうとしてくる可能性は十分ある。これだけで、九州勢はかなり苦しくなるはずだ。

志智俊夫(撮影:北山宏一)

 単騎勢がどう動くかはさすがに読みづらいが、①志田龍の主導権で3番手に⑧吉田有という、前から「①④⑧③」という隊列で勝負どころを迎えられると、ヨーロッパ穴車券的にはかなりアツい。単騎勢が動いてくることなどで、道中で①志田龍が脚を使わされているならば激アツだ。ここは、人気の①=④のスジ車券ではなく、④志智俊から別ラインや単騎勢への「スジ違い」を狙う車券に妙味ありとみた。

吉田有希(撮影:北山宏一)

 最高形は④=⑧からのフォーカスだが、中団から捲った⑧吉田有が1着での⑧→③から別ラインや単騎勢に流す買い目も、意外にいい配当になるのではないかと予測。⑦山田英が先頭の九州勢の評価を割り引くだけでも、合成オッズや期待値はかなりの向上が見込める。単騎の⑥隅田洋も買えなくはないが、このシリーズでの内容は目立たず、あまり食指が動かない。こちらは、2〜3着候補のヒモで押さえる程度が適切か。

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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