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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志と仲間】自転車を楽しむ仲間が増えた喜び! 久しぶりの弟子との食事では「昭和のトレーニング」談義に

2024/04/21 (日) 18:00 11

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。桜の季節も終わり、初夏の雰囲気が漂ってきましたね。気持ちいい季節になりました。

 今回は何度もこのコラムに登場しているキッチンカー『輪蛸』の神村さんがロードレーサーを買い、白井一機さんがマンツーマンでの自転車教室を開いたことと、弟子の泉谷元樹君と久々に食事をしたことを書こうと思います。

キッチンカー『輪蛸』の神村さん(左)と白井一機選手(本人提供)

キッチンカーの神村さんが自転車デビュー

 競輪場でキッチンカーを出している神村さん。自転車は身近だったと思いますが、競技用自転車に乗るのは初めてでした。どうして興味を持ったかというと、神村さんは小学生から高校生までの学生にテニスを教えていて、生徒の中にインターハイを狙えるくらいの将来有望な男子選手がいるのだそう。ハイレベルな選手を指導するためには自分自身の下半身強化が必要と考えて、自転車トレーニングにたどり着きました。

(本人提供)

 そんな神村さんに豊橋競輪場に来てもらい、白井さんがレクチャーすることになりました。白井さんは「豊橋グランプリレーサー育成プロジェクト(T-GUP)」で初心者に教えるための講習を受けており、今回の指南役を「ぜひやりたい」と言ってくれました。

 神村さんは、自分で選んだ新品のロードレーサーを携えて競輪場にやってきました。ですがシューズの選び方やヘルメットの調整がわからず、困っている様子でした。白井さんが手取り足取り教えて、無事に練習前の準備ができました。

(本人提供)

あわや池ポチャ!? 意外と難しい急ブレーキ

 まずはバンクの内側で急ブレーキの練習です。神村さんが挑戦すると、タイヤがロックされて、あやうく競輪場内の池に落ちそうになってしまいました。簡単そうに見えるかもしれませんが、ロードレーサーを思いどおりに制御するのは意外と難しいのです。

(本人提供)

 次は8の字走行をしながら、地面に置いたペットボトルを拾う練習です。運動神経がいい神村さんでも、なかなか手を離すことができず、ペットボトルを拾えませんでした。乗り慣れない自転車で手を離すのは怖いものです。しかし何度も繰り返すうちに、自転車の扱い方もうまくなり簡単に拾えるようになっていきました。

 最後のステップは、バンクの傾斜があるところを走ること。普段は選手が走っているバンクを、神村さんが風を切って楽しそうに走っている姿を見て、白井さんは嬉しそうでした。動画撮影をしていた私自身も自転車の楽しさが伝わってほしい、風を切る気持ちよさを感じてもらいたい、と思っていたので嬉しかったです。

笑顔でバンクを走る神村さん(本人提供)

自転車の楽しさ分かち合える仲間が増えた

 バンク練習の後は室内で、アスリートがトレーニングに取り入れているパワーマックス(固定式のエアロバイク)で体を限界まで追い込みました。神村さんは「想像以上にきつい」と言いながらも、足が張り裂けそうな痛みを「気持ちいい」と言ってその場に倒れ込みました。ドMなのかもしれません(笑)。この様子はYouTubeにアップしているので、ぜひ見てください。

体を追い込む自転車トレーニングは神村さんにとって「気持ちいい」そう(本人提供)

『テニス指導のための下半身強化』という明確な目的がある神村さん。練習中の顔つきは真剣そのものでした。今では一緒にロードトレーニングができるようになっています。私の後ろをついてきてもらい、加速しながら山道を登りました。きつめのメニューだったので「大丈夫かな?」と思いましたが、無事に登り切ることができました。

 神村さんは山から浜名湖を見おろしながら「この達成感がいいですね」と言っていて、自転車の魅力を共有できる仲間が増えたことを本当に嬉しく思いました。

早くも自転車の魅力にやみつき!(本人提供)

今はロードにうってつけの季節

 バンクでの練習を撮影しているときから、神村さんがどんどんロードレーサーに慣れて上達していくのを感じて、私自身も楽しかったです。反復練習の大切さを見直すきっかけにもなりました。弟子の育成とも似ていますが、できなかったことができるようになると本人も嬉しいでしょうし、教える側も楽しく、喜びを感じられます。

 競輪選手の練習法は人によってさまざまですが、私は気分転換を兼ねて景色のいいところを選んでロードトレーニングをすることがあります。競輪場で乗るのとは違う自転車で、アップダウンがある道を走ることで得られる感覚もあります。暖かい春はロードに出るには一番いい時期ですよ。このコラムを読んでくれている方にもぜひおすすめしたいです。

(本人提供)

弟子の泉谷元樹君と久しぶりのサシ飯

 話は変わって、弟子の泉谷君との話をします。二人で外で食事をするのは久しぶりでした。以前は豊橋で一緒に練習していましたが、彼は今、実家のある一宮で練習しているので、なかなか食事をする機会がなかったのです。

 選手同士の食事といえば、定番の焼き肉です(笑)。二人で30人前以上食べたと思います。食べながら、“昭和のトレーニング”である山でのタイヤ引き(自転車にタイヤをくくりつけて漕ぐトレーニング)の話で盛り上がりました。

“力持ち”の泉谷選手はとにかくよく食べる!(本人提供)

“昭和のトレーニング”からハイテク路線に!?

 泉谷君はパワーリフティングからの転向で、世界大会にも出たことがある“力持ち”。昔はよく山でタイヤ引きをしていました。先日、私がその山でトレーニングしていると、知らないおじいさんに「いつもタイヤを引いていた子はどうしてるの?」と聞かれたのです。「今は実家の方で頑張っていますよ」と答えました。自分では見られていないと思っていても、気にかけて応援してくれている人がいたと知り、とても嬉しく思えました。

 今もタイヤ引きをやっている人はいると思いますが、山でやるのは相当のドMでしょう(笑)。そんな泉谷君も、今はZwiftなど流行りのトレーニングを取り入れているそうで「ハイテクなトレーニングに切り替えました」と笑っていました。たまには“昭和のトレーニング”も刺激的でいいんじゃないか!? などと話して笑いが絶えない時間になりました。

(本人提供)

 色々な話をするうちにあっという間に時間が過ぎ、焼き肉のあとは喫茶店へ場所を移して話がつきませんでした。今は“ハイテク路線”となった泉谷君、得意のウエイトトレーニングと持ち前の体力で、もうひと花咲かせてほしいと思います。

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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