2024/03/06 (水) 12:00 35
松山競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪「開設74周年記念 金亀杯争覇戦(GIII)」が3月7日から10日の日程で開催される。今回のポスターの通り首を長くして、ながーくして、待っていたシリーズだ。今回のコラムはもう、出場選手を列挙するだけで成立しそうだ。
脇本雄太(34歳・福井=94期)、古性優作(33歳・大阪=100期)、深谷知広(34歳・静岡=96期)の3人の名前をタイトルの長さの都合で出しているわけだが、新山響平(30歳・青森=107期)、佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)とS班は5人(新山選手、佐藤選手、タイトルに挙げておらす、すみません)。
出場選手を見ただけでも、「ウソやろ…」と手が震える。本当に、名前を挙げるだけで足りると思う。とはいえ、浦山一栄(52歳・東京=72期)なら知っている。善方政美(引退=82期)しか知らない…というファンも現在は多いので、脇本や古性についても書いていきたい。
普段は近畿ラインとして連係する脇本と古性だが、2月の奈良記念(春日賞争覇戦)では初日特選と決勝で別線勝負になった。基本的にはラインで別線はやりたくないし、GIならまた別で、舞台によっての判断があった。
決勝で古性は脇本を突っ張り切った。南修二(42歳・大阪=88期)のブロックとともに、脇本を粉砕した。「脇本さんとの勝負だと思っていた」が古性の振り返りだ。レースの流れで見ても、あの位置で脇本を出すと優勝は遠ざかる。初日は完敗している。
今、並べば最強と言われる2人の間柄だが、古性は脇本とぶつかり合うことを求めた。勝負師、またアスリートとしての本能だろう。脇本としては「近畿の仲間は俺のことを知り抜いているので、やりづらい…」と苦しい戦いになりがちで、決勝は敗戦…。
いつもならタッグを組む2人が、敵として戦いあった、そのすぐ後のこと…が松山で起きる。贅沢な話がある。この2人がいるだけでも、なのに、今回の松山はとどまらない。坂の上の雲が、湧き起こる。
地元四国勢は犬伏湧也(28歳・徳島=119期)を核弾頭に据え、松本貴治(30歳・愛媛=111期)、佐々木豪(27歳・愛媛=109期)、渡部哲男(44歳・愛媛=84期)、橋本強(39歳・愛媛=89期)と愛媛の実力者が揃う。
嘉永泰斗(25歳・熊本=113期)、荒井崇博(45歳・長崎=82期)、そして中川誠一郎(44歳・熊本=85期)と九州も進軍。おなかいっぱいになりそうなところ、北井佑季(34歳・神奈川=119期)って、とんでもねえよ!!!
名前を挙げるだけでも成立するコラムがある。
ワッキー、古性対深谷、新山、犬伏でも豪華なのに、そうじゃない。現在の競輪界には、実力と魅力を備えた選手が本当に多い。初日特選が待ち遠しく、当方の首も伸びるばかりだ。車券的にはかなり難しいので、首を洗って松山に向かおうと思う。
そんな豪華メンバーのシリーズに、123期のルーキーチャンピオンレースが組み込まれている。正直、123期は他の期に比べて、爆発的に活躍している選手はおらず、現在の上位陣に食い込んでいけるのか…はちょっと薄い。
しかし、今回は心に火をつけるチャンス。若鷲たちが目覚めるきっかけになるだろう。
黒瀬浩太郎(24歳・広島=123期)は高校時代から名前が挙がっていた注目株だ。ちょっとメンタルの弱さが…これは本人も口にすることだが、やわい性格なのが気になるところ。短い時間ではあるが、シリーズの中で強烈に刺激を受けて、覚醒することに期待したい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。