2025/07/30 (水) 12:00 24
富山競輪場で7月31日〜8月3日の4日間、「開設74周年記念 瑞峰立山賞争奪戦(GIII)」が開催される。29日には小堀敢太(25歳・北海道=125期)が125期として8人目のS級特進を決めた。今シリーズには山崎歩夢(20歳・福島=125期)がいるわけだが、若手の勃興は著しい。
菊池岳仁(25歳・長野=117期)も117期の早期卒業生として華やかにデビューした男。一緒に早期卒業した寺崎浩平(31歳・福井=117期)に水をあけられているものの、ポテンシャルはまだ計り知れない。寺崎よりヨコの適性が元々あると思うと、やはり計り知れない。
ずっと積極策で攻め続けている。2022年にはヤンググランプリ優勝の実績もある。今、さらに下の期が出てきてまさに踏ん張り時だ。富山は2023年の全プロで1キロメートルタイムトライアルとチームスプリントの2冠に輝き、古性優作(34歳・大阪=100期)と清水裕友(31歳・山口=105期)から“タケちゃんポーズ”を伝授されたほどだ。
勢いある関東の中にあって、主役の座を狙っていい。
追加という形でも山口拳矢(29歳・岐阜=117期)の名前があってよかった。中部地区の大エースとして、何より、中部が低迷していると言われて悔しい思いをしている中部のファンのためにも、もう一度の活躍が求められている。
菊池が2冠の際の全プロでのケイリン優勝者。富山が似合う男だ。記念決勝での奮闘の姿も記憶に残っている。地元の村田祐樹(26歳・富山=121期)も元気なところを取り戻しており、中部大結束を見たい。
藤井侑吾(30歳・愛知=115期)も富山は得意バンクで、纐纈洸翔(23歳・愛知=121期)もヤンググランプリ優勝の勢いを取り戻したい。今期からS級に上がり、川崎でS級初勝利を挙げた佐藤竜太(24歳・愛知=119期)も期待を集める。
S班は犬伏湧也(30歳・徳島=119期)一人になる。松本貴治(31歳・愛媛=111期)とのタッグは強烈の一語に尽きる。2人の世界を演じ切って、どちらもがGIを取るのがふさわしい男として印象付けるか。
犬伏は玉野サマーナイトフェスティバル(GII)で二次予選敗退。あまり見せない険しい表情を見せていた。しかし、残りの敗者戦2走はきっちり白星を並べた。4月高知記念(よさこい賞争覇戦)で初日特選で落車しつつも、残り3走を戦い抜いたように精神力の向上は明らかだ。
美しくも険しい立山連峰が見守る戦い。連峰の挑むのは山伏、競輪界の頂に挑むのは犬伏。ホタルイカのように輝く瞳を備えた笑顔は、酷暑の夏に一服の清涼剤となるだろう。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。