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すっぴんガールズに恋しました!

【競輪祭女子王座戦予想】最後のグランプリ切符かけた一戦! 出場権争いと選手の近況をチェック

アプリ限定 2023/11/19 (日) 16:30 25

小倉競輪場で11月21日から26日まで開催される「競輪祭」。その期間中に行われるガールズケイリンの新設GI「競輪祭女子王座戦」について、レースの見どころや注目選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。

グランプリ出場権と高額賞金かかる新設GI

 今年から新設された第1回・競輪祭女子王座戦(GI)が11月21日に開幕する。優勝者には賞金490万円(副賞含む)とグランプリ出場権が付与される。決勝2着でも209万円(副賞含む)、3着でも124万円(副賞含む)と高額賞金が付いてくるだけに、12月29日に行われるガールズグランプリ2023(立川)出場争いに大きな影響を与える大会となりそうだ。

 6月パールカップ優勝の児玉碧衣、10月オールガールズクラシック優勝の佐藤水菜の2人はガールズグランプリ出場が確定。賞金ランキング1位の久米詩と3位尾方真生もほぼ出場が決定的だ。次にボーダーラインの選手の状況を振り返ってみよう。

 今回のGIで上記の“権利持ち”選手が優勝すれば吉川美穂、石井寛子、坂口楓華の3人がガールズグランプリ出場となる。

 現在の賞金ボーダー圏外から優勝者が出た場合、4位吉川美穂、5位石井寛子、6位坂口楓華の3人から2人が出場となる。
(※吉川美穂、石井寛子、坂口楓華の無事故完走、失格などによる途中欠場がない場合)

 昨年まで行われていたグランプリトライアルはアメジスト、トパーズと2人の優勝者がいたが、今年からの競輪祭女子王座戦の優勝者は1人だけ。初日に予選4個レース。2日目に準決2個レース、最終日に決勝戦が争われる。自動番組で行われたオールガールズクラシックと違い、今開催は番組編成による手動番組で行われる。

中心となるのはやはり“世界のサトミナ”

佐藤水菜(撮影:北山宏一)

 シリーズをリードするのは佐藤水菜。10月松戸で行われたGI・オールガールズクラシックは衝撃的だった。予選は打鐘過ぎからカマシ先行。準決は最終2角5番手から4車並走の1番外を大まくり。決勝は大雨が降り続くバッドコンディションの中、最終2角6番手から豪快にまくって1着と強さを示した。3連勝の完全優勝で第1回のオールガールズクラシックを制し、すでに12月29日に行われるグランプリ出場権はゲットしている。

 今回はGI連覇を目指して競輪祭・女子王座戦に入ることになるが、佐藤は小倉バンクが得意だ。初出場の18年11月のグランプリトライアルで準優勝、20年11月、22年11月のグランプリトライアルは優勝してグランプリ出場権をゲットと結果をきっちり残している。今年は5月の普通開催でも走っていて、もちろん3連勝の完全V。ここでも優勝できればグランプリ本番での1枠も決定する。来年のパリ五輪のメダル候補がガールズケイリンでも主役を務める。

児玉碧衣の“大胆な攻め”に注目

児玉碧衣(撮影:北山宏一)

 児玉碧衣には地の利がある。2018年から2022年まで行われたグランプリトライアルは4回優勝(2018年、2020年から2022年)、準優勝1回と相性抜群だ。

 昨年末はガールズグランプリ(平塚)で落車し、左鎖骨を粉砕骨折。1月末の久留米から復帰後も思い通りの成績が出ず苦しんだが、休まず走り続けて調子を上げてきた。6月にはガールズケイリン初のGI・パールカップ(岸和田)を優勝。8月には7年連続ファン投票1位で選ばれたガールズケイリンコレクション・ドリームレース(西武園)を優勝と結果を出し、“完全復活”をアピールした。

 10月のGI・オールガールズクラシック(松戸)は佐藤水菜にまくられて4着に敗れたが、積極的に攻める姿勢は大いに光った。今回は地元九州地区で開催されるG1戦。いつも以上の集中力と大胆な攻めで競輪祭・女子王座戦のタイトルゲットを目指す。

グランプリ“ほぼ当確”の3名

 今年のグランプリ出場権は前記のGI優勝2人は決定。獲得賞金額での出場がほぼ決定しているのが久米詩、吉川美穂、尾方真生の3人だ。

久米詩(撮影:北山宏一)

 久米詩は5月にガールズケイリンコレクション(平塚)、7月にガールズケイリンフェスティバル(函館)とビッグレースを立て続けに優勝。普通開催でもコンスタントに優勝して賞金ランキング1位で小倉へ乗り込む。グランプリ初出場へ競輪祭女子王座戦の優勝で弾みを付けたい。

 ビッグレースでも強さを見せているのは吉川美穂。今年のガールズケイリンフェスティバル、オールガールズクラシックで続けて準優勝と、賞金ランキング4位でグランプリ初出場はほぼ確定的だ。

吉川美穂(撮影:北山宏一)

 2021年5月デビューの120期生で、デビュー年の10月大宮で落車し背骨骨折、肺挫傷の大けがを負ったが、昨年は優勝13回、今年もここまで優勝11回とガールズケイリンへの順応性を発揮した。中距離種目で鍛えたレースセンスが抜群。好位確保からタテ脚勝負でGI初優勝を目指す。

尾方真生(撮影:北山宏一)

 尾方真生は休まずレースに参加してコツコツと賞金を積み上げた。賞金ランキング3位で2021年静岡から3年連続のグランプリ出場がほぼ決定。あとはタイトル奪取の期待が懸かる。近況は競走が続いてレースが小さくなっているだけに、この競輪祭女子王座戦では大胆に攻める尾方を見てみたい。

11年連続出場かかる石井寛子

 石井寛子は2013年のデビュー以来10年連続でガールズグランプリ出場中。11年連続出場へ競輪祭女子王座戦が勝負駆けとなる。今年のビッグレース優勝は8月のガールズケイリンコレクション・アルテミス賞(西武園)だけと少し物足りない。賞金ランキングは5位で、まずは自分自身が決勝に乗ることが重要。前身のグランプリトライアルは苦手としていたが、大会名称が変わっただけに、GIタイトル奪取でグランプリに弾みを付けたい。

石井寛子(右)と坂口楓華(撮影:北山宏一)

 坂口楓華はグランプリ出場のボーダーラインで開催に入る。彼女より賞金ランキング下位の選手が競輪祭女子王座戦で優勝した場合は、30,500円差の石井寛子を抜かなければならない。坂口が自分自身でできることはこの大会を制すること、または1円でも多く稼いで石井寛子をまくること。あとは結果待ちの状況になってしまう。

 11月7日付けで京都支部から愛知支部へ移籍。心機一転、愛知の坂口楓華として競輪祭女子王座戦を優勝。胸を張ってグランプリへ向かいたいはずで、気合は誰よりも入っている。

地元でのグランプリ出場目指す小林莉子

 ここから紹介するメンバーは優勝だけがグランプリ出場への道だ。

小林莉子(撮影:北山宏一)

 小林莉子は優勝ならもちろん、わずかながら決勝2着でもグランプリ出場の可能性を残している状態。今年は6月のGI・パールカップ決勝で落車し、頭を強く打って不安もあったが戦列復帰後はコンスタントに決勝進出を積み重ねている。

 11月に入ると平塚、弥彦で連続優勝。賞金を上積みして小倉に入る。今年のグランプリ開催地は小林莉子のホームバンク立川であるだけに、出場へかける思いはかなり強い。的確な位置取りからの差し脚発揮で2年ぶりのグランプリ出場を狙う。

一発逆転狙う昨年GP覇者・柳原真緒

 昨年のグランプリ覇者・柳原真緒。今年の不振は体調不良のダメージが大きかった。欠場期間もあったため出走本数も少なく、賞金が稼げていない。“新女王"のプレッシャーも大きかったのだろう。今大会は開き直った走りで柳原らしさを発揮してもらいたい。

柳原真緒(左)と山原さくら(右)

 気配上向きで小倉に入るのは山原さくら。直前の川崎は好位確保からまくりで優勝。尾方真生の追撃を振り切った。小倉はコロナ禍以前の練習場所でバンク相性◎の追い風もある。一撃必殺のカマシまくりは強烈。そして10月のオールガールズクラシック初日のティアラカップのように逃げても強いのが山原の強みだ。

脚力上位のナショナルチーム勢

 前記の佐藤水菜と同様にナショナルチームの一員としてパリ五輪出場を目指して奮闘中の太田りゆ、梅川風子も見逃せない。太田は今年に入ってから凡走が少なく、狙いを定めてのまくりカマシは強烈。グランプリ出場へ自慢のダッシュ力を遺憾なく発揮する。

太田りゆ(左)と梅川風子(撮影:北山宏一)

 梅川は大会相性の良さが抜群。前身のグランプリトライアルは2018年、2019年に優勝の実績があるだけに侮れない存在だ。

昨年苦杯なめた尾崎睦はリベンジ狙う

 尾崎睦はリベンジマッチ。昨年は賞金上位に位置しながら、失格2回のペナルティでグランプリ出場権を喪失した。グランプリトライアルを優勝しても、グランプリ本番を走れないという厳しい状況のなか、3日間走り抜いた。

尾崎睦(撮影:北山宏一)

 今年は1、2月の配分停止期間、復帰後はレース勘のズレと波に乗れない期間もあったが、少しずつ調子が上向いてきた。直前の豊橋2日目にはガールズケイリン史上6人目となる通算400勝も達成。今年こそ優勝して5年ぶりのグランプリ出場を果たしたい。

※賞金順位および成績は11/19時点

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松本直

千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。

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