アプリ限定 2021/05/04 (火) 18:00 12
日本選手権競輪(GI)3日目に行われるガールズケイリンのビッグレース『ガールズケイリンコレクション2021 京王閣ステージ』。 同レース出場選手の近況やレースの"みどころ"をデイリースポーツの松本直記者に届けてもらいました! 予想を固める前に要チェックです!
今年第2弾となる「ガールズケイリンコレクション2021 京王閣ステージ」が日本選手権3日目(5月6日)12Rで開催される。このコレクションは2020年8月〜10月の競走得点上位42人を3つのグループに分け、2021年1月にトライアルレースを取手競輪、平塚競輪にて開催。
各トライアルレースの1、2着と3着の選考順位上位1人が出場権利を獲得した。サバイバルレースを勝ち上がった7人のぶつかり合いは激しくなること間違いなしだ。(※細田愛未は家事都合欠場となり、石井貴子が繰り上がり出場となった)
レースの中心になるのは児玉碧衣。1月別府トライアル優勝で出場権利を獲得。今年はここまで3月松阪のコレクション優勝を含めて、24走して22勝。2着2回と圧倒的な戦歴を残している。
4月、豊橋を腰痛で欠場したが、直後の小倉で3連勝。予選1で上がりタイム11秒6をたたき出しているので、腰の痛みによる不安は解消していると見ていいだろう。
京王閣競輪は4回目の参戦。このバンクでは優勝実績がないことがやや気掛かりだが、圧倒的な実力を見せつけている今、重箱の隅をつつくような話かもしれない。今年に入り多用しているロングスパートを主戦法にして、積極的な組み立てを披露するはずだ。京王閣初優勝、コレクション5回目の制覇を狙っているだろう。
尾崎睦は2020年3月福井以来のコレクション参戦。1月地元平塚で開催されたトライアルを優勝して、出場権をつかみとった。ここ2年はグランプリに出場できず、悔しい思いをすることが多かった。トライアル優勝後の2月はあっせんしない処置で1ヶ月の休みがあり、練習はバッチリ追い込んだことだろう。選考順位の関係で児玉碧衣の隣枠2枠をゲットできたのも追い風になる。枠の利点を生かした組み立てで、初のコレクション制覇へ挑む。
久米詩は2021年の注目選手の筆頭かもしれない。2020年11月の「ガールズフレッシュクイーン」を優勝。同月の「グランプリトライアル」に繰り上がり出場と良い波に乗り、存在感を見せつけている。今年に入り、1月取手トライアルは高木真備、石井貴子、小林莉子といった強敵を撃破しての優勝、内容にも価値が見て取れる。
2月小倉で落車をしたが、その後も休まずレースに参加しているだけに、状態は問題ない。Sの速さが武器で、どの位置からでも勝負できる自在性が持ち味。116期で初のコレクション参戦。初出場初優勝へ、全力投球だ。
1期生・荒牧聖未は1月平塚トライアルで2着。2017年5月京王閣以来のコレクション参加。荒牧の魅力は何と言ってもまくり脚。最終バックから外を踏める展開なら確実に伸びてくる選手だ。負けパターンは内に詰まる展開。
昨年後半からまくりの精度は上がっており、今年もここまで優勝は3月取手の1回だけだが、3連対率は92%と驚異的。4月1日〜3日の小倉以降、レースに参加していないだけに、調整はばっちり仕上げていると見る。荒牧の一撃必殺のまくりは決して侮れない。
太田美穂もコレクション初登場。1月取手コレクション2着で出場権利を獲得。取手決勝は打鐘過ぎ5番手からカマシ先行。地脚を生かした逃げ勝負でゴールまで踏み直し2着に逃げ粘った。
以降、1月四日市、2月大宮で優勝と勢いに乗っている。持ち味は地脚を生かした先行勝負。太田は落車が多く、ビッグレースに縁がなかったが、112期の秘密兵器が満を持してコレクション初参戦。妹・瑛美が120期として5月8日名古屋でデビュー予定。姉妹レーサーとしてもこの先楽しみだ。
コレクション4回目の挑戦となるのは佐藤水菜。1月別府コレクション3着で出場権利を獲得した。昨年7月からナショナルチームの活動に参加。2024年のパリ五輪出場を目指し、競技中心の生活を送っているため、ガールズケイリンへの参加機会は減っている。
しかし、その強さと存在感は増す一方だ。今年は6場所参加し、16走して14勝と圧倒的。優勝も4回とパワーアップは数字にも顕著に表れている。外枠戦で位置取りは苦しむかもしれないが、一撃の魅力は児玉碧衣に引けを取らない。
石井貴子は細田愛未の家事都合欠場により、繰り上がり出場が決まった。1月の取手トライアルは年末のグランプリへ全精力を注いだ影響か動きがイマイチ。予選2走が1、4着。決勝も3着と悔しい結果に。4月は高松、松戸、和歌山と3場所連続完全優勝と勢いを取り戻した。
京王閣は15年3月コレクション2着、15年12月グランプリ3着失格、17年5月コレクション5着とビッグレースでの出走経験が豊富。勝負権のある位置にこだわり差し勝負に構えて、20年8月以来、5回目のコレクション制覇を目指す。
細田愛未の欠場は残念だが、コレクション初出場組が2人(久米詩、太田美穂)参加し、フレッシュな印象を受けるラインナップになった今大会。3年連続でグランプリ優勝、賞金女王の座に君臨する児玉碧衣の1強時代になりつつあるガールズケイリン界に新たな風を吹き込む選手が現れるのかが注目のレースでもある。
今年は例年以上にグランプリ出場権利を巡る争いは激しいなりそうで、優勝すれば名誉はもとより、賞金争いのサバイバルレースを有利に運べることだろう。8月のコレクション(ガールズドリームレース、アルテミス賞)出場へファン投票のアピールにもなるタイミングだ。出場する7選手全員、相当な気合いでレースに臨むことだろう。
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。