2023/07/24 (月) 19:20 75
準決が終わり、決勝進出のメンバー9名が決まった。
過去の福井記念の決勝で、1時間以上の伝説の話し合いと言うのがある。脇本雄太の番手を誰が回るかで、同県だけど伊原克彦は回れなかった。結局、脇本雄太、松岡健介、東口善朋になり、村上義弘が大人の対応を見せて、伊原克彦に村上義弘で別線勝負だった。
我々は検車場に入れないから、まずは、取材のミックスゾーンに鷲田幸司が現れ、
「本当は2時間掛けて、伝説の新記録を作ろうと思ったけど、意外とスムーズだった(笑)。ワッキーは、5人で並びたい気持ちもあったみたいだけど、古性君が大人の判断だった。
もし、5人で並べば、先頭や4番手、5番手は誰になるか分からないけど、ワッキーに古性は並んでいないとおかしい。そこを俺達に気を遣ってくれた。やはり近畿を背負っていく男の責任感は違う。記念やG1では、並びを決めるプロセスは違うけど、古性君の考え方は素晴らしいよ。これなら全員にチャンスのある並びだし、自分もワッキーの番手は初めて。だいたい、近畿の大物と連係しているけど、村上義弘さんと、ワッキーだけはなかったので。あとは俺の演説より、赤パン2人に聞いてみて(笑)」
この後、ワッキーが囲み取材に応じ「点数うんぬんは関係ないし、競輪はやってきたかどうか。藤井君は近畿のラインの貢献者だし評価できる。自分が寺崎浩平につき、藤井君が別線と言うのもあった。だから、何かあれば付きたいと以前から話していたので」。
清水裕友に柏野智典は、お決まりだから、次は佐藤慎太郎へのインタビュー。「位置を決めずに先手ラインから」。逃げるのは藤井だから、この4番手にいて、勝負どころで、どうするかの判断。そのまま直線勝負か、わしこーのところを攻めるかの二択だったと思う。
それが決まり、河野通孝のところに行くと「ちょろちょろ走っていても仕方ない。自分が決めずとコメントするのと、慎太郎さんでは重みも実際の走りも違う。だから、潔く、藤井君の番手ジカ」。その後、河野通孝は、近畿の選手のところに挨拶に行く。競られる方の選手の腹の中は別かもしれないが、この挨拶は礼儀正しく、競輪の良いところ。慎太郎先生は「おっ、河野はカッコ良いね。じゃ、俺も!」とジョークで笑いを誘う。競輪は興行の面もあるし、スンナリの2段駆けの方が車券は売れる。ただ、河野は普段から競ってきた選手だし、これは責められない。ワッキーも意地にならず、自分で捲れるポジションを確保して、勝ちに徹するだろう。
町田洋一
Machida Yoichi
基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。