2023/08/19 (土) 23:30 64
サプライズの並びがあると、記者魂がうずく。我々は検車場に入れないので、外のミックスゾーンで選手達のコメントを待っていた。普通に関東は眞杉匠、吉田拓矢、平原康多、武藤龍生の並びだと思っていた。そうしたら、吉田拓矢が最初に現れて、志願の前回りを表明。これで、締め切り時間のある記者陣は色めきたった。
眞杉匠は人間性も良く、関東の宝の先行選手。どれだけ、ラインに貢献してきたかは分からない。眞杉匠に獲って欲しいと考える、我々の周りの関係者は多い。これで獲れば、神山雄一郎を抜いて、栃木県出身選手史上最年少のタイトルホルダーになる。普段は大学生か予備校生みたいだが、時折、ヨコの強さも魅せる。吉田拓矢にすれば、3番手が平原康多と言うのも大きいのだろう。
平原康多から直接聞いたが、高松宮記念杯で、2人でじっくり話して、その後の吉田拓矢のレースが変わった。これから、吉田拓矢は関東のニューリーダーになれる器の選手だ。2段駆けに賛否両論あるが、ヨシタクの覚悟も聞いた。
「自分のやる事はひとつ! あとは、眞杉に任せて」
今の平原康多は落車過多もあり、全盛期の走りは出来ない。そこを、ヨシタクはくみ取り、関東全体の事を考えての選択だろう。レースだから何があるか分からない。分断される可能性もゼロではないし、犬伏湧也がスイッチ入り、関東が主導権取れない展開もある。それでも、吉田拓矢の覚悟を直接聞くことが出来て、記者冥利につきる。
メンバーが出た瞬間に古性優作は単騎で自力、自在とコメント。福井記念と同じく、怪我明けでもあり自分に厳しい男だから、強気なコメントは出ない。
問題は、清水裕友がどうするかだ。四国の間に入るのは潔しとしないから3番手を回るか自力でやるかの選択。この3番手を回らない意義は、色々と想像の世界になってしまうから、敢えてやめておく。清水裕友の腹の内と記者の考えは、そう乖離がないと思っている。
他の人のコメントを聞いてからと言っていたのは山田庸平。これでG1の決勝は5度目だから、そろそろ獲ってもおかしくない。清水裕友が自力なら番手、清水裕友が四国の後ろなら自分で。最初から古性優作の後ろは選択肢にないと言うのも競輪ぽくって面白かった。
実は、この原稿は西武新宿線の準急の電車の中で書いている。明日から玉野なので、終電の都内行きの電車に乗らないといけないからだ。雑文になってしまいましたが、今シリーズも有り難うございました!
町田洋一
Machida Yoichi
基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。