アプリ限定 2023/05/30 (火) 18:00 34
6月13日から6日間の日程で開催される高松宮記念杯競輪(岸和田・GI)は東日本54名、西日本54名が激突。netkeirinの人気記事「データ分析」では開催の特色である“東西決戦”にちなんで「東西地区別データ分析」をお届けします。今回は北日本・関東・南関東で形成する東日本編。勝ち上がりでは同地区対決も見られる高松宮記念杯を前に今一度、各地区各県の“数字”をチェックしておきましょう。(取材・構成:netkeirin編集部)
※集計データは高松宮記念杯出場選手の日本選手権競輪終了時点の「直近4か月成績」を参照したもの
まずは東日本地区が西日本地区に勝っている数字の中で特徴的な要素を挙げる。
項目 | 東日本 | 西日本 |
---|---|---|
平均競走得点 | 110.91点 | 110.82点 |
S級S班在籍 | 6名 | 3名 |
決まり手「逃」回数 | 83回 | 62回 |
バック回数 | 211回 | 168回 |
選手の強さを表す指標となる競走得点では東日本が勝っており、S級S班在籍選手は、郡司浩平、佐藤慎太郎、新山響平、新田祐大、平原康多、守澤太志の6名で、その数は西日本の倍となっている。「逃げ」の決まり手とバック回数も多く、先行選手の積極性もデータから見て取れる。「どのラインが逃げるのか?」と迷う際に多少は参考にしてみても良い数字ではないだろうか。それでは北日本・関東・南関東と地区の特色をあぶり出していこう。
追い込み選手数と平均年齢が全国1位の北日本地区。ダンディズム漂う実力派・追い込み選手の宝庫であり、「差し」の決まり手も1位。逃げの決まり手が少ない地区だが、新山響平がひとりで7回の「逃げ」を獲得しており、地区全体を牽引している。北日本からは18名の選手が出場するが、そのうち福島勢が9名。東日本地区内で争われる勝ち上がり戦を考えると、番組によっては「福島の結束力」が発揮されるかもしれない。また、レース展開を予想する上で欠かせないのが「S」回数。自転車競技で鍛え上げた4名が突出して高く、序盤の駆け引きを有利に進める能力値が高い。
選手 | S回数 |
---|---|
渡邉一成 | 9回 |
菅田壱道 | 9回 |
新田祐大 | 8回 |
大森慶一 | 8回 |
データ上では差しのバランスが高く、S級S班も4名在籍の驚異的勢力を誇る北日本だが、平均勝率21.2%と優勝回数5回は他地区に見劣りする。開催のグレードや決勝か予選かで勝利の重みは異なるかもしれないが、車券を狙う上では「強い地区だが1着は少ない」は覚えておいて損はないだろう。ただし、個人成績の3連対率ランキングでは佐藤慎太郎と和田圭が全国1位で、10位に守澤太志、18位に成田和也が入っているため、車券貢献性の高い地区なのは言うまでもない。
選手 | 3連対率 |
---|---|
佐藤慎太郎 | 75% |
和田圭 | 75% |
守澤太志 | 66.6% |
成田和也 | 65% |
東日本地区の中でも出場選手の競走得点の平均が最も高いのが関東。全国2位の数値を叩き出している。出場選手17名のうち11名が110点を超えているのだが、110点には届いていない選手のうち4選手が109台をマークしている。総合力の高さと安定感は他地区よりも際立っている。
選手 | 競走得点 |
---|---|
武藤龍生 | 109.92点 |
雨谷一樹 | 109.91点 |
杉森輝大 | 109.89点 |
武田豊樹 | 109点 |
また、東日本地区のみならず全国的に見ても“若い”という特徴がある関東。平均年齢34.4歳は九州地区と同率2位で、若い力が沸騰中。バック回数14回の関東最年少・吉田有希をはじめ、佐々木悠葵や長島大介、眞杉匠といった車券貢献性の高い選手にも事欠かない。この3選手の3連対率は60%を超えており、中でも眞杉は72.2%の数字を叩き出している。3連単を狙う上で3連対率が重要になるのは言うまでもなく、今一度さらっておきたい。
選手 | 3連対率 |
---|---|
佐々木悠葵 | 64.2% |
長島大介 | 61.5% |
眞杉匠 | 72.2% |
また、坂井洋や恩田淳平、過去S級S班を経験している宿口陽一や吉田拓矢らが優勝しており、地区全体の優勝回数は8回と層に厚みを増しているのは明白。ただ逃げ切り勝ちが極端に少なく、全体で「逃げ」の勝利数は13回。そのうち吉田有希が4回、眞杉匠が4回なので、逃げて勝つ傾向は見られず「捲り中心の選手が多い」と見ていいだろう。得点上位の選手ばかりの番組になろうとも「(単騎戦含め)展開の中で一発」のような車券を狙う際にも思い出して欲しい。
南関東は19名の出場となり、東日本地区の中で一番の割合を占めている。南関東をさらに細かく分けてみると千葉4名、静岡4名、神奈川11名と神奈川勢の層の厚さは明らか。優勝回数11回は九州地区と並び全国1位であり、充実した戦績を叩き出している。南関東の出場選手の特徴として、「両」の脚質の選手が少ないことが挙げられる。19人のうち、「両」の脚質の選手は和田真久留と鈴木裕の2名だけであり、この割合は全国的に見ても稀。数字を素直に読み込めば、選手各自の戦法が定まっていると言っていいだろう。
また、バック回数117回はぶっちぎりの全国1位。戦法が定まっている選手が多く、ラインの役割が明確化しており、地区全体の総合力に繋がっているのだろうか。車券予想の際に参考にする人も多い「バック回数」だけに、上位者は把握しておいた方が良さそう。積極性あふれる先行選手が多いため、「逃げ」の決まり手55回は当然のように全国1位だ。
選手 | バック回数 |
---|---|
深谷知広 | 19回 |
松井宏佑 | 18回 |
北井佑季 | 16回 |
野口裕史 | 15回 |
青野将大 | 11回 |
大石剣士 | 10回 |
渡邉雄太 | 9回 |
レースの主導権にこだわる選手が占めているせいか、南関東勢の勝率は24.2%と高い。車券の軸にできる選手が多い印象である。その一方で3連対率70%を超える選手が不在のため、ラインで決めるレースも多いが、ラインで失敗すると確定板を逃してしまうケースが数字に出ていそう。あくまでもデータ上の話に過ぎないが、南関東の選手を狙うときは「ライン決着の確率高し」と考えてみても良いのかもしれない。
(それぞれの地区に当てはまらない選手がいるのは当然として)決まり手の割合からは「逃げの南関、捲りの関東、差しの北日本」と東日本地区はバランスよく特色が出ている。東日本地区同士の選手でライン連係する際は役割分担がしやすそうなイメージが湧く。ただ、高松宮記念杯競輪は特別選抜予選がなく、予選で東日本の選手同士が勝ち上がりを争うことになるため、「誰と誰が連係するのか」はもとより「同地区の先行争いが想定される場合においてどちらが主導権を握るのか?」などの問題が浮上する。バック回数や逃げの決まり手の回数などはしっかりとチェックしておきたい。
netkeirinのレース情報ページには「データ分析」という項目が存在する。車券購入の際はササっとデータを確認しながら、レース展開の推理に役立てて欲しい。さまざまな切り口で算出されたデータは眺めているだけでも楽しい…はず!
データ分析項目 | 説明 |
---|---|
レース種目別 | 勝ち上がり戦、敗者戦、決勝戦の成績 |
周長 | 333m、400m、500mの成績 |
見なし直線 | 50m未満、50m以上60m未満、60m以上の成績 |
競輪場別 | 競輪場別の成績 |
位置別 | ラインの先頭、番手、3番手以降、単騎、競りの成績 |
時間帯 | モーニング、デイ、ナイト、ミッドナイトの成績 |
日程 | 初日、中間、最終日の成績 |
グレード別 | GI・GII・GIII・FI・FIIの成績 |
グレード×レース種目 | グレードとレース種目を指定して算出 |
車番別 | 車番の成績 |
同県選手同乗時 | 同県選手と同乗あり・なし時の成績 |
データ分析で推理が固まらない場合、あるいは固まっているがさらに自分の予想に自信を持ちたい時は「ウマい車券のプロ予想」もぜひ活用して欲しい。競輪場の場立ち予想家や競輪専門紙記者、元選手の競輪解説者などが豪腕を振っているほか、最新AIが導き出す予想などさまざま。netkeirinをフルで使い倒し、的中連発を目指してみては!?
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。