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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

日本選手権競輪を振り返って

2023/05/08 (月) 15:00 47

 山口拳矢の優勝で幕を閉じた今年のダービー。この6日間の長丁場の僕のスケジュールは前検と初日が現地で取材。二日目は前橋ミッドの前検だったので、取材はお休み。三日目と四日目は都内某所で「ぺーちゃんねる」の放送と夜は前橋ミッドのダブルヘッダー。そして五日目は前橋ミッドの中継で、最終日は現地に、また出向いた。記者として人間として、クズであるから塀の上をスレスレで歩いている様な人生だけど、こうして仕事があるのは有り難い。

 まず決勝戦を振り返ってみたい。犬伏湧也がフルスロットルで発進して、ワッキーは、かなり離れた届かない位置。新山響平が、犬伏湧也とやり合わない作戦だから、こうなる。新山響平にしてみれば、犬伏湧也とやり合ったら、ワッキーを引き出すだけ。山口拳矢と位置取りをやっても、消耗するだけだし、普通に5番手から力勝負だった。この考えは間違っていないし、山口拳矢にしてみれば助かった。

 レース後のコメントで答え合わせをやったが、ワッキーにしてみれば、準決で犬伏湧也を決勝に乗せてしまったのが誤算だと言っていた。発進要員を決勝に残してしまったし、準決で一番良いレースをやってしまい、エースカードを切ってしまった。それで犬伏湧也は準決のレースを反省して、決勝で対策を練り、最高のパフォーマンスを魅せた。競輪の魅力は、ひとつのレースでなく、このストーリー性。大雨でなければ、展開が違ったかもしれないし、ワッキーにとって不運でもあった。ヤマケンが、あの位置にいると読んだファンは車券をゲットした事だろう。番手捲りは簡単そうに見えるが、前のスピードが落ちてから、踏み込むしスピードに乗らない。そして、大舞台で、あるあるだけど、脚がカクカクで3角に回ってしまうと言うやつだ。

 4月から賞金も上がり、清水裕友と佐藤慎太郎はGPが確定したと言っても良い。慎太郎節で「解説の村上義弘さんを見て、現役時代のスーパースターとしての輝きを失っているし、俺は当面、こっちの世界にいる」と言う、ブラックジョークにも笑った。競輪選手の語彙力と、とっさのひと言は流石だ。和田圭の「マラソン大会のはずなのに、最初からクラウチングスタートだった」と言う表現も、自分のレースの感想と、レース回顧を端的に表している。

 総売り上げは142億円で、残念ながら目標に13億円届かなかった。僕自身が絡んでいるイー新聞の特設サイトがなかったし、イー新聞のコンビニ出走サービスもなかった。コンドルの武田社長流に言えば「コンドルを大いに利用してもらい、大いに儲けて下さい。それが売り上げアップに繋がります」と言うやつだ。これは営業トークになってしまうが、この二つがあれば、売り上げが1億円は違ったかもしれない(笑)。売り上げも最初は順調だった様だ。だけど、マンネリじみた番組にファンが嫌気をさしたのかもしれない。これは、あるカリスマ記者がSNSで、準決の番組に対して物を申していたが、一方的な批判でないと後日談として聞いた。番組マンとディスカッションをした上で投稿したそうだ。アンチ意見に対しても、誠心誠意、持論を述べるのも、本来の記者のあるべき姿だった。俺なんて毒を抜かれたし、牙もないから、記者としてえぐかった、赤城スポーツ時代を思い出さなくてはいけない。ただ、正直、ネット民の間違った意見や、競輪の特殊性から外れた考えに、少し距離を置きたいと思っているのも事実。競輪のトップ選手と同じく、告知や見る専で良いと思ってしまう。

 先日、世界のわしこー(鷲田幸司)が渡邉晴智に競りに行き、ざわついた。今回のダービーもジカ付けの競りは皆無の状況。みんな、競りの裏に何かあると勘ぐるが、昔の競輪なら一日一回はあったし当たり前のレース。認識としては先行選手が、先行争いをやるのと一緒だ。この辺りの事を書くと、長くなるので、次回のテーマにしたい。今回も拙い文章でしたが、ご愛読ありがとうございました。

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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