アプリ限定 2023/04/06 (木) 12:00 25
高知競輪場で9日に行われる「第5回ガールズフレッシュクイーン」。今年の見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。
今年で5回目の開催となるガールズフレッシュクイーン。このレースは、デビュー2年未満の7選手が出場する“次世代スターの登竜門”だ。
今大会は日本競輪選手養成所120、122期が選抜対象で、選考期間(2022年7月〜12月の)平均競走得点上位7人が選出された。吉川美穂、山口真未、太田瑛美、西脇美唯奈の4人は昨年に続き出場する。
過去4大会の優勝者は、梅川風子、久米詩、増田夕華、尾方真生。今年の“フレッシュクイーン”はどの選手になるだろうか。
まず、選考順位1位で出場するのは吉川美穂。120期の在所成績1位が、昨年2着に終わったフレッシュクイーンのリベンジに燃えている。
昨年は1月伊東で優勝し、4月平塚のガールズフレッシュクイーンで準優勝(優勝は尾方真生)。7月には初のビッグレースとなる玉野のガールズフェスティバルで決勝進出(決勝6着)と大舞台での経験も積んだ。夏から秋にかけてはコンスタントに優勝を積み重ね、11月には小倉のグランプリトライアルにも初出場と充実の1年になった。
今年はここまで2月に岐阜、3月は松山で優勝と、ようやく気配が上向いてきた。ナショナルチームの中距離種目で長く活動していただけに、レースセンスは抜群。好位を確保してからのまくり、追い込みは力強い。高知バンクは昨年6月に走っており1、1、4着と実績がある。前々から自在に動いて、昨年2着の悔しさを晴らしたい。
飯田風音は高いレベルで成績が安定してきている。
昨年は自分の形に持ち込むと強さを発揮できたが、内でつつまれたり、まくりになって外々を踏まされる展開になると、大敗することもあった。最近は自在戦を覚えたことで1着が増えてきた印象だ。
まくりに構えたときのパンチ力はなかなか強烈。今年は2月立川、3月取手で優勝と勢いは参加メンバーの中で一番といっても過言ではない。先行、まくり、差しと使い分けて優勝だけを狙っていく。
山口真未はやや乱調気味。昨年は優勝2回、11月にはグランプリトライアルに出場と順調に成績を残してきたが、今年は決勝進出を外す開催も目に付く。
しかし天性のダッシュ力は非凡だ。自分のタイミングで仕掛けるレースができれば、一撃の魅力は秘めている。陸上競技で鍛えた瞬発力を発揮できればチャンスは十分。昨年4着の分まで巻き返しに燃えているはずだ。
太田瑛美は昨年優勝3回と大きく飛躍したが、今年はここまで4勝(優勝0回)と少し物足りない戦歴だ。
地脚タイプの姉・美穂とは違い、瑛美はダッシュ力が魅力。前々から好位を奪い、まくり勝負が理想の展開だ。高知バンクを走るのは4回目で、過去3回は全て決勝進出。相性の良さをアドバンテージに一発を狙う。
小泉夢菜は122期の在所2位。高校(浦和工業)、大学(早稲田)と自転車競技で活躍した実力者で、ハンドルさばきや追走技術は安定感がある。
3月はいわき平、西武園で決勝2着と惜しい成績が続いている。持ち味の自在性を発揮できれば、今年の初優勝も見えてくるはずだ。
西脇美唯奈は昨年に続き2年連続の出場。昨年後期(7〜12月)は13場所連続で決勝進出と安定した戦いを続けていたが、今年は一転して大きな数字を並べることが増えている。
しかし3月に入ってからは伊東、四日市と連続で決勝に進出。伊東1日目の予選1では直線一気の差し脚発揮で白星ゲットと気配は上向いている。混戦になれば脚をためて突っ込める西脇の強みが生かされそうだ。
河内桜雪は122期の在所3位。選考順位7番手で滑り込み、切符を掴んだ。本デビュー戦となった昨年7月の地元前橋では3、1、4着と好走。予選2走目では板根茜弥のまくりを追走し、追い込み勝負で初白星をゲットした。8月の京王閣では加瀬加奈子のまくりを追走して鋭脚発揮で1着と抜群のレースセンスが強みだ。
今年は1月に和歌山で落車してしまったが、2月玉野で復帰。3月の小倉では決勝進出と気配は上向いている。狭いコースでも突っ込めるのが河内の魅力。マーク、追い込み勝負に徹して初優勝をガールズフレッシュクイーンで決めたいところだ。
選考順位 | 選手名 | 府県 | 期別 | 年齢 |
---|---|---|---|---|
1 | 吉川美穂 | 和歌山 | 120 | 30 |
2 | 飯田風音 | 埼玉 | 120 | 21 |
3 | 山口真未 | 静岡 | 120 | 31 |
4 | 太田瑛美 | 三重 | 120 | 22 |
5 | 小泉夢菜 | 埼玉 | 122 | 24 |
6 | 西脇美唯奈 | 愛知 | 120 | 21 |
7 | 河内桜雪 | 群馬 | 122 | 20 |
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。