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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】東日本発祥倉茂記念杯に出場する森田優弥選手を解説!

2023/01/19 (木) 12:00 9

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は大宮競輪「東日本発祥倉茂記念杯(GIII)」に出場する森田優弥選手を解説する。

⚫︎森田優弥

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールでは身長167cm、体重76kg。GI戦線で勝負をしている自力選手の中では小柄な部類に入り、180cmクラスのレーサー達と比べると骨格的なハンデは否めない。

 しかし森田選手には、体格差を補う闘争心を持っているのだ。

 113期生として早くから頭角を現し、S級での優勝も経験。現在も関東地区の貴重な戦力として戦っている。戦法は先行捲りを基調としながらも、時には番手勝負もいとわない。マーク選手にも臆することなくバンバン競りかけるのだ。

 時には強引とも思える捌きで失格判定を食らうこともあり、良く言えばアグレッシブ、悪く言えば限度を知らない危なっかしいレーサーとも言える。ただ積み重ねた脚力は先行捲くりでも、GI戦線で充分戦えるほどに成長してきた。

 もちろん森田選手は横を捌く能力も高いが、それはあくまで補助的なスキルだ。筆者からすると、森田選手はいずれ古性優作選手や松浦悠士選手、郡司浩平選手のようなタイプになっていくと予想する。前述した3名の選手と森田選手の共通点は、“横の捌きが出来る”以前に、トップクラスの先行力と捲りの能力が高いところだ。強い自力があるからこそ、横の捌きも生きてくる。

 さらに森田選手の伸び代は無限大だ。なんせ適性出身であり、自転車競技歴はまだまだ浅い。

 競輪にはいつでも頭の中で理論的に感じる気づきと、サドルの上でしか得られない感覚的な気づきがある。森田選手には、今はとにかく目先の結果に一喜一憂することなく、レースを通して体感した気づきを求めて欲しい。

 そうすればいずれ自らが望む結果を得られるだろう。森田選手にはまだまだ時間がある。

 そして東日本発祥倉茂記念杯は、森田選手にとって地元戦となる。連日、平原康多選手や宿口陽平選手などのGIレーサーが番手と予想され、背負う責任は重い。ただ、こうした重大なプレッシャーを味わえるのもエース候補の醍醐味だ。森田選手はその重役を担うのにふさわしいはずだろうし、結果に応えてくれるはずだ。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 総大将の平原康多選手を中心とした関東軍団に分があると行きたいところだが、今年は少し骨っぽい相手が揃った。

 SS北日本ラインの新山響平選手や佐藤慎太郎選手に加え、南関東ライン勢の深谷知広選手、郡司浩平選手も揃った。

 これは間違いなく激戦必至だ。関東勢はいかに多くの選手を決勝戦に乗せれるかが鍵になるだろう。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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