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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】和歌山グランプリに出場する中西大選手を解説!

2023/01/12 (木) 12:00 6

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は和歌山競輪「和歌山グランプリ(GIII)」に出場する中西大選手を解説する。

⚫︎中西大

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールでは身長177cm、体重は93kg。データ上ではかなりゴツい感じがするが体脂肪は少なく、“バキバキ系”レーサーに分類される。鎖骨が長く、広背筋の広がりはかなりのもの。パッと見は格闘家のようで、競輪選手とは到底思えない。

 長く鋭角に生えた顎髭は、世界的MMAファイターのコナー・マクレガーを彷彿とさせる。非常にキャラが立っており、1度見たら絶対に忘れられないインパクトだ。

 見た目のインパクトもさることながら、中西選手のレーススタイルも全くブレる事は無い。徹底して先行を貫き、たとえ後手を踏むことがあっても、誰よりも早く仕掛けてラインを前方へと押し上げるのだ。

 常に出走表のB(バックストレッチ本数)の欄には15〜20の数字が並ぶ。これはライバル選手にとっては非常に気が滅入る数字だ。言うなれば、「中西選手との先行争いに付き合っていては自分がバテてしまう」という事を意味する。

 見た目はコナー・マクレガーだが、レーススタイルは対戦相手を深海まで引きずり込むようなMMAファイターのキム・スーチョルタイプである。

 中西選手はライン競走の申し子のような先行タイプだけに、とにかく番手を回る追い込み選手の仕事に着順も左右される。番手の仕事がキッチリ出来る選手がマークした場合、安定感は近畿でも随一。GIレースでも間違い無く大きな戦力となるだろう。

 一方で、課題としては大きく2つある。1つは、長くモガくことは出来るが重賞(グレードレース)ではトップスピードは若干足りない点。もう1つは、戦法の引き出しが少ない点だ。

 一例を挙げると、先行するように見せかけてスっと引いて3番手をキープするなどの戦術が取れれば、成績も安定してくるはずだ。先行出来なかった時に脆くなってしまうのは、徹底先行型の選手の典型的な弱点であり、中西選手にも当てはまる。

 しかし、この弱点は努力次第で改善可能であり、今後の中西選手に十分期待出来るだろう。今回は地元(和歌山)記念という事もあり、中西選手クラスならば、いつもの積極的なレースに加えて結果も求められる。4日間注意深く見守りたい。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 SS級が大挙5名の出走と言うことで、年頭から大激戦が予想される。

 しかもラインナップが実に濃い。ついにGPチャンピオンとなった脇本雄太選手を筆頭に、グランドスラマー新田祐大選手。そこに古性優作選手、松浦悠士選手、守澤太志選手が加わり、さしずめGIレースかと思うほどだ。

 その中でもやはり脇本雄太選手、古性優作選手と磐石のラインとなる近畿勢が頭一つ抜けた存在か。近畿勢の他の戦力も揃っており、勝ち上がりも問題無いだろう。

※松浦悠士選手は欠場となりました。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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