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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志の2023年】どんなに状況が悪くても“攻める姿勢”で戦いに臨む! サッカー日本代表チームが教えてくれたもの

2023/01/10 (火) 18:00 12

 netkeirinをご覧の皆さん、明けましておめでとうございます。金子貴志です。旧年中はレースを応援していただき、またコラムも読んでいただき、ありがとうございました。KEIRINグランプリ2022は脇本雄太君の優勝でした。インパクト絶大な走りには選手としての“強さ”があり、年間獲得賞金も3億円突破で最高記録を更新。脇本君の優勝を見て、競輪が新しい時代へ動いているような感覚になりました。脇本君、本当におめでとうございます。

金子貴志選手(撮影:島尻譲)

振り返れば試行錯誤の1年だった

 昨年2022年を振り返れば「怪我と戦った1年」でした。実は腰の状態が思わしくなく、どのように付き合っていくか? という課題を抱えています。調子が上がり良い状態になると、腰に負担がかかりやすく痛みが出ます。痛みが出るとトレーニングで今までできていたことができなくなってしまい、思うように追い込むこともできません。逆に腰の張りや痛みを取り除くと身体そのものは楽になりますが、走行中に力が入らない状態になり、思うように成績が残せませんでした。

 その結果、1年通して、気持ちが入っているのにトレーニングで身体がついてこない状態にあり、もどかしい気持ちをたくさん味わいました。しかし、ネガティブになってしまうと前に進めなくなるので、自分自身でできることを考えながら試行錯誤を続けました。

 腰の状態も悪くなく、また力も入っている状態であれば1着も獲れていたので、しっかりと怪我と付き合っていくことに活路があると考えています。あきらめずに「何をすればいいのか?」、「自分とどのように向き合っていけばよいのか?」を今後も詰めて考えていきたいと思います。

身体が思うように動かず苦しんだが「それも経験値を高めるもの」と金子選手談(撮影:島尻譲)

W杯を観て気持ちが奮い立った

 そんな難しい状態の中で、サッカーW杯を観て、大きな勇気をもらいました。“死の組”と呼ばれたグループリーグ初戦では強豪ドイツを相手に逆転勝ち。メディアやファンからは“奇跡”と言われていましたが、戦っている選手たちは奇跡とは思っていなかったようです。その後スペインにも勝ち、「奇跡ではなく必然」であることを選手たちは証明しました。

 前開催のロシア大会で元日本代表の本田圭佑選手が「出る以上は優勝する気持ちで戦う」と言っていました。どんなに確率が低くても、そういう気持ちで戦うことが大切であり、次の成果にも繋がっていくのだと思います。今回、日本代表の選手たちはサッカー強豪国を立て続けに撃破して新しい道を切り開きましたが、本当に近い将来、「W杯で日本優勝」を目の当たりにするのではないかと楽しみにしています。

ベスト8進出ならずも大国撃破で日本中を魅了したW杯・カタール大会(写真:イメージ)

固定観念にとらわれず“攻める1年”にしたい

 W杯では“手のひら返し”という言葉も大きく取り上げられました。「勝てば称賛され、負ければ非難される」のは勝負の世界では避けられない部分かと思いますが、そんな中で、森保監督が「サッカーを国民の皆さんが議論してくれるのはありがたいことです」と言っていたことは印象深かったです。森保監督は日本代表監督になる前から「サッカーを広めたい」というコンセプトを大切にして、Jリーグの監督時代には自らPR・営業活動に尽力されていたようです。その軸になっている考え方は代表監督になっても変わらず、ひとつ次元の違う高い視点を持っているのだと思います。この部分にとても共感するものがありました。

 また、今回の試合を観ていて感動したのが、ピッチで躍動している選手だけでなく、ベンチ入りしている選手、チームスタッフが一丸となって勝利を掴みに行く姿勢でした。フィールドに立つ11人だけではなく、1つのチームで大目標に挑んでいたように思います。今回の躍進は次世代にも必ず受け継がれることになると思います。日本中に勇気と希望と感動を与えてくれたサッカー日本代表チームに感謝しています。

 私の選手生活に話を戻しますが、今年は昨年1年苦しんだことを無駄にしたくない気持ちがあります。怪我や痛みに苦しんだ日々も、ひとつの経験として活かせるものです。年齢を重ねてみると調整ひとつ取っても難しくなってきていますが、「体は衰えるものだから仕方ない」などと決めつけることはせず、固定観念や常識に囚われない1年にしていきたいと考えています。

 2022年の最終戦は向日町競輪で7着の結果でした。しかし、悪い時こそ「攻める姿勢」が必要だと思います。非常識と笑われてもあきらめず、決して自分自身には負けず、今年も頑張ります。みなさん、応援よろしくお願いいたします。

1勝でも多く勝つために試行錯誤を続ける(撮影:島尻譲)

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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