閉じる
毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

【KEIRINグランプリ2022予想】愛すべき出場選手たちを“毒舌”大予想

2022/12/29 (木) 09:50 31

専門紙・赤城スポーツの時からだから、長らくやっている毎年恒例の企画。毒を吐けない世の中になっているが、毒断と偏見で今年も書いてみた。

①古性優作

 名ジョッキーに間違いはないし、ワッキーがどれぐらい仕上がっているかが問題。荒々しいレースは影を潜めて、今年は普通の自力勝負が多くなっていた。それはイメージ付けが終わっているから、自然と相手に恐怖を与えている。グランプリに限ってはみんなリミッターを切って、普段は入らないコースを突っ込んでくる。過去の覇者の山田裕仁さんしかり、浅井康太選手もえげつないコース取りで天下を取っている。ワッキーのスピードに乗って、内・外を強襲。もしくは、ワッキーの突っ張りもゼロではないし、4角絶好の展開もある。時たま凡走もあるが、古性の車券を買って外れても後悔させない男だ。必ず何かやってくれる! お金の高いところに強い“勝負強さ”が魅力。

②郡司浩平

 本人が、どんなレースを考えているか分からないが、綺麗に捲らせたら日本一。古性優作が優勝した岸和田の高松宮記念杯の決勝。なぜか、前々に攻めるレースで小松崎大地のハコを狙い慎太郎先生と競り合い。あの手の走りより、脚を温存しての一撃を狙って欲しい。過去の、毒舌大予想を見ると、毎年、“幸せ配達人だった”とか、“あの強烈キャラのお父さんから、こんな良い子が産まれるとは信じられない”と書いてきた。そのイメージは全く変わっていない。あとは、もう少しリップサービスをやって貰えると助かる。

③新山響平

 これは毎年のキャッチフレーズで“夢の1億円、銭ゲバの闘い”と書いてきた。新山響平の、腹の中は分からないが、最も、金の匂いのしない選手だ。家族や子供の事を考えると、ナショナルチームに入らず、日本の競輪で稼いだ方が良いと思うのが普通。今は卒業したが、ナショナルチームで自分の夢を追い掛けた。親王牌で新田祐大に恩義があるし、普通なら捨て身駆け。昨年で言う吉田拓矢のレースだ。今の若手自力選手は、それはそれ、これはこれで、自分を捨て切れない選手が多い。だけど、新山のレースは昔から分かり易いし、みんなが思っている走りを演じてくれる。前を取れれば突っ張り先行、後ろからなら赤板からの2周先行だ。アクシデントでもない限り、優勝は難しいだろう。

④守澤太志

 どうしても、マーク屋の序列の話が僕は好きだ。そんなの古いよと言われても、競輪は競走得点でなく、仕事ぶりと存在感だと思う。守澤はオレがオレがでないし、自分から慎太郎先生に自己主張した事はない。周りから認められて、この地位を築いたし、担がれ始めてきた。競輪記者の間では、新田祐大の番手捲りが決まった時は、この人の優勝だと言う意見が多い。ただ、自分から外に持って行ったり、ワッキーが不発の時に古性とかが降りて来ると脚をロスしてしまう。ラインの為に走りながらも、どこか自分本位にならないと、グランプリは優勝出来ない。何年か前の深谷知広、浅井康太の後ろからヤマコウ氏が勝ったレースが模範となる。

⑤松浦悠士

 敢えて、いつも斜めから松浦悠士を見ているが、こっちが毒を吐きたくなる事が一切ない。自分の調子を包み隠さず話して、作戦面も明かしてくれる。しかも欠場もせず、落車しても皆勤賞。ちょっと前のスター選手で、一ヶ月に1本しか走らない選手もいた。特別競輪だけに照準を合わせて、記念を走るのも日程に余裕がある時か、自分の家から近いところ。流れで番手にアタックもあるし、変幻自在に何でもやる。ビッグの決勝で、ハコをやって勝つのは至難の業だが何をやっても成功しそうなのが松浦悠士。新田祐大や脇本雄太は優勝か大敗のイメージ。松浦は普通に考えて3着以内には間違いなく入りそうだ。

⑥平原康多

 毎年書いているが、何故かグランプリには縁がない。しかも、ダービーやオールスターの高額賞金のタイトルも獲っていない。勝負弱いとは思えないし、これは競輪界の七不思議。誰が付けたか“微笑みの貴公子”。さすがに、近況、完璧のレースと、そうでないレースの隔たりは出て来た。相撲で言えば、とっくに引退の年。この6番車のメロン車券は間違いなく売っている。単騎の選手、3人の位置取りと順番が問題だが、誰かにやらせてからでないと苦しくなる。先に自分でアクションを起こして勝つのは難しいだろう。勝っても負けても、仕事で一番お世話になった選手だし応援車券は買っておきたい。

⑦新田祐大

 もう10年以上、“人間サイボーグ”と書いてきた。だけど、あの親王牌を見てしまうと、血のかよった人情味もある。冷徹に見えて、心根の優しさもあり、二面性があって面白い。過去の2段駆けの成功率を見ると、必ずしも高くない。一瞬の迷いからか、番手から出るのが遅れて、別線に行かれたケースもある。車券戦術としては新田から大口勝負か、あるいはオミットして全部消しかだろう。タテ脚があるから、粘られても意外と強い。グランプリしか買わない、ギャンブルファンには、新田の車券は薦めたい。あとは、個人の判断だ。

⑧佐藤慎太郎

 この位置は遠すぎる。内心、穏やかでないかもしれないが、北日本の4番手で折り合った。認める、認めない論争が競輪界にはあるが、守澤の事は認めているのも事実。近況の成績と、この位置で優勝出来たら、天と地がひっくり返る。どうあれ、慎太郎先生には、あと5年、S班を維持して欲しい。そうでないと、若手の勝手な競輪が、どんどん増殖されてしまう。口煩い大人、叱れる大人がいないと、競輪界はおかしな方向に行ってしまう。もちろん、エンターテイナーとしての役割も大切だ。ガハハ!

⑨脇本雄太

 セオリーは1番車の古性優作が前を取り、引いてからの巻き返し。今年前半の勢いなら、間違いなく異次元のスピードで行ってしまうが、後半は極度の腰痛もあり失速した。しかも、2段駆けアレルギーもある。人気があるから、自分も先行争いに参加する訳にはいかない。それで相手の思うつぼに嵌まり、不発になるのが負けパターン。だけど、北日本が見え見えの2段駆けだが、単騎の3人が指をくわえて見ているとも思えない。必ず緩む場所、もつれる場所があるはずだ。そこを間髪入れず行ければ、グランプリ覇者になれる。趣味も車と麻雀とゲームぐらいで、本当の庶民派だ。普通なら東京でセレブな生活を夢みるが、故郷の福井に拠点を戻したのも好感が持てる。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

閉じる

町田洋一コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票