2022/12/23 (金) 12:00 8
加藤慎平の「筋肉診断」。今回は平塚競輪「KEIRINグランプリ2022(GP)」に出場する脇本雄太選手を解説する。
⚫︎脇本雄太
公式プロフィールでは、身長180cm、公式プロフィールでは体重72kg。だがしかし、これはあくまでプロフィール上の数値で、現在の体重はもっと重たいだろう。
長らくナショナルチームにも所属し、東京オリンピックでは集大成の走りを見せた。国内競輪に復帰してからの活躍は周知の通りで、ひとたび捲りを放てば、彼の通る道にはぺんぺん草すら残らない。全てのライバル選手を蹴散らしてきた。
180cmと恵まれた身長。さらに四肢(手脚)も長く言うなれば欧米人体型で、ズングリムックリ型の多い日本人レーサーよりも出力が出しやすい。さらには“軟体動物か!?”と思えるほどの柔軟性を兼ね備えていて、腹部のバキュームも自由自在。
僕の知る限りでは、あのようなバキュームが出来るのは、脇本選手か片岡鶴太郎さんしか居ない。
脇本選手が今年ここまで積み重ねてきた獲得賞金は1億8000万円オーバー。要するに今回のグランプリの結果次第では、競輪界の年間最高獲得賞金額を更新するのだ。
三谷竜生選手が、2018年に打ち立てた2億5000万円の数字を見た時、「これは永遠に抜かれることはないだろう」と思ったのだが……。脇本選手が制すれば、それを遥かに超える記録が達成される。盛り上がらないわけがないだろう。
筆者が競輪界に身を置いてから早24年。間違いなく脇本雄太選手は、この24年間で歴代最強の戦士。いや、もはやバーサーカー(狂戦士)といっても過言ではない……。脇本選手が偉業を成し遂げて2022年を締めくくるのか?
ただ年末のグランプリだからこそ、選手一人一人もここにかける想いはひとしおだ。出走する全員にドラマがあり、誰一人としてフロックでこの場に立っている訳では無い。
最強の男脇本が偉業で2022年を締めくくるのか?
グランプリ連覇を掛ける古性優作が勝つのか?
グランドスラマー新田祐大が最後に残した栄冠を手に入れるのか?
佐藤慎太郎さんが歴代最高年齢GP制覇記録を更新するのか?
現NO.1追い込みと呼ばれる守澤太志が一気に頂点に上り詰めるのか?
もはや存在は歴史上の偉人。平原康多の念願なるか?
実はこの男が優勝しても歴代最高獲得賞金額更新。パーフェクトレーサー松浦悠士が決めるのか?
長年の孤軍奮闘はGP優勝と言うギフトをもたらすのか?郡司浩平の生き様を見よ。
各々の思いを推しレーサーに込めて12/30を待とうでは無いか。
加藤慎平
Kato Shimpei
岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。