アプリ限定 2022/11/20 (日) 15:00 7
2018年から始まった「ガールズグランプリトライアル」は、今年の1月から8月の選考期間成績上位者28人をA(トパーズ)、B(アメジスト)2つのグループに分け、11月22日に第1走、23日に第2走がそれぞれ行われ得点順位上位7名が決勝へと駒を進め、24日にそれぞれのグループで優勝者が決まります。各グループの優勝者2人には「ガールズグランプリ」出場権が与えられるサバイバルレース。今年で見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。
グループBは児玉碧衣がシリーズをリードする。
今年はここまで優勝19回。3月コレクション(宇都宮)7着、5月コレクション(いわき平)2着、7月フェスティバル(玉野)4着、8月コレクション(西武園)2着、9月ティアラカップ(名古屋)5着とビッグレースでの戦歴は物足りないが、獲得賞金ランキングは定位置の1位を死守。7月フェスティバルのゴール後落車、8月の体調不良と万全の状態で走れない状況でもきっちり結果を残している。
グランプリトライアルは相性抜群の大会だ。2018年、2020年、2021年と3回優勝。2019年も準優勝だ。今年も地元バンクの大声援を味方にして優勝だけを狙っていく。4連覇を狙った昨年末のガールズグランプリは高木真備の先まくりを捕らえることができず3着。ガールズケイリン女王の座に返り咲くためにも、トライアルでは負けられない。
柳原真緒はグランプリ初出場を今年の目標に掲げて1年間突っ走ってきた。高木真備の引退により繰り上がり出場となった5月コレクションを優勝。以降も1着を量産。優勝は16回。賞金ランキング上位をキープしてきた。昨年のグランプリトライアルは児玉碧衣を追走。最後の直線での差し脚勝負に懸けたが1/2車輪届かず準優勝。悔しい思いをしただけに、今年は打倒児玉碧衣を果たして、堂々とグランプリ初出場を決めたい。
尾方真生は2年連続グランプリ出場へ勝負駆けだ。今年は3月、5月、8月のコレクションを経験し大きく成長した。ここまでの優勝は16回。昨年の14回を上回る成績を残した。11月の平塚では姉弟子・小林優香を相手に先着と勝ち癖が付いてきた。初出場だった昨年のグランプリは仕掛けることができず6着敗退。今年こそ持ち味の先行力を発揮するためにも、1円でも多く稼いでグランプリ出場を決めたい。
6年ぶり5回目のグランプリ出場を目指すのは山原さくらだ。今年はここまで優勝13回。7月のフェスティバルは決勝3着と、各地で出し惜しみのない自力勝負がさえている。選考用賞金ランキングは5位。今開催はギリギリのボーダーライン上の戦いになるが、小倉はコロナ禍前に合宿をしていた第2のホームバンク。走り慣れたバンクで地の利を生かして決勝進出を目指す。2019年の当大会では前検日当日に体調を崩して欠場。ここ2年は予選敗退で終わっているだけに今年こその思いは強くなっているはずだ。
奥井迪は9月に名古屋で行われたガールズケイリン10周年企画レース「ティアラカップ」で逃げ切り優勝。ビッグレースを初めて制した。ティアラカップの優勝賞金は210万円。賞金の大きな上積みに成功して、グランプリ出場権をほぼ手中に収めた。次の目標はグランプリの逃げ切り優勝。2017年の平塚では惜しくも準優勝で終わっているだけに、リベンジに燃えている。この小倉で弾みを付けて、年末の大一番へ向かいたい。
鈴木美教は雪辱戦だ。昨年のグランプリトライアルは予選1で落車。左鎖骨を骨折してグランプリ出場権を逃してしまった。今年は1から再スタート。積極的に自力を出して成績が上昇。ケガをする昨年より状態は上がっている。2年ぶり3回目のグランプリ出場へは優勝しか道はない。強気な自力勝負で1着を引き寄せる。
坂口楓華は優勝だけを狙っていく。昨年は悲願のグランプリ出場を果たしたが、今年は思い通りの成績が残せていない。しかし秋になり動きが良化している。積極的な組み立てから末脚よく粘っているレースも増えてきた。いい流れを自分で作っただけに、一発大逆転の勝負駆けに注目したい。
地元の大久保花梨は5年連続5回目の参加。2018年、2019年、2021年で決勝進出と侮れない存在だ。久米詩、當銘直美は何でもできる自在性を発揮して車券に絡んでくる可能性は高い。
初出場は4人。注目は吉川美穂。120期在所成績1位の逸材。ナショナルチームの中距離チームで磨いたレースセンスが今年は開花。優勝13回と波に乗っている。7月のフェスティバルで決勝に乗っているので、初めてのグランプリトライアルでも期待したい。
太田瑛美は姉。美穂との同時参加で見せ場を作りたい。岩崎ゆみこは長く踏める長所を生かしたレースができるかがポイント、青木美保は自在な立ち回りで確定板入りを狙っていく。
期 | 競輪選手名 | 地区 |
---|---|---|
104 | 山原さくら | 四国 |
106 | 奥井迪 | 関東 |
108 | 児玉碧衣 | 九州 |
112 | 鈴木美教 | 南関東 |
112 | 坂口楓華 | 近畿 |
112 | 大久保花梨 | 九州 |
114 | 當銘直美 | 中部 |
114 | 柳原真緒 | 近畿 |
116 | 岩崎ゆみこ | 関東 |
116 | 久米詩 | 南関東 |
118 | 青木美保 | 関東 |
118 | 尾方真生 | 九州 |
120 | 太田瑛美 | 中部 |
120 | 吉川美穂 | 近畿 |
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松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。