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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】泗水杯争奪戦に出場する柴崎淳選手を解説!

2022/11/10 (木) 12:00 7

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は四日市競輪「泗水杯争奪戦(GIII)」に出場する柴崎淳選手を解説する。

⚫︎柴崎淳

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィール上では身長173cm、体重は77kg。高校時代はスプリント系の国内アマチュアタイトルを総ナメにし、自転車でのスイス留学も果たしている。超エリート街道を爆走した逸材であった。

 当然、デビュー当時も華々しかった。爆発的な捲りでS級までトントン拍子で駆け上がり、この泗水杯争奪戦(GIII)は3回も優勝経験がある。

 筆者も現役時代、何度も連携を重ねたが、とにかく柴崎の印象は“キレが凄い”の一言。カマシ捲りの踏み出しの良さは、筆者がよくマークした浅井康太選手、吉田敏洋選手、小嶋敬二選手、金子貴志選手と比べても1番鋭かった。

 柴崎選手の技術が優れている所以はどこにあるのか。

 決して大柄な体型では無いが、スラッと伸びた四肢(手と足)は、キッチリと筋肉も付着しており細身には見えない。体全体に均等に筋肉が付着しており、実にバランスが良いのだ。

 瞬発力、回転力も高い。ペダルを踏み込む時の踵の角度も変わらないので、異常にペダリングが良く見える。そのため、一見スピードが出ていないようにも映るが、蓋を開けてみれば10秒台の捲りもバンバン飛び出す。

 近年は、落車の影響により身体の故障も続き、彼にとって納得の出来る成績ではなかっただろう。しかし、中部地区の若手の台頭さえあれば、間違い無く再びトップ戦線に食い込める。競輪と言うのはとにかく巡り合わせが重要だ。

 そして今回の泗水杯争奪戦も、とにかく中部地区の援軍が乏しい。これは斡旋と言うよりも、根本的に中部地区全体の層が薄いので仕方無い。

 谷口遼平選手、橋本優己選手が居るが、総大将の浅井康太選手と坂口晃輔選手も居るので、柴崎選手は自力戦を強いられる可能性も否定出来ない。今ある戦力で戦うしかないのだ。

 ここは泗水杯争奪戦3勝の実績がある、柴崎淳のポテンシャルに期待したい。底力を信じるのみだ。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 競輪祭を控えた記念だが、古性優作選手、平原康多選手、守澤太志選手の名前がある。当然このSSレーサー達が開催を引っ張って行く可能性が高い。特に平原選手は、GP出場を確実なものにするべく、強く優勝を意識してくるはずだ。

 地元中部勢は、近畿との連携を模索しつつ戦うことになるだろう。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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