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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】寛仁親王牌に出場する寺崎浩平選手を解説!

2022/10/20 (木) 12:00 2

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は前橋競輪「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」に出場する寺崎浩平選手を解説する。

⚫︎寺崎浩平

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールでは身長171cm、体重は73kg。現在はビルドされてもう少し重たいだろう。史上初の養成所早期卒業選手としてデビューした彼も、プロとなり3年ほどが経った。

 デビュー時から注目を集め、S級までの特進は義務付けられた立ち位置でデビュー。とてつもないプレッシャーもあっただろう。ただトップクラスでも通用するスピードを武器に、今はナショナルチームでも活躍する。

 なにより有力な後輩が増えてきて、寺崎選手も余計なプレッシャーを感じずに走れているのではないだろうか。

 さて、本題に移ろう。

 競輪選手としては軽い部類の寺崎選手だが、ナショナルチームとしてのバックボーンがあるため、トレーニング強度は間違いなく足りている。

 パリ五輪を控えた今は、どちらかと言うと自転車競技に重きを置いている。そのため国内の競輪出走機会が少ないのが何とも残念な所だが、近況はその少ないチャンスでも存在感を発揮できるようになってきたと言えよう。

 また最近では、戦法も変わりつつある。これまでGIに出走するようになった当初は、自らの脚質にフィットした戦法ではなく、長めの距離をモガいたりと、先行にこだわるようなレースもあった。それが現在は、彼本来の魅力であるダッシュ力や、トップスピードの高さを活かした、カマシ捲りに比重を置き始めたのだ。

 その結果、トップ戦線でも、彼のスピードは燦々と輝き始めた。前回のGIレース、オールスター競輪では決勝戦進出にも繋がった。

 そして今回は、グリーンドーム前橋での戦いとなる。短走路(333バンク)の前橋は間違いなくフィットする。ライバルの仕掛けが早くなり、メリハリがきいたダッシュを必要とする展開は、寺崎選手にとっても大得意なはずだ。

 年齢的に充実気を迎えている今こそ、勢いそのままに大仕事をやってのける可能性は充分。近畿地区の先輩との兼ね合いも成績を左右しそうだが、今の寺崎選手ならきっと上手くいくだろう。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 久々に短走路でのGIとなる今節。間違いなく残り2周半からレースが動くだろう。

 ダッシュの無い自力選手は前にすら出させてもらえないはずだ。やはりSS級の自力選手が有力になるが、ナショナルチーム勢の台頭も期待される。

 今回は、脇本雄太選手が不在だけに、北日本勢の台頭にも期待したい。

 新田祐大選手、渡邉一成選手、新山響平選手、小原佑太選手など、グリーンドームにフィットしそうな選手のオンパレードだ。佐藤慎太郎選手、守澤太志選手、成田和也選手など、マーク選手の充実度も凄い。総合力は間違いなくトップだ。

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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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