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鈴木誠のハイブリッド展望

【共同通信社杯予想】運も実力のうちとなった自動番組編成! その中を実力通りに勝ち上がってきたS級S班の4人の中で、運を引き寄せた選手が優勝を掴む!/鈴木誠の展望

2022/09/19 (月) 12:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は名古屋競輪場で開催されている共同通信社杯の決勝レース展望です。

準決勝を勝ち上がった佐藤は単騎を選択! 追込選手の嗅覚で優勝を目指す!

 共同通信社杯は自動番組編成で一次予選、二次予選が行われています。

 自分が選手だった頃の感想としては、メンバー的にも恵まれたレースがあったかと思えば、どの位置でレースをすればいいのかと、頭を悩ませるようなメンバー構成になったこともありました。

 いずれにせよ、これも運だから仕方ないな、と割り切りながら、その中で勝利に近づくために何をすればいいのかを考えながらレースに臨んでいました。

 ただ、今大会は自動番組編成の影響もあったのか、能力のある先行選手が勝ちあぐねていましたし、その中でも若手の自力型には、大変だなと思えたレースもありました。

 自動番組編成では先行選手の方が、自分でレースを組み立てられるので、まだ有利だとは思います。それでも単騎になってしまうと、先行ができない上に、位置取りが悪くなれば、レースの中でやれることも限定されてしまいます。

 それよりも大変なのが追込選手です。目標とする先行選手がいなければ、自分の持ち味が発揮できませんし、前を任せた先行選手がいい位置で駆けてくれなければ、後ろのままレースは終わってしまうからです。

 その意味では連日に渡って追込選手の仕事をしながら、準決勝をしっかりと勝ち上がってきた佐藤選手は立派だと思います。また、他のS級S班の3名(郡司選手、平原選手、松浦選手)も、先行選手としての経験を生かした、卒のない走りを見せていました。

 決勝の並びも郡司選手-和田選手-内藤選手の神奈川ライン。平原選手-武藤選手-神山選手の関東ライン。松浦選手-柏野選手の中国ラインと、S級S班3名の後ろにラインができあがり、佐藤選手は単騎を選択しました。

 今大会で調子の良さが目立つのは郡司選手です。3連勝で決勝に勝ち上がってきただけでなく、タイム的にも申し分ありません。

 同じく3連勝の平原選手、準決勝で2着となった松浦選手もいい状態で決勝に臨んできたと言えますが、3人共に徹底先行型ではありません。ただ、決勝で先行するのは松浦選手だと思っています。

 松浦選手は今年の日本選手権競輪を優勝して、既にグランプリ出場の権利を掴んでいるだけでなく、瑞峰立山賞争奪戦、長良川鵜飼カップと記念競輪も連勝しています。

 グランプリでも対決が濃厚となりそうな、郡司選手や平原選手を向こうに回して、先行を見せておきたいとの気持ちもあるのでしょうし、現状でどこまでやれるのかとの思いもあるはずです。

 一方、郡司選手は今年のG1も寛仁親王牌と競輪祭しか無いだけに、賞金でのグランプリ出場が現実味を帯びてきています。現在は賞金ランキングの9位であり、優勝、あるいは上位に入って賞金を加算したいと思うのならば、一か八かの先行はしてこないはずです。

 賞金ランキングで5位となっている平原選手としても、後ろに同県の武藤選手、そして、幾度もラインを組んだ神山選手が付けてくれただけに、自分の勝負できる位置からの捲りを考えていると思います。

 スタートを取るのは松浦選手だと見ています。単騎の佐藤選手は中国ラインの後ろにつけて、中団には平原選手。7番手となった郡司選手が松浦選手を抑えにかかりますが、そこで平原選手はインを切りに行くはずです。

 そのタイミングで松浦選手が一気に発進。郡司選手、平原選手は捲りに切り替えてくると思いますが、平原選手よりも先に郡司選手が捲っていくようだと、番手を回っている和田選手との上位独占が濃厚となります。

 一方、平原選手が中団から先捲りをしてくると、ゴール前では平原選手と郡司選手との叩き合いだけでなく、2着に番手の武藤選手を連れてくる可能性もあります。

 単騎の佐藤選手は、郡司選手や平原選手が仕掛けにいった時に、どう反応していくかとなります。ただ、どんな展開になったとしても、勝負のできるポジションでレースを運んでいるはずです。それだけに三連単を買うのなら、相手に入れておいた方が良さそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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