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鈴木誠のハイブリッド展望

【平安賞予想】決勝に地元選手は不在ながらも、そのピンチを救うのは、近畿地区のヒーロー脇本! 必殺技の捲りで大会連覇を狙う!/鈴木誠の展望

2022/09/27 (火) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は向日町競輪場で開催されている共同通信社杯の決勝レース展望です。

脇本と遜色ないタイムで準決勝を勝ち上がった、坂井の一発も侮れない!

 今年の【平安賞】は心配された台風の影響も無く、開催初日から好天に恵まれました。 私もスピードチャンネルの解説、そして予想会イベントの出演もあって、初日、二日目と向日町競輪場に行ってきました。

 休日とあってか場内には家族連れも多く、ヒーローショーでは子供たちの歓声も富んでいました。

 その子供たちにとって、また違ったヒーローのように見えたのが、エアトリックといった、華麗な技を披露していたプロのBMX選手たちです。

 初心者体験会ではBMXの試乗も行われており、そこで自転車の新たな魅力を感じた子供たちも多かったに違いありません。

 そして、バンクの中のヒーローだったのが、初日の特選から3連勝で決勝まで勝ち上がってきた脇本選手でしょう。

 その特選での上がりタイムが10秒8。2日目の二次予選では10秒7を記録しています。脇本選手の圧倒的なスピードを見て、自分もあんな走りをしてみたいと思った子供たちもいたでしょうし、その中に将来の競輪選手がいるかも知れないですね。

 決勝の並びですが、その脇本選手の後ろには、同じ近畿の稲川選手。4車となった中四国ラインですが、清水選手の後ろは同県の桑原選手。3番手は筒井選手となり、2人よりも得点が上位の小倉選手は4番手となりました。

 この辺は中国の3人に、四国の小倉選手が気を使ったと言えるでしょう。残る3人ですが坂井選手の後ろが成田選手、そして小原選手と、東日本でラインを形成しました。

 東日本ラインの先頭を任せられた坂井選手ですが、準決勝では9番手から捲っていくと、最後は2着の成田選手に6車身差を付ける圧勝。この時の上がりタイムの10秒8は、脇本選手と遜色のないスピードでした。

 改めて競輪学校時代にゴールデンキャップと在校成績1位に輝いた、ポテンシャルの高さが証明された結果と言えるでしょうし、即席ラインとは言えども、後ろに実力者の2人が付いてくれたのは心強いはずです。

 脇本選手が1番車となった以上、レースの展開は至極明快です。脇本選手がスタートを取って、車番的にも3番手が坂井選手。6番手から清水選手が抑えにかかったのを見て、脇本選手が後方に引く。ここまでは誰もが想定する流れではないのでしょうか。

 ここから、自力型の2人の動きがポイントとなります。清水選手がラインの長さを生かして、そのまま先行すると見ていますが、清水選手の仕掛けが少しでも遅くなった場合には、坂井選手が3車を利して先行していく可能性も残されています。

 ただ、坂井選手のスピードを生かすには、先行した中四国ラインとの車間を空けながら、脇本選手よりも先に捲りを打っていった方が、勝機が出てくるはずです。

 坂井選手は雨の中で行われた【共同通信社杯】最終日の特秀でも、吉田選手の先行から番手捲りを繰り出して、追い込んできた脇本選手を退けています。

 スピードなら引けを取らないと本人も思っているでしょうし、近走で脇本選手が負けるパターンとなっている、中団からの先捲りを今回も狙っているに違いありません。

 いずれの展開となったにしても、脇本選手のすべきことは、前にいる7人を抜き去るレースをするだけです。番手を回る稲川選手は、そのスピードについていくのが精一杯かと思いますが、それでも、脇本選手がいつも通りの走りをすれば、近畿ラインでワンツーフィニッシュを決める可能性は高いと見ています。

 4車となった中四国ラインですが、先頭を任された清水選手の調子がそれほど良くなく、準決勝は先行1車という有利なレースになりながらも、ゴール前では番手を回った小倉選手に交わされています。

 その時の上がりタイムも、脇本選手や坂井選手に劣っています。4車と言えども、2人の捲りを先行力で封じこむのは難しいでしょう。

 あと、車券的に注目しているのは成田選手です。坂井選手のスピードにも付いて行けますし、番手の仕事もきっちりとしてくれるので、坂井選手との裏表だけでなく、脇本選手との裏表の車券も狙ってみたくなります。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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