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鈴木誠のハイブリッド展望

【オールスター競輪予想】レースは大きく二分戦! 先行争いを制するのもがオールスターを制す! KEIRINグランプリ王者・鈴木誠の展望

2022/08/15 (月) 15:00 7

現役時代はKEIRINグランプリを優勝するなどトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は西武園競輪場で開催されているオールスター競輪の決勝レース展望です。

5日目の順延は、長い距離を踏む先行選手たちにとって、いい休養となったはず!

 6日間開催で行われるはずだった、今年の【オールスター競輪】ですが、5日目が悪天候のために順延。7日目となる今日に決勝を迎えます。

 季節柄もあるのか、【オールスター競輪】の悪天候による開催順延は、そう珍しいことではありません。

 ただ、【オールスター競輪】、【日本選手権競輪】、【競輪祭】といったビッグレースは、6日間開催の勝ち上がり制となっています。5走する選手たちの中でも、先行選手にとっては、この1日の順延がいい休養となったはずです。

 一日開催が延びたことで宿舎にいる時間も長くなるので、選手たちはモチベーションを保つ必要も出てきます。決勝の9名は勿論のこと、今日の1レースから走る選手たちにも、G1の最終日に相応しい、闘志溢れるレースを期待しています。

 決勝は大きく二分戦となりました。まずは、寺崎選手-脇本選手-古性選手の近畿ライン。そして、新山選手-小松崎選手-守澤選手-成田選手の4人で並んだ北日本ラインです。そして、松浦選手と吉澤選手は単騎となりました。

 双方のラインの先頭を任された寺崎選手、新山選手ともに自分が主導権を取って、ラインの中から優勝者を出したいというレースを考えていると思います。そうなると、前受けからの突っ張り先行も作戦としては考えられます。

 台風一過となった昨日は風の影響もほとんどなく、バンクコンディションも軽く、突っ張り先行を含め先行選手が残る傾向が見られました。

 ナイター開催の決勝は、日中よりも気温が下がっているだけに、先行したラインから勝者が出やすくなることは、誰よりも選手たちが理解しているはずです。

 近畿ラインは1番車に古性選手がいるので、前受けは近畿ラインが取りやすくなりました。ただ、寺崎選手は引いてからのカマシを得意としており、突っ張り先行をしているレースはほとんど見たことがありません。

 それでも、後ろに同県の脇本選手がいる決勝で、引いての捲りという作戦はさすがに取ってはこないでしょう。もし、寺崎選手が突っ張り先行をしていく展開となったのならば、脇本選手=古性選手での決着が濃厚となります。

 一方の北日本ラインですが、ダッシュ型の新山選手は突っ張り先行を得意としています。しかも、3番車に入った守澤選手はスタートの早い選手であり、ひょっとしたら北日本ラインが前受けとなる可能性もあります。

 この展開となった場合、北日本ラインの2番手にいる小松崎選手の番手捲り、そして、3番手の守澤選手とのワンツー決着も考えられます。

 しかも、近畿ラインが後方からの捲りとなった場合、脇本選手が寺崎選手に併せる走りをすると、自分のフルスピードが発揮できない可能性も出てきます。

 レースの流れを大きく左右しそうなスタート合戦。号砲がなった後、古性選手と守澤選手のどちらが、先に誘導員の後ろを取りに行くかにも目が離せません。

 単騎の2人(松浦、吉澤)ですが、吉澤選手は脚力こそありますが、単騎戦向きと言える器用さはありません。中団からのレースになった場合だと、現ナショナルチームの2人(新山選手、寺崎選手)と脇本選手のスピードを前にした場合、苦戦を強いられる可能性があります。

 一方、松浦選手は単騎でも何かしてくるだけのレースセンスがあるだけに、先行したラインのスピードに乗っていく、あるいはラインの切れ目を狙ってくるなど、何らかの策を講じてくるはずです。

 ただ、策を講じずとも自分の力で勝利を切り開けるのが、今大会の脇本選手だと思います。5日目の順延もまた、コンディションを整えるにはまたとない時間となったはず。完全優勝を目指すような走りを期待しています。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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